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【One Room ⇔ dramaS -落下する記憶-】 もうすぐ、幕が上がる。

2021/4/21〜
インプロバイザー、忍翔さんのアシスタントになった日。アクティングコーチとして関わっているこちらの舞台に興味があったので現場を見させてもらう生活が始まった。



5名のキャスト+10名の関係者(観客)のイマーシブシアター。
2020年にお客さん参加型の舞台を観て「私もいつか創りたい、参加したい」と思っていたので本当にありがたい期間だった。


インプロ×脚本


観客が何を言うのか、どんな反応をするのか誰もがわからない。
考えられる反応を全て考えつくし、物語の終わりへ誘導しなければならない難しさ。
「こんな行動の裏にはこの意味があったの!?」と伏線回収の仕方も素晴らしい。先月にトライアル公演があり(チケット取れなかった...)キャストは入れ替えでの今回。
外から見た時に「ここでこんな会話が行われていたのか!!」と違う発見もあって贅沢な時間を過ごすことができた。

通しで関係者役としても参加。
様々な人間関係がだんだん浮き彫りになり、題名の意味がわかる瞬間は鳥肌が立った。
何となく気になった行動も「この伏線だったのか!!」と回収の仕方も素晴らしい。


役ごとに違うラストと感情で終わる。
キャストと会話をしながらも、奥で行われる会話や隠れて会話する人々の様子が自然と気になる。

外から見た時に「ここでこんな会話が行われていたのか!!」と違う発見もあって贅沢な時間を過ごすことができた。

今回、改めて気づいたことやこれから大切にしていきたいことに気づいたのでまとめておく。


安心できる場所


奮闘する。
観客も俳優になる。何を話すかわからない。
観客を常にケアしながら、物語を進めなければならない難しさ。
セリフはほとんどなく俳優にほとんど委ねられている。
正解はないのかもしれない。「私がもらった役ってどの役よりもいいよね」と思ってほしいと聞いた時、この作品が生まれた熱い想いが言葉にのって伝わってきた。
だから、その役でしかできない交流が生まれた瞬間は心の中でガッツポーズをしてしまう。私も通しで参加した時に心の中でガッツポーズをした。
そして、自分と深いつながりのあるキャラを追いかけていた。
最後終わった後にもう一度話したいなぁ、と思ってしまった。


目線だけでお客さんと繋がる瞬間。見当違いなことを言っても、こちらを傷つけない言葉のチョイス。
自然と言葉を発したくなる物語。


緻密な計算と、俳優の努力の結晶。


初めて作品が出来上がる現場を見た。この作品でよかった。


人との関わり。影響を与え合う。
完璧ではない。一つとして同じ公演はない。
終わりはない。



当たり前だけど、俳優の苦悩や努力を生で見たから実感出来たことが多すぎた。
演劇の世界について2ヶ月前まで皆無だったのに、ここまで考えられるようになったことだけでも驚き。

驚きが多すぎて頭がついていかない。
その方が人生楽しいし、いつでも頭が考えられない世界にいたい。


初舞台を観てくれた方が偶然キャストにいて言葉でお礼が言えた。
対等に、人として見てくれている。


「ここにこれたのはその勇気があったからだよ」


私は行きたい、興味があると言って連れてきてもらっただけなのに他の人から見たら勇気に映ることもあるんだなぁ。



なぜ何度も感動するのか

稽古では毎回お客さんを集められるわけではない。自分の発言どのようにお客さんが返してくるか。エンディングに向けて、どのように進めていくのか。
お客さんの動きも読めないので、毎回外から見ていても発見がある。

だから楽しくて、いろんな光景が見れる。


物語の最後が近づく時、毎回泣いている。
私しか泣いている人はいないのでこっそり拭っている。毎回新鮮に泣けるんだよなぁ。9日の観劇もきっと泣く。本番の空気に飲まれて嗚咽にならないかが不安で仕方ない。気づかれないように拭えるかな。



ずっとわからなかった理由が突然、昨日の通し中に言葉が降ってきた。

書き起こしておく。


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そうか、これらは私がなり得るはずだった人生と、誰かの人生なんだ。
もし一歩違ったら、私もこうなるはずだった。

苦しい。悩む。己について葛藤する。毎回、感極まってる。

18歳。永遠に時が止まった、友人になるはずだった人。
自分抑えているかもしれない知人。


私だけがこんなに好きなことをやっていいんだろうか。


時々、想う。

でも、自分の心を殺しても誰も幸せになんかならない。
一度ならず、二度も殺す必要なんかなかった。
誰も気づかなかった。私ですら。
それは自己防衛のために身につけたものだったから。

誰かを傷つけないように。
私だけが我慢をすればいい。
私さえ我慢をすればいい。

そう思わないと生きていけなかった。前に進めなかった。
本当は、無理に進む必要なんかなかった。
そう知ってさえいれば何かが違ったのかもしれない。

でも、あの傷がなれば私の初舞台は全く違ったものになっていた。


魂が震える。過去が蘇る。普段は思い出せない。
そうしないと生きていけないから。
心を動かされる時それらが一気に押し寄せる。
突風のように、あっという間に過ぎていく。

でも、目の前を通り過ぎるときはスローモーションになる。
相手の顔、体温、気温、空気、風景...

ずっと見ていたいけど、向き合い過ぎたら自分が辛くなる。
だから一瞬でいい。


その一瞬に出会うために作品はあるのかもしれない。

自分が思うより、言葉にならない瞬間を愛している。


欲を言えば全ての公演で受付をしたい!!!!
初日受付ができる!!!
役作りをして行こう。(勝手な設定、開場から終演まで貫く!!)


受付って俳優より先にドキドキしているお客さんの顔を見れる特等席。
やってみたかったんだよね。学生の頃。また一つ、叶う。



あと3回しかここには関われないけど、これで終わりじゃない。
始まりだから、いつか俳優として立てるようにまた経験を積もう。



...きっと、すぐに来る。そんな予感がする、だけ。








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中島早紀
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