梅田堂山TSUTAYAの思い出
2000年代のことしか知らないのですが、当時はほんとに品揃えがすごかった。恵比寿や新宿のTSUTAYAに匹敵するレベルでした。
その反面、「どこの棚に何が置いてあるか」が、めちゃくちゃ分かりづらいTSUTAYAでした。(私の場合はです)
どれだけ分かりづらかったのかを書きたいと思います。
ある日、昔のSF映画『華氏451』を観てみたいと思いました。
で、確実に置いてありそうなのが、このTSUTAYAしかなかったので、自宅から40分かけて歩きました。
店に到着し、さっそくお目当ての『華氏451』を探しました。
広い店内で、1本の作品を探すには、棚や天井にぶら下がった案内表示だけが頼りです。
「新作」や「準新作」、「時代劇」「アクション」などのジャンル別、「俳優名:五十音順」などが書かれたアレです。
まず、「SF映画」コーナーを探しました。ありませんでした。
続いて、監督名で探すことにしました。
監督は、フランソワ・トリュフォーです。
監督名別コーナーで、「ト」欄を探しました。
トリュフォー監督作品は多数ありましたが、『華氏451』はありませんでした。
念のため「フ」欄も見ましたが、ありませんでした。
仕方なく、「フランス映画」コーナーを探しました。ありませんでした。
(※さっき知りましたが、イギリス映画なんですね。なくて当然)
こうなると厄介です。打つ手を失いました。
大人しく店員さんに聞きました。
映画めちゃくちゃ詳しそうな雰囲気たっぷりの店員さんは、「SF映画コーナーにあると思います」と言いました。
最初に探した棚なのに…と訝しがりながらも、もっかい「SF映画コーナー」の棚を丁寧に見ていくと。
小さく、下記のような張り紙がありました。
「『華氏451』この映画は
元洋画まだ作へ移動しました」
元洋画まだ作へ って何?
なんて読むのかもわからない。「もとようがまだつくへ」でいいの?
戸惑いつつ、店内の案内表示をつぶさに確認しました。
入店直後からちょっと思ってたのですが、このTSUTAYAは、「準新作コーナー」を「準新」とか、たまに変な省略記載が見受けられた。
それで、店内を5分以上ウロウロして、閃きました。
「元『洋画まだまだ新作』コーナーへ移動しました」 だ!!
わかるかーーーーーーーーーーーーー!!!!
いろいろ指摘したい気持ちをこらえ、ふたたび店員さんに尋ねて、今度はモノ自体を持ってきてもらいました。
その後、ちゃんと『華氏451』を観たのかも、もはや覚えてないですが、あの張り紙だけは未だにしっかり覚えています。走馬灯に出てきたらイヤだな。