ムハンマド・アクラムさんの他己紹介
はじめに
ムハンマド・アクラムさんは、ガザ・イスラーム大学の医療学科3年生に所属しています。ガザで最も美しいと言われていたガザ・イスラーム大学の医療病棟はイスラエル軍に占拠され、軍の拠点になり果てています。現在は学業の中断を余儀なくされ、医療系の学生の責務として病院でボランティアとして支援を行う生活です。ボランティアと言っても、単に無償という意味であり、人の命と健康を担う分野の必然として十分に「仕事」と呼ぶべき内容であり、夜勤にも入られます。2024年10月現在は次第に冬が迫り、海岸沿いの破れたテントの中で、寒さから骨の痛みで眠れない夜を過ごしており、勤務で疲れた体を休めることもままなりません。また、11人家族の一番上のご長男であり、家族からも頼りにされる存在です。そんな超忙しいムハンマドさんが、時間を縫って、私からのいくつかの超基本的な質問に答えてくれましたので、この記事で紹介します(実際の回答中には、絵文字や破れたハートを添えて応えてくれていました)。簡潔で訥々とした言葉の中に、生活状況やお人柄を感じていただき、等身大の一人の若者が置かれている状況が伝われば嬉しいです。
-この戦争が始まる前は、ガザ地区のどこに住んでいましたか?
戦争の前は、ハーン・ユーニスの東側、アバサン・アル・カビラの街に住んでいました。
- 戦争前は、何をしていましたか?
大学で薬学を学んでいて、2年生に在籍していました。今は3年生になっていると思いますが、戦争で勉学は中断になっています。
-マワシの海岸沿いには、どのように流れつきましたか?
家を逃れて、直接このハーン・ユーニスのマワシの地域に逃れてきたわけではありません。何度も避難を繰り返して、最終的にここに流れ着いています。最初は、ハーン・ユーニスのキャンプにあった避難センター(学校)へ逃げました。このセンターが爆撃されてラファへ追いやられ、ラファからこのマワシへと逃れてきました。
-現在はどのような状況にいますか?
家族と私は、ひどい状況にあります。収入の糧はなく、全ての貯蓄を使い果たしてしまいました。ハーン・ユニスの海岸沿いのマワシで、破れたテントで暮らしています。清潔な飲用水の入手にも、健康を維持できる食べ物の入手にも悪戦苦闘しています。今、私たちは食糧のほとんどを缶詰食品に頼っています。缶詰食品は防腐剤だらけなうえに、長期間陽光に晒されていたもので、健康を維持できる代物ではありません。
-家族構成を教えてください。
私の家族は、(ムハンマドさんに加えて)父、母、4人の兄弟と4人の姉妹です。
父のアクラムさん(Akram 49歳)、母のラナさん(Rana 39歳)、ムハンマドさんご本人(Mohammad 21歳)、弟のアフマドさん(Ahmed 19歳)、妹のマラーさん(Marah 17歳)、アブドゥルラフマーンさん(Abdalrahman 16歳)、妹のサジャさん(Saja 14歳)、妹のルバさん(Ruba 12歳)、妹のサルマさん(Salma 8歳)、弟のオサマさん(Osama 6歳)、弟のアダムさん(Adam 1歳5か月の赤ちゃん)です。
-1年以上も続く一方的な”戦争”についてコメントを聞かせてください。
私たちは1年以上もの間、戦争という名の虐殺に直面してきました。数えきれないほどの子ども、女性、罪のない人々が殺されました。世界の目前でこの非人道的な戦争に晒され、空腹や喉の渇きと闘っています。そして、この事態に対して責任を取ろうという人は誰もいません。私たちは世界の人々と同様に、人間です。平和のうちに生きる権利、教育を受ける権利、衣食住を確保する権利があります。私たちは、その全ての権利を剥奪されています。
-GoFundMeでの寄付の目的を教えてください。
この寄付を募るのは、私と私の家族がこの戦争を生き抜くためです。占
領と国境封鎖のせいで、ガザでの生活費は深刻に高騰しています。私と家族がこの危険な戦争を生き延びることができるよう、どうか支援をお願いします。冬に備えて、食料、飲み物、新しいテントを購入したい、私と家族のために冬服や靴を購入したいのです。
現地で衣食住にかかわる物資のおおむねの値段をいくつか例示してもらえますか?
物資の価格は安定せず、ここ1か月以上の間で、上記の基本的な物資は国境封鎖の影響で少しずつ高騰しています。メートル×4メートルのテントは、依然は1000ユーロ(約16万円)で売られていましたが、国境封鎖と冬支度のために、状態の良いテントの価格は上昇しています。
*為替は1ユーロ=160円で計算しています。2024年10月16日時点の為替は、1ユーロ=162円
<水と食糧の価格>
飲用水1ガロン(約3.8リットル):2ユーロ(約320円)
トマト1キロ(通常品種のもの5~6個):13ユーロ(約2,080円)
じゃがいも1キロ(通常品種のもの5~8個):10ユーロ(約1,600円)
その他の野菜類(前記程度のまとまった量を想定):10ユーロ(約1,600円)
冷凍チキン1キロ(約5~8人の1回の食事分に相当):25ユーロ(約4,000円)
冷凍仔牛肉1キロ(約約5~8人の1回の食事分に相当):30ユーロ(約4,800円)
<衣料品の価格>
ズボン:50ユーロ(約8,000円)
シャツ:35ユーロ(約5,600円)
下着:40ユーロ(約6,400円)
セーター:150ユーロ(約24,000円)
靴:150から200ユーロ(約24,000円から32,000円)
衣類は封鎖により国外から輸送されない物資のため、価格が高騰しています。
<住居の価格>
テント(約6メートル×4メートルのサイズ):1,400から1,500ユーロ(約22万4,000円から24万円)
‐最後に
私の質問にテキストで答えてくれている間、ご自身の経緯を書きながら泣いてしまったそうです。「戦争を生き延びることは、あらゆることとの闘いです。不当な戦争です。なぜこれを生き延びなければならないのか、と思います」とムハンマドさん。単に武力から逃れるだけではない、生活そのものとの闘いも続いています。
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Fundraiser by Souheila Diab : Help for rebuilding Mohammad’s life (gofundme.com)
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ムハンマド・アクラムさん支援のための X(Twitter)アカウント(主にご本人の投稿を日本語訳しています) :
ムハンマド・アクラムさんを支援するアカウント (@supportMAK) / X
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