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【心理的安全性への道♯2】正解がないからこそ“身体”の違和感に気づき、役に立つことを模索する

スペースキーの小野(@tsugumi_o_camp)です。心理的安全性のある組織を目指して組織のあり方を考える記事の2回目。今回は、人事として活躍するRuntripの冨田さん、LayerXの石黒さんに、組織デザインについてのナレッジを聞きました。様々な組織を経験してこられたお二人の経験から、心理的安全性につながる要因はどこかを探ります。


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冨田 憲二 さん
USEN、VOYAGE GROUP子会社としてジェネシックスを創業。スマートフォンアプリのプロデュース・開発に携わる。モバイル、スマートフォン領域のマーケティング/グロース経験を活かして、創業期のスマートニュースに8人目の正社員として入社。グロースハック、TVCMやデジタルマーケティング、広告事業立ち上げとセールスマネージャーを経て最後は人事責任者も担当。現在は株式会社ラントリップ取締役として、「もっと自由に、楽しく走れる世界」を創るべく事業・組織と幅広く奮闘中。


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石黒 卓弥 さん
docomo、メルカリを経て、2020年5月より株式会社LayerX執行役員に就任。前職のメルカリではHR部門の責任者として60名→1700名の組織開発を推進。現在、デジタル庁(仮称)創設に向けたデジタル改革関連法案検討推進委員も務める。キャンプをこよなく愛する3男児の父。


Q.組織ってなんですか?


-お二人は組織づくりをどう捉えていますか?なんのために組織づくりをやっているのでしょうか?

(冨田)1人できないような大きなことを成し遂げるため、チームを組んで取り組んでいくのだと思います。目的達成ゆえに、組織やチームになっていく。

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私は組織をデザインすることを“成長する身体”に見立てています。成長のためには心臓が大事。全身に血液を巡らせるために、血圧や血流はもちろん、純度も重要です。身体が成長するに従って、末端に純度の高い血液が届きにくくなりますよね。いかにして純度高い状態で、全身にまんべんなく行き届けるか。これは組織でも言えることで、私は常に“成長する身体”をイメージして組織デザインを考えています。

「法人」っていうくらいで、組織には人格があると捉えています。それは、組織の課題にはロジックではどうにも説明がつかないことや、セオリー通りにやってもうまくいかないことがあるから。そういった“感覚”も含めて、成長させていくことが必要です。人の身体も組織も、2つとして同じものはありません。なので、他の組織でうまくいったことをそのまま取り入れてとうまくいかないのは、その組織は固有のものであるからと考えます。

-ちょうど、noteでこの概念について書かれていましたね。なぜ書かれたのですか?

(冨田)私はnoteを執筆するタイミングは2つあって、「考えを深めたいとき」と「消化しきれなくて発散したいとき」です。

あるひとつのことについて、頭の中でぐるぐると考えていることを、文章にしながら前後のつながりを意識して、より深く考えたいときが1つ。また、いろいろな方と話をすると、共通の真理が登場することがあります。切り口は違っても、行き着く所は同じ。これを1つのストーリや知識としてまとめたいなと思うことがありそれが2つめ。組織の具体的な話って意外と世の中には出てきていないので(出せないことが多いですが)、共通の悩みをまとめて発信したいという想いもあります。

この記事も、ここ最近組織についての相談が相次いでいたので、考えをまとめて発信したいなと思い執筆しました。

-たしかに。自己認識とかうまくいかなくて、ちぐはぐ感が出るときがありますからね。思考をまとめるには有効そうです。石黒さんはいかがでしょうか。

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(石黒)私も大部分は冨田さんと同じですね。1人で完結できるならそれでいいけど、そうでないことが多い。前職のメルカリでお話すると、組織とはミッションを達成するため、一緒にそこに向かっていく“仲間”。組織って実態としては存在していないので、あくまで人の集合体です。必要なチームであり、仲間。

