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“GoToトラベル”という未踏に挑んだら、チームの当事者意識が高まったという話

スペースキーの小野(@tsugumi_o_camp)です。「GoToトラベルキャンペーンって、観光業だけじゃないの?」いえいえ、実はスペースキーのメイン事業であるアウトドアにも大いに関係があるんです。キャンプ場検索・予約サービス『なっぷ』でも対応を実施。その舞台裏を取材しました。


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齋ノ内 直人
2015年入社。前職は文具・オフィス家具メーカーのルート営業。「最近の悩みは異常に大きいダッチオーブンを間違って買ってしまい、全く活躍する場がないこと。」

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松本 杏平
2018年入社。前職はコンテンツ・プロバイダー向けにWeb広告の営業を担当。「新しくアルパカストーブを購入!早くストーブの上でおでんをしたい。」


アウトドアプラットフォーム本部について


-おふたりが所属する部署の紹介をお願いします。

(齋ノ内)僕たちが所属するアウトドアプラットフォーム本部では、キャンプ場検索・予約サービス『なっぷ』の運営をメインに事業を進めています。具体的には、

(1)『なっぷ』のシェア拡大(施設数、在庫数の拡大)
(2)『なっぷ』の価値向上(コンテンツの見直しを図り、施設と共に成長する)

の2点を基本方針として、『なっぷ』を介してキャンプ場市場全体を牽引するような役目を担っていきたいと考えています。事業部名通り、アウトドアのプラットフォームといえば『なっぷ』と認識してもらえることが最終目標です。

(松本)中核としての『なっぷ』ですが、付随する部署とも連携しながら進めているところです。例えば、ユーザーさんからの問い合わせ先としてのコンタクトセンターや、レンタルサービスやレクチャー付きプランなど初心者向けコンテンツの開発・運営をするチームなどです。

-『なっぷ』内でもできることが増えてきた印象あります。今取り組んでいることはなんですか?

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(齋ノ内)現在注力しているのは、『なっぷ』の再定義です。『なっぷ』とは何者であって、想定されるお客さんって誰なんだろうという細かい定義をきちんと定義しなおすところを進めています。『なっぷ』は元々はキャンプ場施設さんに価値を提供するために生まれたサービスであって、施設さんへの支援が最優先というスタンスは変わっていません。その前提の上で、より収益を上げるための機能開発やUX改善を図る際の基準を明確にしようと取り組んでいます。

というのも、今まで各種施策立案や機能改善をするにも、何を優先していくかの基準が曖昧でした。今後、最優先すべき開発だけでなくその他の開発も効率よく進めていくために、交通整理をしていかなくてはいけない。「まずはこれをやろう」がやっと見えてきた状態で、全員の認識を合わせて前に進めるための体制を、今まさに形作っているところです。

(松本)プラスして、今までやってきたことも「クオリティとスピード」をさらにUPさせることにも取り組んでいます。例えば、僕は『なっぷ』内ページ作成におけるクオリティチェックのメイン担当として、責任をもって進めています。個人個人が責任領域をもって、責任者として進めているとことが昨年との違い。裁量だけでなく責任感も伴うと、おのずと能動的に進められるような気がしています。

-個人の特性を活かしながら、サービスと一緒に成長できそうな雰囲気ですね。今後の取り組みがさらに楽しみです!


キャンプ場と「GoToトラベルキャンペーン」


-『なっぷ』での「GoToトラベルキャンペーン」の対応についておしえてください。

(松本)「GoToトラベル」の概要は以下の通りとなっています(ので、説明は割愛します)。

アウトドア業界では、バンガローやコテージなどの簡易宿所営業の許可を得ているものが対象となります。また、地域のアクティビティなども含めたプランも対象です。ちなみに、簡易宿所営業の許可は自治体によって変わってきますので、利用する場合はしっかり確認の上でお願いします。

-そうなんですね!それはチェックするのがむずかしそう……。

(松本)チェックは実際に大変でした。自治体によって簡易宿所営業の許可基準が違うので、線引きがむずかしかったです。ただ、これは一般の観光業では関係なく、『なっぷ』特有の問題ですね。

-実際にこれはどのように進めたのですか?

