鶴かもしれない2020in下北沢

女は、ある日一人の男に助けられる。

恩返しをしたい



女の願いは届くのか


3台のラジカセと一人の俳優が描く
現代版「鶴の恩返し」
再々演

※ここから先はネタバレになりますので
ご注意ください



ぽつんと置かれた椅子、射し込む一筋の光。
優しく流れ出す音楽。
鶴かもしれない2020の幕が上がる。

興奮と、不安で胸が張り裂けそうになった。




壁が開いたり、閉じたりするたびに目まぐるしい速さで一つの舞台がいくつもの場所に変わっていく。

舞台の大掛かりなしかけと、ショッキングなシーンで飛び交う刺さる照明
呼応するように鳴り響く音楽。
着物の後ろに浮かび上がる模様は、鶴そのもの。

後悔と、罪悪感と、快楽



鶴が機を織るときに羽を抜いたように
着物を一枚、一枚と脱いでいく女の痛みが重なる。


ただ、貴方の笑顔が嬉しかっただけなのに。何処で間違ってしまったのだろう?


女は自分を責める。そして羽をちぎる。

いつか、思い出すはずだ。
あの思い出は笑顔は偽りのない物だったと。
あの男性は永遠に、そして私もお互いの記憶の中にあり続けるということを。



着物がひらりと靡くように一瞬で男と女になる彼は、終演後に見せる人懐っこい笑顔と同一人物には見えない。

小沢さんはこれが夢だと語った。

人の夢に立ち会える瞬間て、こんなに勇気をもらえるのか!?
衣装、音楽、照明、全てがこだわりのある作品。

下北沢は明日が千秋楽!
横浜でも公演ありますがセットは持っていかず映像を使うとのこと!

1時間という短いけれど、あまりの濃密さに驚くこと間違いなし。


誰かを助けたくなってしまうかもしれない。
演劇と人間が好きな俳優だからこそ作れるのかもしれない。

#鶴かもしれない2020
#小沢道成

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