また、組織デザインにおいて大事にしているのは、組織をつくる人と所属する人というすみ分けをしないこと。人事というポジションということもあり、よくメンバーから「今後の組織はどうなるんですか?」という質問を受けることがありました。ただ、そういう時には「理想の組織になるように、みんなで当事者になって一緒につくっていくんだよ」と声かけをしていましたね。誰かが組織をつくるのではなく、みんなでつくる。みんなが組織の構成員として介入していくような働きかけをしてきたかなと思っています。

-スタートアップでは組織もまだ小さく、全員で組織をつくれる環境ですが、大きくなってくるとどうしても「管理職とそれ以外」という図式が生まれてくるように思います。スタートアップの勢いのまま、駆け上がれる組織とそうでない組織の違いって何でしょうか?

(石黒)外部環境にもよってくるので一概に言えませんが、ひとつあるのは、身体(組織)の成長に合わせてどういうところに意識を置くかがポイントかなと。また、どのような人に出会うかも極めて大事ではないでしょうか。

(冨田)気を遣えるかどうかだと考えます。身体の成長のためには、運動はもちろん食事の内容や質も大事です。健康的に成長するために、気を遣えるかどうか。気を遣うということは、自分の身体に向き合って意図的に意識を内側に向けることです。身体の状態は人によって全然違うので、「今、自分に必要なケアは何なのか」それを考えられるか考えられないか、できるかできないかの違いではないでしょうか。

健康を考えて組織をつくっているリーダーもいれば、事業ファーストの組織もある。新しい血や細胞をガンガンに入れて、その後の身体のケアはしないという組織もある。良し悪しはそれぞれで、正解がないんですね。暴飲暴食しても元気に走れることがあれば、繊細に気を付けていてもすぐに病気にかかることもあります。それは、体質によっても違うし、登る山(組織文化)によっても、必要な身体の状態は変わってきます。ほんとに人それぞれで、一概に言えないところがむずかしいですよね。

-なるほど。内側に意識を向けて対処する様子は、機能的文脈主義の「役に立つことを模索する」とつながりそうです。

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(冨田)メルカリさんは身体に気を遣う組織だったのではと外から見て感じたのですが、実際にどうでしたか?

(石黒)メルカリを会社と見るならば、そうだと思います。要所要所でそういった判断がなされてきた現場を見てきました。在籍した5年間で言うと、大きく成長していく時期は採用に注力。たくさん食べて大きくなったら、次はトレーニングが必要になって、育成や人材開発を担いました。

-正解がないので事例にとびつきがちですが、そこにどういう心理が隠れているかを探って方法を模索していくのがいいのかもですね。


Q.フェーズの変化をどう乗り切ればいいですか?


-事業にはフェーズの変化があって、そのフェーズごとに心構えや対処を変え、時には挑戦していく姿勢が必要と考えています。そこで質問ですが、フェーズの変化をどうやって認識していくのがいいでしょうか。また、組織全体での変革が必要な場合、どうやって動かしていくのがいいのでしょうか。

(石黒)個人的には、フェーズ云々という思考はあまり好きではありません。フェーズが変わったというのは結果論であって、大事なのは「自分はどう動いたか」ということかと。人でも組織でも、行動するのであればなるべく自分の意志で動いたほうがいい。その事態に対して、構成するメンバーの一人としてどう携わったかが重要になってきます。

ただ、そういったフェーズを経験することで、予防しやすくなるメリットがあると考えられます。身体でも「風邪ひきそうだな」「筋肉痛起きそうだな」って感覚としてあるじゃないですか。組織に置き換えれば、1年ごとに倍で成長を続けていたらたしかに歪みが出るのでは、とか。

「フェーズの変わり目」って、ポジティブもネガティブでも両方で使えるワードです。変わるか変わらないかは、それが終わってみないと誰もわからない。だからこそ、当事者としてベストな意思決定をその都度していくことが大事。みんなが当事者としてどう行動したかが大事なんだと思います。

