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【オーストラリアワーホリ】バイト終わりに泣いて帰って来た話 

タイトルの通り、オーストラリアでアルバイト終わりにボロ泣きする出来事があったので自戒のためにnoteに綴ることにした。つい先日の出来事なので新鮮なネタである。誰かに泣かされたのではなく自分の実力不足によるもので、本当に情けなくて、翌日もしくしく泣いていた。ワーホリ中の人、これから来ようと思っている人にも反面教師として参考にしてもらえたらと思う。

バイトを得るまでの経緯

2021年にイギリスのYMSを終え、2024年の5月末にワーキングホリデーでオーストラリアに来た。今は留学生やワーホリメーカーが多く来ていて仕事も家も見つかりにくいという状況のなか、ありがたいことに仕事探しを始めて10日くらいで運良くアルバイトに採用してもらうことが出来た。
職種はローカルの日本食レストランである。求人を日系の掲示板で見つけダメ元で応募した。オーナーは中国人なのでオーナーとは全て英語でのやり取りになる。日本人はもうすぐ退職する子が一人だけ。その子に日本語で仕事を教えてもらった。
最初はトレーニングシフトという事で日数もあまり入れず、4時間のシフトを3回だけ経験して、迎えた4回目のシフトが例の仕事終わりに泣いた日だった。

キャパオーバーになる自分

イギリスで働いていた日系スーパー内のレストランはお店も広くスタッフも多かったので自分の担当するポジションの仕事に集中できる環境だった。レジの人はひたすらレジを打つ、フライヤー担当の人はひたすら天ぷらやカツを揚げている、という感じだ。私はコレクションという出来た商品をお客さんに渡すポジションや、揚がったカツを切ってカレーをカツカレーに進化させるポジションを担当する事が多かった。日によってスーパーの品出しやレジを担当する事もあったが、基本的にその日の状況に合わせてひとつのポジションを担当するというイメージだ。皿洗い専門の人がいるレベルで仕事が細分化されていた。

しかし今回働くことになったオーストラリアのお店はローカルの小さいお店のため、オーダーを取るところから揚げ物や皿洗い、机を拭くまで全てこなす必要がある。全ての仕事をテキパキこなさないと間に合わないが、私は仕事を始めたばかりのため、どの料理にどんなトッピングをするか?レジのどこにこの料理のボタンがあるか?といった基礎がまだ定着していない。
日本だと、1回目のシフトではとにかくレジを出来るように覚える→慣れてきたら他の業務を覚える……という形で少しずつステップアップしていく事が多いと思う。しかしここはオーストラリア。オーダーが入ったタイミングで必要に応じて仕事を教わるので、情報が飛び飛びになる。すると唐揚げの事は分かるけどイカリングの事は分からないみたいな状況が発生する。
そしてトライアル(採用されるまでにお試しで働くこと)で来ていた他の子が教わった事と私が教わった事の情報がぐちゃぐちゃになり、教えたのに出来ていない!みたいな雰囲気になる。ほんまに知らんねんて、と思いながらやり方を聞いて教えてもらう事が多々ある。
また、一度聞いたことはもう一度聞かないように気を付けているため、自信が無いところはメモを確認して進めたい。しかし仕事内容が多いのでいちいち見ている暇はない。するとときどき仕事が抜け落ちる事があり、お客さんが料理を取りに来たのにテイクアウトの袋を用意出来ていなかったり、揚げ出し豆腐にネギが足りていなかったりという小さなミスが重なっていく。完全にキャパオーバーである。働いている私の脳内では髭男の『日常』が流れ続けていた。ノルマ以下か以上か常に自分の動きを図っていた。(たぶんノルマ以下だと感じた)
さらに私の英語力が乏しいせいでたびたびオーナーの言っている中国語訛りの英語が捉えきれず、言われた事をすぐこなせず2回言われてやっと動けるなんてこともよくある。おまけにシフトの終わり頃に疲れた顔でじっくり皿洗いをしていたら「遅すぎる」と言われた。これに関しては正直海外の人が適当すぎるねん!!と思った。もちろん言えなかった。

そんな状況だったので、毎回シフトに入るたびクビになる恐怖と戦いながら働いていた。日本とは違い、オーストラリアでは普通にクビにされる。実際に友達でもやっと仕事を得たのにクビにされた、という子がちらほらいる。
仕事を優しく教えてくれる日本人の女の子はもう去ってしまうので、後は英語でなんとかするしかない。わがままかもしれないが、日本人の子がいる間にもっとたくさんシフトを入れて欲しかった。12時間のトレーニングシフトで覚えきれる量の仕事ではないと思った。

ただでさえ少ないのに、更に減らされたシフト

最初の1週間と今週はどちらも週2回しかシフトに入っていなかった。先週のシフトから1週間が空き、久しぶりに働きに行くと日本人の女の子がいなかった。代わりに初対面の台湾人の男性がいた。初めに挨拶をしたが会話を切られ、名前も教えてくれなかった。
勤務中レジ代わりにしているタブレットの操作方法で分からないところがあったので隣にいたその台湾人に声をかけると「俺に聞くな」と言われた。ひとつ飛ばしで奥にいたオーナーが教えてくれた。その後もその男性とは特に話をせずに終了した。元々その男性はあまり喋らないと聞いていたので私はあまり気にしていなかった。ただ、なんやねんこいつ、と思った。

