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【Google】YouTubeTrueViewディスカバリー広告について

2021年11月17日、Googleは「YouTube TrueView ディスカバリー広告の名称がインフィード動画広告に代わる」ことを発表しました。

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本日より、「YouTube TrueView ディスカバリー広告」の名称が「インフィード動画広告」に変わります。YouTube TrueView ディスカバリー広告は、ユーザーが視聴する可能性が高い YouTube コンテンツの横に、ブランド、商品、サービスを表示できる広告サービスです。広告は、YouTube ホームフィード、動画再生フィード、検索フィードに表示されます。この変更がキャンペーンの機能になんらかの影響を与えることはありません。また、すでにキャンペーンの運用を行っているお客様に、なんらかのご対応をお願いすることもありません。

※引用:GoogleWEB「YouTube TrueView ディスカバリー広告の名称がインフィード動画広告に変わります」より(https://support.google.com/google-ads/answer/11372787

記載の通り、今回は名称の変更のみで、記載の通り既存の広告が大きく変わるという内容ではありません。
ただ一方で、この事象が意味する内容について、動画広告の全容や、今回の名称変更が示唆する今後のGoogleの方向性について考察を入れてみたいと思います。


動画広告フォーマットの概要

まず今回の件に関して理解する前にYoutube広告における広告フォーマットの全容について理解しておく必要があります。
Googleでは、現時点で動画広告フォーマットについて以下の通りのラインナップを保有しています。

・スキップ可能なインストリーム広告
・スキップ不可のインストリーム広告
・インフィード動画広告
・バンパー広告
・アウトストリーム広告
・マストヘッド広告


スキップ可能なインストリーム広告

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スキップ可能なインストリーム広告は、YouTube および Google 動画パートナー上のウェブサイトやアプリで配信される動画の再生前後または再生中に動画コンテンツを表示するときに使用します。
最大30秒までの動画広告配信が可能ですが、動画視聴開始時、視聴中に動画広告が配信され、「5→4→3→2→1広告をスキップ」と表示され、5秒経過するとクリックすることで視聴中の動画に戻ることができる広告フォーマットになります。
目標インプレッション単価、目標コンバージョン単価、インプレッション数など様々な課金体系があります。


スキップ不可のインストリーム広告

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スキップ不可のインストリーム広告は、表示先はスキップ可能なインストリーム広告と同じですが、最大15秒までで、広告配信中にスキップできない特性を持っています。またインプレッション型の課金に限定されるため、すべての広告が広告の表示回数に基づいて課金されます。


インフィード動画広告(旧YouTube TrueView ディスカバリー広告)

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インフィード動画広告は、「YouTube TrueView ディスカバリー広告」という名称であったことからも分かるように、「ユーザーが動画コンテンツを見つける場所」で動画をアピールするために使用します。

ちなみに広告フォーマットの表示場所は以下のとおりとなります。
 ・YouTubeの検索結果画面
 ・YouTube動画の再生ページ
 ・YouTubeモバイルアプリ


バンパー広告

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バンパー広告はスキップ可能なインストリーム広告同様に、YouTube および Google 動画パートナー上のウェブサイトやアプリで配信されます。

スキップさせることができませんが、動画の再生前または再生中、再生後に6秒以内で配信されます。課金体系は目標インプレッション単価制を採用しています。


アウトストリーム広告

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アウトストリーム広告では、音声なしで再生が開始され、ユーザーがタップするとミュートが解除される広告フォーマットになります。モバイル専用広告で、YouTubeには表示されず、Google動画パートナーのWEBサイトやアプリにのみ表示されます。

動画再生が 2 秒以上視聴された場合にのみ課金される課金形態になります。


マストヘッド広告

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マストヘッド広告は、Google の営業担当者を通じて予約ベースでのみ利用できる広告です。PCではYouTube ホームフィードの上部で最大 30 秒間注目動画として音声なしで自動再生されます。

再生終了後、メインの動画はサムネイル表示になります。動画またはサムネイルをクリックすると、その動画の YouTube 再生ページに移動します。

モバイルデバイス・テレビ画面の場合、動画の時間に制約はなく、ホームフィードの上部で音声なしで自動再生されます。


目的別に見た3つのタイプ

以上の通り動画広告フォーマットに関しては、現在のところ上記の通りのラインナップですが、目的別にフォーマットを区分けすると以下のような特徴があるといわれています。

ブランド認知度とリーチ型
まず、以下の広告フォーマットはブランド認知度、リーチを高める目的としての利用を推奨しています。

・スキップ不可のインストリーム広告
・バンパー広告
・アウトストリーム広告

その中でも「スキップ不可の印ストリーム広告」のように長めの動画を配信できるフォーマットはテレビCMのような活用が実現できますし、逆にインパクトで訴求するような場合は、「バンパー広告」のように(スキップできない)短めのフォーマットの活用が望ましいと言えます。

