スペースエバー社の取り組む宇宙コスメ展開

宇宙での問題
宇宙で浴びる放射線

宇宙には、地球の大気や磁場によってブロックされる放射線がたくさん存在しています。宇宙で浴びる放射線は主に以下の3つに分けられます。
①太陽放射線：これは太陽から来る荷電粒子（主にプロトン）からなる放射線です。太陽フレアの際には放射線の量が増えることが知られています。
②宇宙背景放射線：これは宇宙全体から来る高エネルギーの放射線で、主に超新星爆発やブラックホールから放出される高エネルギーの荷電粒子からなります。
③ガンマ線バースト：これは宇宙の遠くの方から来る非常に高エネルギーのガンマ線です。原因はまだ完全には解明されていませんが、中性子星の合体や超大質量ブラックホールの活動と関連していると考えられています。
宇宙飛行士や宇宙船が宇宙に出ると、これらの放射線にさらされるリスクが高まります。そのため、長期の宇宙ミッションや火星への探査ミッションを計画する際には、放射線からの保護が大きな課題となります。

一回のミッションでどれくらい浴びるのか

宇宙飛行士が1回のミッションで浴びる放射線の量は、ミッションの期間、宇宙のどの地域にいるか（例：国際宇宙ステーション（ISS）の軌道、月の表面、深宇宙など）、さらに太陽活動の状態など多くの要因によって変わります。
国際宇宙ステーション（ISS）に滞在する場合、宇宙飛行士は地球の低軌道上にいるため、地球の磁場によってある程度の放射線から保護されています。しかし、それでも地上にいる人が1年間に浴びる放射線の量を数日で浴びることになります。
具体的な数値として、ISSの宇宙飛行士は1日に約0.5 - 2 mSv（ミリシーベルト）の放射線を浴びると言われています。これに比べ、地上の平均的な放射線量は、1年間で約2 - 3 mSvです。
深宇宙や月に滞在する場合、放射線の量はさらに増加します。例えば、火星往復のミッションでは、全体で約500 mSvの放射線を浴びるとの推定もあります。

放射線防護の方法とは

放射線防護は、宇宙ミッションの安全性を確保するための重要な要素です。以下は、放射線防護のための具体的な方法の一部です。
①物理的遮蔽: 宇宙船や宇宙ステーションの壁を厚くしたり、特定の材料（例えば、リードや水）を使用して放射線をブロックする。水は放射線のシールドとして効果的で、宇宙ミッションでの飲料水を二次利用としてこの目的に使うことが考えられています。
②地下シェルター: 月や火星のような天体の表面に滞在する際、地下にシェルターやハビタットを作成することで放射線からの保護を高めることができます。
③磁場の生成: 人工的に磁場を生成して、荷電粒子からの放射線を遠ざけるアイディアも研究されています。
④生物学的対策: 抗酸化物質や特定の薬物を使用して、細胞のDNAに対する放射線の影響を減少させる。
⑤ミッションのタイミング: 太陽活動の周期（太陽極大期や太陽極小期）に合わせて、放射線の量が比較的少ない時期を選んでミッションを行う。
⑥アラートシステム: 宇宙船内に放射線量を監視するセンサーを設置し、放射線量が危険なレベルに達した場合にアラートを発するシステムを導入する。
⑦ミッション期間の短縮: 技術的進歩を活用して、宇宙船の移動速度を上げるなどして、ミッションの期間を短縮し、放射線にさらされる時間を減少させる。
これらの方法は、それぞれのミッションの目的や状況に応じて組み合わせて使用されることが多いです。放射線防護のための技術や方法論は、今後の宇宙探査の進展とともにさらに発展すると予想されます。

まとめ
宇宙コスメで貢献したい

宇宙コスメは単に日常品として使うだけではありません。おしゃれもそうですが，医学的に放射線から人体を守ることも大切な要素になります。日常にあって健康を意識する。宇宙でも地球上でも考えられる課題になり得るからです。④にあげている薬品による貢献が考えられます。宇宙で使われる化粧品については今後とも研究開発を継続していく必要がありそうです。

2023.08.18