神様になった日は何故酷評を浴びる羽目になったのか(最終回前の覚書)

某神様になった日の評判がすこぶる悪い。

土曜深夜で割とだらだら見てた古参の葉鍵民の自分から見て何がいけなかったのかちょっと考えてみましたので流行りのnoteにしてみました。StayHomeで時間が余ったとも言います。

最終回直前の11話までで最終回予想も踏まえ残しておきます。最終回が放送されたら続き書くか記事訂正するつもりです。面倒になって放置する可能性が一番高いです。

構成のAIRとの類似性

11話までの展開を見ているとKey黎明期の名作AIRに非常によく似た構成をしていたと思います。起承転結をざっと書くと下記のようになります。(以下、「神」:神様のいない日)

起 出会い、導入。基本変人な攻略キャラ

承 ヒロインエピソード消化、伏線

転 AIR:過去編 神:鈴木のネタ晴らし

結 AIR:介護からの青空 神:介護からの?

AIRの転や結の意味が分からない方はプレイしてみてください。AIRに限らずKeyの黎明期の作品の評価が高いのは起承の多少のグダグダを転結でひっくり返し強引ながらもある程度万人が納得できる形にまとめ上げてたところにあるのではないかと思います。質の高いBGM効果的な挿入歌で細かいグダグダをすべて無かったことにして泣かせるパワーがありました。

AIRとの類似性としてはこの起承転結のおおまかな流れが「転」を除いて非常に似通っています。まぁ起承に関しては多くの物語が似たようなものなのでよいのですが、結のひなと美鈴の類似性=短髪になり要介護状態だけで既視感しかわかないなと。では、当時なんだかなんだ大ヒットしたAIRと何が違うのかというと、大きく3つ要因があったのではないかと。

「承」における伏線エピソードの過多

アニメ版AIRは同じ12話でしたがあの長いストーリーで必要なところをきっちり収めてまとめあげていました。すべてのエピソードを1~2話でまとめ、最後のAIR編をじっくり3話という構成(特別編は含まず)。参考

一方「神」なのですが、サブヒロインである伊座並さんのエピソードを1話しでまとめたのはよかったのですが、承部分を8話まで延々と続けたのは明らかに過多。12話の尺で起承で8話使った長い伏線を張ってまで転結部分を圧縮する必要があったのかと。もちろん4話で転結まとめることもできなくはないと思うのですし、最終話でグダグダをすべて吹き飛ばしてくれる可能性もまだあります。参考

「転」におけるひなサイドの掘り下げの欠落

伏線エピソードに時間を使いすぎたからかもしれませんが、AIRにおける過去編に相当するものがすっぽり抜け落ちていて淡々と伏線回収して気づいたらひなが要介護になっているという状況なんですよね。そのため視聴者としてはいまいちひなに感情移入できないというかいくら説明されてもひなの境遇が他人事のまま進んでしまっている気がします。AIRの過去編がアニメだけでそこまで読み解けるかというと微妙なんですが、観鈴の病気の原因が何に起因しているかをちゃんと視聴者に伝えることを意図はしていたと思います。結局、ゲーム原作ありきとアニメオリジナルの違いもあり、余計にのめりこめない結果になってしまったと思います。

ひなと量子コンピュータ入れたじいさんの話を1話つぎ込んで、ひなサイドの掘り下げをし、できればひなが本当はどう思っているかを描写してもらえたらそれだけでもかなり違かったと思うのですが。狙ってエピソード入れてないとしたら何故か聞きたいところでもありますね。最終話で明かすとすると尺足りるの?と思ってしまいますし。

「結」における陽太のカッコ悪さ

AIRではラスト3話のAIR編では主人公はカラスになって、ある意味視聴者と同じ目線になり叔母の晴子と観鈴の親子愛のエピソードが丁寧に描かれます。そこからのゴール、挿入歌青空で号泣したわけです。もちろん晴子もカッコ悪いところをたくさん見せますが、そこにはカッコ悪い中での愛情というかカッコ悪い以外の何かがある、あるいは気にならないくらいの何かがありました。主人公が視聴者同様傍観者になったことも要因かもしれません。

一方、「神」11話でラスト2話しかない中で要介護になったひなに対する陽太がとにかくカッコ悪い。いや、多分あれがある意味リアルな反応なんだろうけど、視聴者はそこでただカッコ悪いだけじゃないところを見たいのだが、人の言うこと聞かないで大声上げまくるアホに見えてしまったのはやはり演出面で失敗だったのではなかろうか。個人的には看護師の自分の子供が死んだから他の子どもを幸せにするのが私の使命よ、的な描写もなんか自分よがりで気分がよくなかったです。

最終話はどうなるか

最終話の予告引用。

潜入が発覚し、施設から退去することになった陽太。
司波からひなが別の施設に移ることを告げられ、何とか頼み込んでひなと過ごす最後の時間をもらう。
「一緒に過ごしたあの夏」の思い出話をしながら、陽太は「一緒に暮らしたい?」とひなに問いかけ――。

まぁほんの冒頭5分くらいの内容でしょうか。AIRの流れを汲むとすると陽太と施設どちらかをひなに選ばせようとして、最後陽太が去る時にひなは陽太を選ぶ的な流れが想像されるんですが、11話までの流れってゲームを少し気分よく遊べるようになっただけで陽太についていくほどには至ってないと思うのですよね。泣き所なんでしょうけど、ポカーンとしてしまうと思います。AIRはゲームでもアニメでもじっくり晴子と観鈴の触れ合いを見せられたからこそ観鈴が晴子を選ぶことに説得力があったし泣けました。

あとは、少し捻って数年後に飛んで陽太が量子コンピュータをひなに再度搭載する、ドラえもん同人最終回的な展開や、ひなの量子コンピュータは実は取り出されていなくて休止しているだけで復活という展開あたりが予想できるところですかね。

バッドエンドは除外して、予想が外れてても当たってても尺が短すぎてAIRばりのラストには持っていける気がしません。やはり1,2話分くらい足りないんですよねぇ。途中エピソードを2つ圧縮して、ひなとじいさんの過去掘り下げ、ひなと陽太の介護エピソードでの触れ合いを増やす、があるとよかったかなと現時点では思います。

酷評に関しては誹謗中傷は別として現時点では原点回帰うたって過去作との比較を余儀なくさせたことを考えるとしょうがないと思います。

と、ここまで書きましたがすべてをひっくり返して号泣させてくれる結末を切に期待しています、ということで締めたいと思います。

以上です。

勢いで書いたので、誤字脱字、日本語おかしいところ多々あると思いますがここまで駄文お読みいただきありがとうございます。


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