バランス型
「スキップ可能なインストリーム広告」は、動画の長さ、内容を工夫することで様々な目的・用途として活用することができると言われています。

一般的には、5秒後にスキップするユーザーを想定して、5秒以内で完結する販売促進目的の動画構成にするパターンが多いようですが、敢えて5秒後の動画を見せる動画構成にすることで、ブランド認知度寄りの訴求も可能になります。

・販売促進
・見込み顧客の獲得
・ウェブサイトのトラフィック
・ブランド認知度とリーチ
・商品やブランドの比較検討

商品やブランドの比較検討
「インフィード動画広告」に関しては、商品やブランドの比較検討目的として活用するのが良いとされています。特にYouTubeの検索結果画面やYouTube動画の再生ページ内の広告表示は、クリックすることで動画が再生される仕組みの為、ユーザーが能動的に情報を収集する体験をレポートします。

ここまで動画広告に関して、フォーマット別に違いをまとめてみましたが、今回取り上げている「インフィード動画広告」に関しては、「ユーザーが動画コンテンツを見つける場所」に対して、「商品やブランドの比較検討」目的として配信する事が良いと言われています。

※参考:動画広告フォーマットの概要
https://support.google.com/youtube/answer/2375464?hl=ja


インフィード広告とは

では、そもそも「インフィード広告」とはどういった広告なのか?

定義としては所説ありますが、「SNSやアプリ、モバイルサイトのフィード(≒タイムライン)のコンテンツの間に、コンテンツと同様のフォーマットで表示される広告」です。

フィードデータの間に広告が表示されることから「インフィード広告」という呼称になった事が推測されます。

また、上記の通りインフィード広告は掲載場所を想起させる語源であって、利用できる広告フォーマットは広告媒体によって様々存在します。「画像」や「動画」、「テキスト」がベースになりますが、「画像+テキスト」といった複合型の広告フォーマットが多用されている事実もあります。

いずれにしても「インフィード広告」とは広義には配信形態のひとつであって、広告フォーマットを規定する言葉ではありません。


インフィード動画広告への名称変更の背景

ここまで動画の広告フォーマットとインフィード広告についてまとめました。

以上の事から、「YouTube TrueView ディスカバリー広告」の名称が「インフィード動画広告」に変更された背景や意図について、推測も含め、以下のことが考えられます。

まず「YouTube TrueView ディスカバリー広告」という名称では現状の配信先のひとつである「Google 動画パートナー上のウェブサイトやアプリ」への広告としては正しい表現とは言えない点、があります。

これはYouTube TrueView ディスカバリー広告としてYouTube上でのみ配信されていた広告が、配信場所が拡大したことにより意味が変わってしまったという事実があります。

加えて、広告の種類と広告フォーマットを完結に正しく表記したい、というGoogle社の意図もうかがえます。古くは特定の動画制作リソースを保有した、極少数の広告主がテレビCM等の延長で配信していた動画広告ですが、この数年で動画広告を活用する広告主の数は飛躍的に拡大しています。

背景には、各広告媒体の広告フォーマットの進化や、動画サービスそのものの視聴機会、視聴時間の拡大がありますが、その進化に対応すべく、できるだけ分かりやすい呼称に変更したという背景が伺えます。


海外プロモーションに対する影響は?

今回の広告名称の変更が海外プロモーションに対して何か影響を与えるかという観点では、影響はないと断言できます。
あくまでも呼称の変更であり、機能面でのアップデートでもなければ、何か具体的なサービスが廃止されたわけでもないので対応も対策も変更の必要はありません。


まとめ

今回は「YouTube TrueView ディスカバリー広告」の名称が「インフィード動画広告」に変更されたことについて、その内容と背景についてまとめてみました。

Google広告のアップデートと動画広告の進化、そして何よりユーザーのネット利用シーンにおける動画コンテンツの位置づけの変化とが相まって、今回のような呼称変更が発生したことが推測されます。

また、特に動画配信サービスやその広告分野においては、今回と同様に今後もサービス名や定義や概念そのものの整理が進むことも容易に想像がつきます。

効果的な広告掲載やその運用のノウハウなどを活用していく上で最新情報の理解は必要なことは言うまでもありませんが、アップデートの背景をよく理解することで先々の方向性を推測することも重要であることに変わりはなさそうです。

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