Googleの新検索アルゴリズム「MUM」とは?
「MUM」とは?
2021年5月に開かれたイベント“Google I/O 2021”にて発表された新しい検索アルゴリズムを「MUM」といいます。
Multitask Unified Modeの頭文字をとったもので、通常であれば複数回検索が必要となる複雑な質問に対し、最小回数で最適な情報にたどり着くことが可能となるアルゴリズムです。
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今日の検索エンジンは、専門家のように答えるほど洗練されていません。しかし、マルチタスク統合モデル(MUM)と呼ばれる新しいテクノロジーにより、このような複雑なニーズへの対応に近づいています。したがって、将来的には、物事を成し遂げるために必要な検索が少なくなるでしょう。
引用元:Googleブログ MUM:情報を理解するための新しいAIマイルストーン
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現在のアルゴリズムでは、複雑な質問などを調べる際に何回か検索し情報を会得します。
下記で例を挙げてみます。
【例】悩み:自社サイトへの流入をもっと増やしたいけど、何をどうしたら良いのだろう?
検索1回目「サイト流入 増やす」で検索。
サイトの改善をしてサイトを上位に示させることが重要で、SEOっていうものがあるんだ。
検索2回目 「SEOとは」で検索。
内部施策に外部施策・・・?それってなんだろう・・・?
検索3回目「内部施策とは」で検索。
サイト内部の要素を改善していくことなんだ。タイトルタグってなんだろう・・・?
というように最終的な疑問を解決するためには例に挙げたように何度も何度も検索を行う必要があります。
その煩わしさを解消出来るのが今回発表された新しい検索アルゴリズムである「MUM」なのです。
現在使用されている検索アルゴリズムは「BERT」と呼ばれるもので文脈を読むことを得意としています。
このBERTも高度な自然言語処理が可能となっています。
しかし今回の「MUM」はこのBERTの1000倍以上の性能を備えていると言われています。
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Last year, we introduced and open-sourced a neural network-based technique for natural language processing (NLP) pre-training called Bidirectional Encoder Representations from Transformers, or as we call it--BERT, for short. This technology enables anyone to train their own state-of-the-art question answering system.
引用元:Googleブログ Understanding searches better than ever before
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BERTとMUMの違いとしては、マルチタスクであるか否か、ということです。
BERTは1つ1つ順を追って処理を行っていましたが、MUMは複数のタスクを同時に処理することが出来ます。
つまり、ユーザーが入力したクエリを瞬時に理解しながら、世界中に存在しているサイトのテキストはもちろん、動画や画像の内容も認識し最適解を導き出すのです。
MUMの特徴
MUMの特徴として下記4点が挙げられます。
1:75言語理解可能(言語理解と生成も可能)
2:マルチタスクである
3:画像・音声・動画に対応
1:75言語理解可能
MUMは世界の75言語に対応しているので、日本の情報を英語で検索したとしても日本語で作られているサイトの内容も理解することが可能となります。
また、理解するだけでなくワードを生成することも出来ます。
2:マルチタスクである
前述したとおり、複数のタスクを同時にこなせるため処理スピードが速くなります。
3:画像・音声・動画に対応
テキストだけではなく、ゆくゆくは画像・音声・動画も認識できることになるそうです。
検索ボックスに画像を貼り付け、「これは〇〇に利用できますか?」→「はい/いいえ」といった検索も可能となります。
具体例
では具体的にMUMが導き出すフローを見てみましょう。
前述のGoogleのイベントにてMUMが発表された際に説明された仕組みを紹介します。
「今年私はアダムス山を登った。来秋は富士山に登ろうと思っている。富士登山に向けて、どのような準備が必要か」
上記のような疑問を抱いた場合、通常であれば登山に関する情報や服装に関する情報などの情報を検索を複数回行うことによって会得します。
一方で、MUMは本来複数回行わなくてはならない検索(調査)をすべて引き受けてくれます。
・アダムス山のレベル
・富士山のレベル
・富士山付近の秋の気候
・必要な持ち物
・その他に必要なこと
これらが必要な情報ではないか、と瞬時に把握した上で最適解を導いてくれます。
MUMの実用化により実施すべきこと
MUMは数ヶ月~数年かけて改良を重ねてローンチされる予定となっています。
今すぐの実装ではないですが、実装に向けて何か行っておくことはあるのでしょうか?
その回答は「ない」です。
Googleはユーザーにとって最適な検索体験を提供したいという考えであるため、これまでと同様、EAT(※)やYMYL(※)を意識したコンテンツ作りを行えば問題はありません。 ===
※参考:SEO-ch E-A-Tとは?SEOにおける影響度について
※参考:SEO-ch YMYLとは? Googleが重要視する理由
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まとめ
MUMはこれからの検索シーンを大きく変えることになるアルゴリズムです。
実装はまだ先のことですが、私達の情報取得スピードは間違いなく改善します。
検索意図をGoogleが瞬時に理解してくれるため、Googleに最適な情報だと認識してもらうための役立つコンテンツの作成を引き続き行っていきましょう!
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