-フェーズはあくまで結果論。そしてよい結果を導くために自分たちの置かれた状況を見分ける。これは心理的柔軟性の「見分ける力・気づく力」にも通ずる部分ですね。

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(冨田)登山ってたしかに登っている途中は、どこを登っているかわからないですね。登り切ってみて初めてわかるもので、終わってみないとわからないということにとても共感します。結局、後付けでどうにでもなっちゃうんですよね。スタートアップだとすると、がむしゃらに登り始めて段々と優秀な人が採用できるようになって、すると古参と新参のズレが出てきたりして。ただ、この問題は必ずしも起きるとも限らないし、フェーズの話で片づけられるものでもない。その組織がどういった山をどのように登るかというだけの話なんです。どう判断するか、それは企業の問題であってそれまで歩んできた歴史や文化の側面もある。

とはいえ、石黒さんがおっしゃったように、経験から気づけるタイミングはあるでしょう。内側に意識を向けて、感覚を研ぎ澄ましていれば、身体の不調に気づくことができます。なので、状態が変わるのはフェーズという1つの要因ではなく複合的な要因が重なっていることが往々にしてあります。よって解決するには、1つの処方箋では対処できない場合もある。身体特有の疾患がやってくるタイミングを予防しながら、いかにして気づけるか。組織は身体なので、個体差があります。違和感に気づけるかどうかは、繰り返しになりますが意識を向けているかどうかなんです。痛みが出たら、それから目をそらさずに向き合って対処していくことが大事です。

-やはり「見分ける力・気づく力」が重要なんですね!


Q.なぜ人を増やして組織を大きくしたくなるのですか?


-お二人は元々人事以外を担当されていて、結果人事を経験されました。当時はその現場なりの、組織を考える機会があったはずかと。当時と、人事としての組織づくりではギャップはありましたか?

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(冨田)一番の違いは、守備範囲の広さです。現場の時は(数字も含めて)進行方向だけをしっかり見据えていればいい状態だったのに対し、人事になったら全方位を守備しなくてはいけませんでした。一番ギャップに感じたのは、味方からも矢が飛んでくること。人事って大変だなぁと思い知らされましたね(笑)。だからこそですが、視界が広くなりました。俯瞰して組織を見られるようになって、今はバランスよくできているかなと思っています。

(石黒)私はあまり人事の仕事をしているという実感がないんです。これまでやってきた経験がある分、少しだけうまくやれる自信があるという程度で。経験から、なんとなく本業のようになっていますが、「必要なことをやっている」という認識であるのは変わりません。だからか、本を読んでがむしゃらにやってきたことが言語化されていると「なるほどね!」と改めて納得する部分もあっておもしろいです(笑)。よく学生さんから「人事に必要な経験は何ですか?」と聞かれることが多いのですが、「人事以外の経験です」と答えるようにしています。

-(謙虚だなぁ……。)いくら領域のプロであっても、知識をうまく使えなかったら意味ないですからね。おごらないところはさすがです!

現在所属している組織づくりについては、どのように感じていますか?

(石黒)現在はLayerXで、主に人事と広報を担っています。組織は35人、まだまだ小さく全員が全力でミッションに向けて全力投球している印象です。なので組織課題も今のところないですね。事業にコミットできる環境で、とても楽しめています!

(冨田)ラントリップも少数精鋭型でまだまだ小さい組織です。当社の強みは「ランニングマーケット」というフォーカスした領域で、かなり明確なビジョン・ミッションを掲げているので、メンバーのモチベーションは物凄く高いです。故に今は組織に関してこねくり回すよりもとにかく事業のスケール。「ランニングが楽しく継続できない」という大きな課題に対して、処方箋が一通りではないので、必然的にメディア・コミュニティ・イベント……など少数で多くの事業ポートフォリオを抱えています。個々にかかる負担はその分大きいですが、何でもハンズオンでできるのがスタートアップの醍醐味ですね。私も今はリソースのほとんどを事業ドライブに費やしています。

ただ不思議なのは、小さい組織で人を増やしたくなっちゃうのはなぜなんでしょうね?少ない人数でやれることに越したことはないんですが。

-なぜだと思いますか?