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(齋ノ内)簡易宿所営業の許可が基準の1つになりそうという事前情報があったので、施設さんへのヒアリングを前もって進めていました。また、同タイミングで新規加盟のお申込みをいただいた施設さんには、契約と同時にヒアリング。これで施設さんの振り分けは大体が完了していました。

-なるほど、まずは簡易宿所営業の許可の確認をすることが1つ。他にしなくてはいけない課題って何があったのでしょうか?

(松本)大きくは2つで、「オペレーション(仕組み)開発」と「システム開発」です。どうなったら割引になるか、どうなったら給付金が発生するのかといったお金の流れのオペレーションを設計しないと全体像がつかめず、そこを明かにする必要があったこと。また、そのうえで『なっぷ』は予約→割引という機能自体がそもそもなかったので、そこも開発しなくてはいけませんでした。

(齋ノ内)オペレーションはユーザーさん側、施設さん側で大きく2つの流れが考えられました。

■ユーザーさん側
〇対象となる施設タイプ:テント/常設テント/コテージ/バンガローetc……
〇決済方法:現地決済/オンライン決済
〇予約経路:なっぷ/キャンプ場HP予約/電話予約
〇キャンセルの場合
■施設さん側
〇給付パターン:予約時割引/事後還付割引(ユーザーの予約日/利用日により適用種別が異なる)
〇給付金の振込の流れ、タイミング

これらの組み合わせによって想定されるパターンを洗い出しました。むずかしかったのは、「Aなら対象、Bなら対象外」と条件がバチっと決まっていなかったため、判別がケースによって変わってきてしまうこと。対処法として、パターンを洗い出し、それに応じたQ&Aをまとめて、その上で『なっぷ』特有のルールブックを策定しました。思い返せば、ここが一番しんどかったかなぁ。

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(松本)システム開発は、開発部のエンジニアのみなさんに1からつくってもらいました。仕様の確認が僕たち、その仕様に沿って要件定義・開発・実装するのが開発部という役割分担でした。ただ、仕様が発表されるまでは時間があり、その間何もしないのはお互いにとって非効率だと思ったので、過去の施策から準備できないかと考えました。アウトドアは自然災害とは切っても切れない関係なので、過去にあった復興割のようなものを基準として、予想と対策を立てられないかと。

-前もって進めていたんですね。何か参考にできないか、模索していたのがさすが!

(松本)おかげで、仕様の整理や事前理解はだいぶ心構えができました。実際に事務局から仕様が出されてからは、その情報を元にシステムに落とし込んでいったという流れです。助かったのは、開発部のみなさんも僕らが整理した情報や発表された仕様を読み込んでいただけていたこと。双方の視点から不明点を洗い出すことができて、より具体的な項目をつぶしにいけたのは、とても合理的な進め方だったなと思います。

-他部署である開発部との連携は、どのように進めていったのですか?

(齋ノ内)期間限定で毎日定例mtgを設けて、そこでコミュニケーションは図っていました。前述のとおり、「この仕様に関して、○○を確認してほしい」という開発側からのオーダーに対して、僕らが事務局に確認・報告をしたり、僕らから「こうやりたいけど実現可能ですか?」と要望を伝えたりと、お互いの意見をすり合わせる場という目的がメインでした。

(松本)大変だったのは、「GoToトラベル」には地域共通クーポンというものがあり、その運用について。クーポンを付与するには、その日がチェックインのユーザーさんのデータを毎朝10時までに管理画面を通して事務局に報告する必要があり、仮に手違いで送れなかった場合、クーポンが付与されずユーザーさんに迷惑をかけてしまうリスクがありました。僕らとしてはミスなくデータを事務局に送信したい。その要望を開発部に相談したところ、「自動化できたらいいのでは?」というアイデアをもらえました。自動化できたら、ヒューマンエラーは防げるだけでなく、僕らのリソースも削減できる。

-そういう提案をしてもらえると心強い!

