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2024年ついに黒字化!宇宙ベンチャーSpace BDの1年間ふりかえり

日本製の大型ロケットであるH3ロケットの打上げが成功したり、新たに日本人2名の宇宙飛行士が正式に認定されたりと、宇宙開発の今後に期待が高まるニュースがあった2024年。

宇宙の一大産業化を目指すSpace BDも2024年8月期の売上、売上総利益、当期純利益いずれも、対前年度比および対予算比で大幅増、初の黒字化を達成しました!そんな大きく飛躍したこの1年間を振り返ってみます。


コーポレート編

Space BDの最も重要なトピックスとして、経営理念とビジョンを策定しました。創業期が過ぎたいま、会社がずっと大切にすべきあり方を1年かけてみんなでディスカッションして決定。それぞれに込めた思いは代表の永崎やメンバーが下記の動画でお話しています。

経営理念『一生青春、Space BDは自らを高め、豊かに生きるための舞台』

ビジョン『宇宙を自在に、熱く誇れる産業を。』

社員数にも変化が。昨年度(2024年8月末時点)比で24名増の63名となり、たくさんの新メンバーを迎えました。なかでもエンジニアメンバーは14名→21名と最も増えています。今年度は全職種で約20名の採用計画を予定しており(すでに入社済・内定済が10名)、事業成長と比例して会社規模もますます大きくなる予定です。

今年は採用を頑張るぞ!ということで9月には初めてキャリアイベント「ジョブフェス」も開催しました。70名以上が参加され、宇宙業界ひいてはSpace BDに興味関心を持っている方々とたくさんの交流が生まれました。

好評だったSpace BDの共同創業者である永崎・赤浦のトークセッションのほぼ書き起こしはこちら。世界・日本の宇宙開発の動向が気になる方はぜひチェックしてみてください。

事業編

今年は、日本の宇宙産業の発展に大きく貢献するための重要なステップがいくつもありました。事業部門ごとにニュースをピックアップします。

衛星打上げ事業

衛星打上げ事業では、人工衛星を打ち上げたい事業者に対して、国内外問わず最適な打上げ手段を提案し、必要な部品の調達や煩雑な手続きからエンジニアリング、打上げ後の運用まで一気通貫で支援しています。

今年はISS「きぼう」からの超小型衛星放出事業において、創業以来最多となる13機の衛星引き渡しを予定しており、そのうち6機は2024年8月、米SpaceXの「Falcon 9」で打ち上げられました。エンジニアメンバーが増えたことで挑戦できる体制が整いました。

また、JAXAから2024年末までの事業者選定されていた、前述のISS「きぼう」からの超小型衛星放出事業および船外施設利用サービスの両事業においてISS運用終了となる2030年までの継続選定が決まりました。伝統工芸品を打ち上げ宇宙空間に曝し帰還したものでアート作品をつくるなどのエンタメ・プロモーション利用もこうしたISS船外利用権を得たことで実現しています(詳しくは「国際宇宙ステーション(ISS)利活用事業」へ)。

JAXA関連のニュースはほかにもあり、宇宙戦略基金事業支援業務の受託や新しいプログラム「JAXA-SMASH」での輸送サービス事業者選定がありました。前者は国内の宇宙関連事業者の打上げを円滑に進め、最適な計画案の提案や法令対応を支援する役割をJAXAに代わっておこなうもので、後者は民間企業や大学と連携し、超小型衛星の打上げ機会を提供するものです。

国際宇宙ステーション(ISS)利活用事業

国営施設であり、宇宙空間を活かした実証実験などを実施するISS内で、JAXAからの選定を受けてさまざまな民間事業者の宇宙利活用を促進する事業です。

JAXAの宇宙戦略基金事業内で採択された「低軌道汎用実験システム技術」では、宇宙ステーションが商業化する2030年以降の新たな実験装置の開発が進行中です。例えば新たな薬の開発など微小重力環境での実験を効率的かつ経済的に実施できる汎用システムを提供し、宇宙実験の機会をより多くの研究機関・企業に開放することを目指します。総額約20億円(上限)/5年というSpace BD内でもインパクトの大きなプロジェクトです

また、インテージヘルスケア社との共同研究で、AI創薬と宇宙実験を融合させた新たな取り組みを行いました。ISSでの微小重力環境を活用し、高品質なタンパク質結晶を生成。これを世界でも注目されるAI創薬技術と組み合わせることで創薬研究の精度向上と効率化が期待されます。

さらに、隈研吾建築都市設計事務所らと共同制作したアート作品『宙花(そらばな)』が完成しました。約3ヶ月間宇宙空間にさらされた銅板を使用し、地球帰還後に新しいアート作品が誕生。宇宙とアートの融合を通じて、宇宙利活用の新たな可能性を発信しました

11月には、宇宙事業会社4社と共に「SORAxIO(ソクラシオ)」というコンソーシアムを結成しました。宇宙の商業利用に向けたルールづくりや政府への規制提言などをおこない、次世代宇宙ステーション時代に向けた環境整備を進めます。

教育事業

さまざまなバックグラウンドの人と不確実性の高いミッションに挑む宇宙飛行士たち。彼らに求められるスキルと事業開発力や専門性をかけ合わせて学生やビジネスパーソンの教育コンテンツとして再構築し提供するのが教育事業です。

今年最も大きなニュースとしては、JAXAから選定された日本人宇宙飛行士候補者の訓練を支援し、一般サバイバル技術訓練を実施しました。宇宙ミッションに備えた気候や気象条件下でのサバイバル技術の向上から、リーダーシップ・チームワーク・コンフリクトマネジメントの習得まで幅広い訓練をおこないました。

また、2022年より手掛ける岩手県花巻市の「花巻スペースプロジェクト UP花巻」の一環として、花巻北高校の生徒が携わった人工衛星「YODAKA」の打上げに成功!地域振興とともに、若者たちに宇宙産業への関心を高めるきっかけとなりました。

さらに、名古屋商科大学ビジネススクール(名商大ビジネススクール)と共同で、Space BDの事業変遷や経営エッセンスを題材にしたビジネスケースを作成。宇宙の一大産業化に向けた経営戦略、経営哲学や実際の新規プロジェクト立ち上げ変遷などをまとめ、全国の大学院等の教育機関の教材として利用できるようにしました。

まとめ

今年は初めて黒字化を実現し、経営理念やビジョンも定まるなど、会社として大きく成長した1年でした。

ビジネスの大台に乗り、2030年のISS商業化に向けて社内外の体制構築を進めてきたここからが勝負です。第二創業期として新たなフェーズに突入するSpace BDという”宇宙船”にあなたも搭乗しませんか?

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