(冨田)成長していかないと、新しいことができないからかと。身体が硬直してしまうのがよくないので、ずっと同じことをしないためにもある一定の成長はしていかないといけないのだろうと考えています。

(石黒)みんなが一度は、人が増えてできることが広がった経験をもっているからだと思います。特にリファラルで採用できると、「あの人はこんな感じで活躍してくれる」とイメージがしやすいのでなおさらですね。むずかしいのは、自分が何とかすればいいという領域を越えてしまったとき。特に、日本ではデリゲーション(権限委譲)への課題感があり、複雑にさせてしまっているのかと。

-組織状態は良好とのことですが、なぜ実現できているのですか?

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(石黒)LayerXは創業してまだ2年目というのが1つ。高い熱量で、正直、他のことを考える余裕なんてないんです。やることが山積していて、それをひたすらクリアしていく。シンプルですがやることがはっきりしていると脇目も振らず集中できるのがいいですね。

また、自分たちのサイズ感以上に、世の中の期待を感じているというのもあります。資金調達の際にも、福島が「非常に身が引き締まる思いで、1円の資本効率に徹底的にこだわり、世に貢献できるよう尽力いたします。」とTweetしています。当然、我々も無駄になんかできないですよね。そういった行動1つひとつが、メンバーの意思統一にいい効果を与えているのではと思います。

-福島さんとの関係性を強く保てているんですね。

(石黒)でも「福島を好き」だけじゃ成り立たない部分も当然あるので、情報の透明性やリアルタイムの情報共有は徹底していますね。そして組織の期待値としても特徴的なワーディングとして「朝令暮改上等」と伝えており、いい意味で意思決定速度とその後の行動が早くできています。

-軸がはっきりしていたり、議論のための情報共有がされていることは、「話しやすさ」にもつながっていそうですね。

(冨田)山は登り始めのほうが楽しい。LayerXさんはちょうどこのタイミングで、みんなでわいわいガヤガヤしながら登っている様子が浮かんできました。一方でこわいのは、延々と登り続けて、「なんで登っているんだっけ?」となること。そのような時に、石黒さんのような、経営者のイタコとなって語れる人がいるのはとても強いと思います。LayerXさんが今後大きくなって、仮に現場との距離が離れてしまうことがあっても、石黒さんや他の誰かが語り継いでくれることで、すぐ近くに福島さんがいるような心強さを与えられるのでは。健全な組織には、改めて必要な存在なんだと感じました。

-この状態が維持されるとおもしろそうですね。冨田さんはいかがですか?

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(冨田)先ほど触れましたがラントリップはまだまだ前に走る背中や、横で走る息遣いがはっきり見える・聞こえる状態なのでものすごく健全で阿吽で疾走できています。ただ、当然今後組織が大きくなれば同じように走り続けることはできないので、今の状態を客観的に俯瞰し続けながらつまずく前にしかるべき処方箋を当てていこうと思っています。あらゆる事業経験と組織拡大経験がある私の今後の大事なミッションだと思っています。


Q.事業に集中する環境はどうつくればいいですか?


-スペースキーも複数の事業を運営していて、様々な課題が出てきます。目の前の事業に集中しコミットするような環境づくりのコツはありますか?

(石黒)意図的に情報を遮断するのもありかと思います。目線を切って断ってしまう。意図的に情報を切れば、必然的に目の前の仕事に集中できますよね。その環境をつくるのも管理職や上長の役割であったりします。

-実際にやっているんですか?

(石黒)LayerXでは事業が2つありますが、それぞれの事業のチームは意図的に分かれて動いています。それぞれが成功しようと動いていて、目指す方向性を共有したら「ではまた!」という感じで、完全に別行動ですね。

情報の制限という点では、今スタートアップで流行っている「タイムズチャンネル(分報チャンネル)」を、LayerXでは禁止しています。

なぜかというと、事業のことは事業のチャンネルでやればいい。#randomチャンネルもある。事業の成功だけを考えると、それ以上必要でしょうか?もちろん、制限する理由もちゃんと伝え、納得の上で実行はしています。

-情報を意図的に遮断するという手法は考えていませんでした。進む目的が明確だと、挑戦もしやすくなりそうですね。


Q.理想の組織ってどのような組織ですか?