(松本)ほんとに頼もしかったです。ただでさえ、情報が流動的でミスが起きやすい状況だったので、少しでもエラーを小さくできる提案をいただけたのはありがたかったです。僕らでは気づけなかった視点でもありましたし。実際に動き出してからも、システム修正→テスト→実装を何度も繰り返して開発をしてくれました。仕様変更の度にこれを繰り返して、開発部も本当に大変だったと思います。

(齋ノ内)仕様が頻繁に変更になるので、「仕様は変わるもの」としてお互いフレキシブルに対応できたことがよかったと思います。最初こそバタバタしすぎてうまくいかないこともありましたが、途中から限りある時間で、個人ができることをやろうという意識に変わっていったと。

-そのあたりが、業務を進める上で意識していたことですね。他に意識していたことはありますか?

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(齋ノ内)お金の流れやオペレーションが複雑で、理解するのに本当に、本っ当に苦労しました(笑)。事務局へ何度問い合わせしたことか……。ただ、理解するだけでなく、それをチームのメンバーへ伝え、理解してもらうことまでが僕らの仕事。伝える能力が求められ、そこはすごく意識しました。僕らがしっかり理解しないと、その先にいる施設さんやユーザーさんにも伝えられない。また、みなさんに理解してもらえる伝え方をしなくてはいけない。そこはむずかしく、気を付けたことでもあります。話すだけではなく図解をつくるなど、状況に応じて伝え方を工夫するなどしました。

(松本)僕は、主体的に動くことです。必然的にそうせざるを得ない状況でもあったのですが、SNSで情報を集めたり、各サイトを逐一チェックしたりと自ら進んで情報を取りにいったりしていました。待っていたら、おそらく途方に暮れていましたね(笑)。ゴールに向かって、仕組みづくりからがっつり入って作り上げたのは、スペースキーでほぼ初めての経験だったのですが、意志をもって主体的にやれたことがよかったです。

-『なっぷ』運営側では主におふたりが中心となって進めていたようですが、そこの担当分けなどはどのようにしていたのですか?

(松本)最初は僕がアサインされていましたが、業務範囲が膨大なこともあり、なおさん(齋ノ内)に途中から入ってもらい、二人で並行して進めました。振り返って不思議だなーと思うのは、特に担当分けを決めていなかったのに、結果的にスムーズにいったことです。ちゃんと決めてなかったのが返ってよかったのかな?

(齋ノ内)二人だったからよかったのかも!やらなくてはいけないことは見えていたので、僕は手付かずのもう一方をやるだけ。「施設さんへの連絡はやるから、ユーザーさんへの連絡はお願いね!」みたいな感じで、僕は結構勝手にやれてたかな。「GoToトラベル」は日々情報が変わるので、臨機応変で柔軟な対応が求められました。結果的に、二人だとそれがしやすかったなと振り返って思います。

また、流動的な状況の中だと、何が事実か確証を持てなくなることもありました。確認をしつくしても、それが認識違いだったという可能性もあります。そういう点でも、二人で再確認しながら進められたのは大きかったですね。『なっぷ』は多くのユーザーさんが利用するサービスです。それを1人の視野だけで決めるのはリスクもあるので、両者の視点で広く見ながらできたのはよかったなと思っています。

-進めていて、むずかしかったことはなんですか?

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(松本)オペレーション設計をする上で、今できる範囲はどこで、どうするかを考えなくてはいけないのがむずかしかったですね。当然、細かく徹底的にやろうとするほど、工数もかかる。でも、リソースは限られている中で、『なっぷ』としてはどこまでやるのか。日々情報が変化して正解がない中、そこを決めて推し進める判断をしなくてはいけないのが大変でした。

(齋ノ内)たしかにそれあったね。そもそも、「本当にGoToトラベル対応をするのか?」という意見もあったくらいで、責任を持って運営しきる覚悟が当初はみんなの中になく、そこを統一していくのも大変でした。迷惑がかかるのは施設さんやキャンプを楽しみにしているユーザーさんです。混乱やトラブルを生むリスクを鑑みて、対応をすることへの戸惑いや消極的な意見もあったのは事実です。

-やっぱりそういう意見もあったんですね。それでも「やろう!」となったのは?