そんな中、私はこの日も色々と小さなミスをしていたので、これまたクビになるかもしれないとヒヤヒヤしながら働いていた。そして終業時間になり台湾の男性が帰った後でオーナーから「土曜のシフトに入れていたけど、君の仕事スピードだと忙しい土曜の夜は追いつかないから来なくていいよ。ごめんね」と告げられた。続けて「土曜にまた台湾の男性と一緒に入ると、きっと彼はイライラしてしまう」みたいなことを言われた。英語力ももうちょっとつけた方がいいね、も追加で言われた。オーバーキルである。
来週またトレーニングを続けると言われたので一応クビにはなっていないが、悔しさや情けなさが込みあげてきて、年甲斐もなくオーナーの前で泣いた。

ストレス発散にシャケを焼く

次の日、めそめそしている私を心配した友人が家に来てくれたので、強引にColes(スーパー)へ連れて行き皆で爆買いした。急遽パーティが開催されることになった。私は最近焼鮭を食べたいという欲があったので、塩鮭を焼き、マカロニサラダを作り、スープを作ってご飯を盛り「食べな!」と友達に強制した。自分が作ったごはんを人に食べさせたくなるという独特のストレス発散方法が確立された。この行為は飯ハラスメントと呼ばれた。

励みになった友人の言葉

こうしてメシハラを受けた友人は、焼鮭を食べながら私の話を聞き、励ましてくれた。とてもありがたい。
また、オーナーから話を聞いたバイト先の女の子も、ラインで励ましてくれた。その中で心に残った言葉を残しておこうと思う。

「絶対この経験は成長になるよ」
今は大変だと感じるかもしれないけどこの経験は将来のためになる。オーナーも期待してるからこそ言っただけで、辞めさせたかったら何も言わずに切ると思う、と言ってくれた。オーナーの本音は分からないけど、そういう事にしておこうと思った。

「真剣に仕事をしていなかったら涙も出ない」
どうでも良かったら涙すら出ない、が下の句だった。これを言われたとき嬉しかった。たしかに、どうでも良かったら不貞腐れてバイトを飛ぶくらいはしてしまう可能性がある。私もちゃんと仕事に向き合えていたのかな、と思うことが出来た。

「その台湾人を注意した方がよくない?!」
突拍子もない意見に笑ってしまったが、自分に味方がいると思えて元気が出た。

反省点

・英語力の無さ
自分が泣いてしまった時に、どうして泣いているのかをうまく伝えられなかった。私は自分自身が情けなくて泣いていたのだが、オーナーは台湾人が怖くて泣いていたと誤解していたらしい。日本人の女の子からラインでそう聞かされた。台湾人の塩対応については気にしていなかったし、目の前の事で精一杯で気にする余裕すらなかった。そのぐらいは説明できる英語力が必要だったなと反省した。
あと、仮にもロンドンで働いていた経験があるのにこんなにもボロボロなものかと自分の英語力の低さを痛感した。もう少しちゃんと勉強しようと思った。

・マルチタスク能力の無さ
日本にいるともう少し要領よく出来る事が、英語環境になると途端にいっぱいいっぱいになる。英語で指示を聞くこと・お客さんの言っている事を理解することに意識を持っていかれてしまい、同時並行で進めるべき他の仕事まで気が回らない。レジでオーダーを取ったらオーダー内容から出来る事を察知して動かないといけないのに、無事にオーダーを取れた安心感で一拍置いてしまう。これは慣れるまで数をこなすしかないと思う。

色々あるけど、もう少し頑張ってみよう

私は地元で個人経営の小さなワインバルで働いていた。そのお店も小ぢんまりとしていて、オーナーは陽気で優しく、大好きなお店だ。そのお店と今働いているお店はなんとなく似ているとトライアルの時から感じていた。
オーナーがガミガミ怒らないところ、食器棚のデザインが似ているところ、お水のボトルが同じところ、ネスカフェの機械が置いてあるところ、タッパーで食材を管理しているところ、スタッフルームが小さいところ……他にも本当にたくさん似ている点があって、地元のお店とオーナーを思い出した。トライアルを受けながら「ここで働いてみたいな」とふと思った。そんな気持ちを思い出したら、もう少し頑張れそうな気がした。

今の自分の能力では大変な職場だとは思う。ロンドンの職場よりもより英語を使う頻度が高い。しんどい分、ここで頑張ったら大きく成長できるという期待もある。私の地元・京都には海外からも観光客がたくさん訪れる。今後地元で働くときに英語で接客したいという目標があるし、海外からのお客さんと笑顔で喋っている自分の姿を妄想しながら「頑張ろう」と改めて気合を入れた。
泣いても笑ってもワーホリの場合同じ職場で働けるのは連続6ヶ月。長いようで短い。頑張ってみた結果クビになったとしても、それもまあ良い経験と笑って言えるようになりたい。もう泣かない、と低い目標を立ててこの記事を締めようと思う。

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