-理想の組織ってどのような組織でしょうか?

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(冨田)何を理想とするかがむずかしいところですが……。理想とはちょっとズレますが、小さい組織のほうが、登り始めが最高に楽しいように感じます。それは、小さい組織のほうが、自分の身体として捉えられるから。自分の強みを活かして、やる気を加速させていく楽しさがあるかと思います。やる気って車の運転と似ていて、目的地に向かって自分でハンドリングできて、多少の遊びがあって、ワクワクできて。そのような体験ができるのが、より小さい組織なのかなと思います。組織が大きくなっても、その感覚をいかにしてつくっていけるか。安心してワクワクできる、そのような状態をつくれるのが理想かもしれないですね。

(石黒)それは、チームとしての大きさかもしれないですね。大企業でも、スピード感をもってワクワクしながらできる新規事業のチームなどもありますので。見渡せる規模感で、みんなが同じ方向を向いている状態が、理想のチームなのではと考えます。

そうしないと、いつまで経っても「大企業→ベンチャー」の図式になってしまいます。小さなチームを意識的に作って、そのベストプラクティスを横展開していくと、大きな組織でもいいサイクルが生まれるように思います。

(冨田)たしかにそうですね。その点で、サイバーエージェント社の組織のつくり方はまさにこれで、新規事業は子会社化して優秀な若手をトップに抜擢、スモールチームでモチベーション高くスピーディーに回しています。あのスキームを作り出し、ある種流行らせたのは彼らですよね。私も当事者として(当時のグループ会社VOYAGE GROUP ※旧ECナビ にて)経験がありますが、モチベーションの爆上がりが半端ないです(笑)。サイバーエージェント社のような土台が営業マインドの企業というのは、「気合」という言葉があるぐらい「気」を大事にします。故にあのスキームの本質は「やる気」の最大化なんですよね。つまり企業として経営としてモチベーション(健康管理)にとても気を遣っているからに他ならない。ここは多くの企業で取り入れるべきだと考えます。

サイバーエージェント社もリクルート社も、狩猟型のカルチャーが特徴ですが、若手へのモチベーションの上げ方がとにかくうまいです。仕事で青春できるような、純粋無垢に突き進めるように持っていってくれる。人間的に成長できるような魅力を感じさせてくれるのは、ワクワクするし純粋にやっていて満たされるはず。たしかに大きい組織に未来がないのではなく、チームや子会社など小さなチームでワークできるスキームで理想の組織を実現していくのがいいと思います。

-なるほど。小さなチームで回していくのはいいかもしれません。その際に、意思決定者とのすれ違いが生じたときはどうするべきでしょうか。

(冨田)当然、どちらも人間なのですれ違いや考え方の違いはあります。どちらが良い悪いではなく、山の登り方の違い。相違があって当然なので、深刻に捉えず妥協点はどこか歩み寄って行けばいいのではないかと思います。

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(石黒)過去にあまりそのような経験がないのではっきり言えないのですが……。ただ、組織のリーダーはいろいろ発言していいのではないでしょうか。結局、てこを動かす人(リーダー)が動くのが一番インパクトあるので、意志をもって発言をしていけばいいと考えます。

ただ、その場合はオープンなところで話すのがポイントです。オープンなところでプロミス・コミットメントすることで、約束の履歴を残していくことが大事。同時に社会的な約束としてコミットメント力も強められるのはメリットになります。約束したことを変更したっていいかと。組織の歴史として、その変化も含めて楽しめばいいことだと思います。

-そう思うと決断を楽しみながら組織をデザインしていけそうですね。多くの気づきと学びがありました。ありがとうございました!


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