(松本)『なっぷ』としての責任感ですかね。『なっぷ』はキャンプに行きたい人のプラットフォーム的存在ですから、『なっぷ』がやらなかったら誰がやるんだと。コロナで、アウトドア業界も大きな打撃を受けています。アウトドア業界の復興のため、できることがあるならやりたいというみんなの想いが後押ししたのかなと思っています。

-スペースキーはやる使命だったということですね。みんな熱量があって、とてもいい話。


「GoToトラベル」から学んだこと


-今回のPJから、得られたことは何でしょうか。

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(齋ノ内)僕は『なっぷ』に携わるようになって長いので、業務の大体の予想はつけられるようになったのですが、今回は全く予想がつきませんでした。情報が流動的で答えがない、そのような中でサービスを作り上げていく。不安も大きかったのですが、自分たちでなんとか形になったとき、すごく嬉しかったです。むずかしかったけど、うまくいかないことも多々あったけど、これこそが仕事の本質なんだなと。初心に戻ったような、とてもいい機会になったと感じています。

(松本)キャンプは自然災害の影響を受けやすいレジャーです。今回、0からオペレーションとシステムを作り上げられたことで、復興のための足場を固めることができました。今後、また同じような事態になったときに、『なっぷ』が迅速に支援できるできるようになるかもしれない。その第一歩を踏み出せたことは大きいと感じています。

ただ、「GoToトラベルキャンペーン」は絶賛継続中で、僕たちもまだまだ走り続けているところです。ここで気を抜かずに、最後まで施設さんの支援とユーザーさんのキャンプ体験をサポートしたいと思っています!

-他部署との連携で得られたことはなんですか?

(松本)新しいサービスをエンジニアさんと一緒につくりあげるのは初めてだったので、すべてが勉強になりました。サービスってこうやってできるんだと、Webサービスを扱っていながら初めて知りました。開発の言語や用語はむずかしいものばかりで理解が大変でしたが、他部署への理解が少し進みました。また機会があれば、一緒にサービスをつくりたいですね。

(齋ノ内)コロナによってスペースキーもリモートワークが通常となり、他部署とのつながりが薄くなった中で、今回開発部と連携することで連帯感を感じることができました。チーム内ではあたりまえなことでも、部署をまたぐとまた反応も変わって、それが僕には新鮮でした。部署は違っても、目指すゴールは同じ。そこに向かってみんなで力を合わせた経験が新鮮であり、とても楽しい機会となりました。

-今回、たくさんの人がPJに関わっていたと思いますが、意外な発見や活躍などはありましたか?

(松本)いや、全員じゃないですか?『なっぷ』のメンバーはほぼ全員が施設さんとやりとりをする機会があるので、みんな業務をこなしながら、「Go To」の勉強をしてくれていました。みんなが自分事として取り組んでいる姿勢には、脱帽します。

(齋ノ内)ほんとにそれ!最前線で対応しているメンバーが、言われていなくても進んで「Q&Aテンプレート」を作っているんです。僕にこれで問題ないかチェックしに来てくれたり。自分で考えて動けていたことに、本当に感動しました!僕たちだけでなく、施設さんもユーザーさんも、みんながわからない状態。だからこそ、『なっぷ』のみんなが進んで情報を取りに行って最前線で対応してくれたことに、心から感謝しています。この場を借りて、みんなありがとうございます!

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『なっぷ』チームのみんなありがとー!

-『なっぷ』チームの絆が深まった経験でもありましたね。対応はまだ継続中とのことですので、引き続きよろしくお願いいたします!


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