
勤続15年サラリーマンが転職活動した件#5
<転職先候補#2
ベンチャーエアモビ系マネージャ(その1)>
某大手の応募をしている間に、ベンチャー特化の転職エージェントと連絡を取り合うことになる。
好感の持てる青年で(職業柄なのかもしれないが)転職する人の気持ちに寄り添いながらも、現実を教えてくれる方だった。
このエージェントはベンチャー企業に転職することのメリットとデメリットについて色々と教えてくれた。
メリット:
1.会社のマネジメントやルール作りなど、大手企業での経験を十分に活かせる。
2.裁量範囲が広く、何でもやりたい人向き。
3.ストックオプションなどの金銭的インセンティブがある。
デメリット:
1.ルール化されていないので、仕組みやシステムがしっかりしている会社から転職するとストレスに感じることもある。
2.資本金が限られているため、倒産のリスクは大企業より高い。
3.退職金が設定されていない、もしくは少ない会社が多い。(ストックオプションが代わりのイメージ)
話の中を聞く中で、転職市場においては40歳までは案件が結構ある一方で、45歳を過ぎると給与面などの条件もあって、どんどん案件が減っていくとのこと。同じ45歳でも、大企業を辞めた転職1年目と、一度ベンチャーで働いた経験者では転職の市場価値が違う、というところが気になった。もちろんどちらが良いと言うわけではないが、個人的なイメージとしては、前者は転職先が大手でマネージャ向き、後者は転職先の範囲は広く、どちらかといえばエンジニア、もしくはプレイングマネージャ向き、といったところか。
もちろん、ベンチャー特化型の転職エージェントなので、謳い文句も含まれるだろうが、納得できる部分もある。
エージェント「こちらの会社は機体の開発を行っている会社ですが、今後の業績向上を狙ってフラッグシップの機体の量産化を進めようとしている会社です。ですので、量産化に向けた設計や製造を進める上でのマネージャを探しています。」
なるほど、前回の会社もそうだが、どうやらエアモビを開発している会社のうち先行している会社は自社での製造ライン確保とと共に、量産化を目指す会社が多いらしい。流行りの垂直統合というやつか。
エージェント「御社から転職された方もいらっしゃいますよ。年収はポジションによってある程度範囲があるので、実際にCXOとの面談の中で確認してみて下さい。」
「ストックオプションあり、となっていますが、具体的な情報はありますか?」
エージェント「そちらについても面談の中で確認して頂ければと思います。」
ということでベンチャー企業で県内の会社(事前情報では給与は同程度、ストックオプションあり、通勤40分の会社)に応募することとした。
ところがこれが自分にとっての”転職はタイミング”とさらに思わせる流れに巻き込まれていくきっかけになるのである。
(続く)