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卒論・修論の追い込み方Q&A
盛り上がりました!
昨年末に、情報処理学会から「卒論・修論の追い込み方」という緊急オンラインセミナーを開催しました。質問もたくさん出て、時間内に終われないほどでした。
その後、講師の伊藤貴之先生のご好意で、TwitterにPeing経由で回答いただきましたので、ここにまとめたいと思います。
よろしければTwitterのリプライや、Noteのコメントで感想などいただければありがたいです!
一問一答
テーマの設定について
研究テーマの決め方は「研究室内で与えてもらう」「関連研究をサーベイしてやり残された課題を探す」「自分の興味あることがどのように研究として成立するかを考える」など多様です。原則として研究室内の方法論に沿…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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指導教員や先輩学生と一度議論をしてみるといいと思います。自分では新しい結果がないと思っていても、指導教員や先輩学生から見たら何らかの新しい結果があった、ということもありえると思います。あるいは、新しい…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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12月で研究テーマが決まっていないけどそれから1,2ヶ月で卒論・修論を書かないといけないとしたら、研究室内のテーマ(例えば先輩がやり残したテーマ)を引き継ぐのが無難だと思います。
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
卒論・修論の提出まで…
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追い込み方について
大学の卒論・修論審査の傾向によって答えが分かれると考えています。研究の過程を重視して審査する大学であれば、実験結果が良好でなくてもどんどん書き進めるべきだと思います。研究の結果を重視して審査する大学で…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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徹夜は避けられるなら避けたほうがいいです。書ける部分があれば先延ばしせずに書いていくことで、直前の時間不足を避けられる可能性が高まります。 #Peing #質問箱 https://t.co/Evhz6JUZvc
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
卒論の質について
とても難しい質問ですが、僕は「なぜその課題を選んだのか、その課題をどの程度達成したかが明確になっている」「その課題に関して自分の研究室生活でやったことを余すことなく書いている」の2点が卒論・修論の重要…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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大学院に進学する際に、多くの大学では研究報告書を求められますし、また多くの大学では入試の面接で研究内容の説明を求められます。そこでは必ずしも研究の完成度の高さというより、受験生の研究に対する意欲や意識…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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古い研究をベースにするメリットがどこにあるかを一度じっくり考えてみるといいと思います。同じ課題に関する新しい研究が出たからといって古い研究が全否定されるわけではありません。古い研究にも何らかのメリット…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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理工系(少なくとも情報科学系)の卒論・修論には
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
- 実験や制作を他者が再現できる書き方を目指す
- 定量的に書ける点はできるだけ定量的に書く
- 著者の主観を排除して客観的な書き方に徹する
といったい…
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直前になってできること
個人的な見解として卒論・修論は、「なぜその課題を選んだのか」という背景の説明と、「研究結果はどうだったのか」という考察の説明が、学会論文と比較しても特に重要だと思っています。残り少ない時間での内容の更…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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まず自分の好きなこと(研究以外のこと)をしてストレスを発散しましょう。あとは例えば同級生どうしで研究発表練習をするなどして、少しでも審査に向けて場馴れするといいと思います。 #Peing #質問箱 https://t.co/PvcXVsnVuv
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
まずは自分の好きなこと(研究以外のこと)でストレス発散して、それから卒論に向き合いましょう。気分が上向きになることで自信を取り戻せる可能性もあると思います。
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
修士は2年間ありますので、できるだけ定期的…
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先生やメンバーとのコミュニケーション
僕の研究室では先輩学生による後輩学生のレビューは導入していないのですが、導入するとしても、先に教員が読んで論理的な大きな流れを確認してから先輩学生に読んでもらう、という手順をとるだろうなと思います。こ…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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緩い方法でのマメな進捗報告を心がけるといいと思います。僕の研究室では例えば「1章が書けました」「2.3節まで書けました」という緩い報告を学生からSlackのDMで受けることにしています。M2の学生は修…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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僕の学生で「自分・指導教員・共同研究者」だけのSlackワークスペースを作って定期的に進捗をつぶやいていた人がいます。進捗報告だけのためにミーティングを開いたりメールを書いたりするよりも緩く状況を報告…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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苦手意識
論文全体を一気に書こうとするとしんどいのは僕も同感です。僕自身が筆頭著者で論文を書くときには、プログラミングと論文執筆を部分的に同時進行するようにしています。プログラムがある程度できたら部分的に論文を…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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卒論と修論の違い
少なくとも以下の2点は大きな違いだと思います。
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
・学生実験レポートは与えられた課題を実施するものであり、卒論は自分で選んだ課題を解決するものです。なぜその課題を選んだのかを主張することが卒論の重要な一…
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あくまでも理想論ですが「卒論はその課題で研究室一詳しい人に、修論はその課題で日本一詳しい人に」という目標設定がよく知られています。卒論では研究室内でのどんな質問にも回答できることを目指しましょう。修論…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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あくまでも理想論ですが「卒論はその課題で研究室一詳しい人に、修論はその課題で日本一詳しい人に」という目標設定がよく知られています。卒論では研究室内でのどんな質問にも回答できることを目指しましょう。修論…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
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スケジュールについて
僕の周囲では4年の夏休み前までに詳細を決める人が多いです。というのも、特に大学院に進学する人は夏休みに入試があって、それまでに研究の詳細な計画を説明できないといけない場合が多いからです。
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
もっと一般論…
続きは質問箱へ #Peing #質問箱 https://t.co/il4vJZqTE8
書き方
論文特有の文章表現については多数の書籍や参考書があるので読まれるといいかと思います。また、文章表現には分野ごとの習慣もあるので、ご自分の分野の論文を「たくさん」読むことが有用です。論文の書き方の習得に…
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 29, 2022
続きは質問箱へ #Peing #質問箱 https://t.co/YMAZ6aPndn
この講演内容のベースになった「修士論文の作り方」というページを再度紹介いたします。これから卒論・修論の執筆に追い込みをかける方の参考になれば幸いです。https://t.co/JZ29qi9nRh https://t.co/dLK0Pn2Hxf
— Takayuki Itoh (@1t0ocha) December 25, 2022
精神論
私からも、精神論編ということでいくつかポイントをご紹介しました。
「卒論・修論の追い込み方」という緊急オンラインセミナーでは、精神論編として3つを紹介しました。 @IPSJ_official
— Sozo⭐︎理系教授・介護IT部! (@Sozo_Inoue) December 24, 2022
その3つとは、
一、見通す
二、予告する
三、邪念を払う
というものです。このように書きましたが意味するところは、
一、見通す → そして小さく失敗する
... pic.twitter.com/l5oBpMdKNf
二、予告する → そして期待を少し上回る
— Sozo⭐︎理系教授・介護IT部! (@Sozo_Inoue) December 24, 2022
三、邪念を払う → 呼吸以外の無駄を省く
です。
それぞれの具体的なステップと、紹介したプロットシートについては情報処理学会会員の希望者に提供しています。
大学3年生以下は無料、学生は月500円以下で入れます。https://t.co/Z2mCayyJ30 pic.twitter.com/KdcigWlxE5
生声を聞きたい方は
主な質問には、情処ラジオでも取り上げています。
今回の企画は直前に思いつき、バタバタと準備したのですが、事務局のみなさまの多大なご協力もあり、実現できました。
今後もリクエストがあればみなさまが求める企画をしていきたいと思います。リクエストがなければやりません(笑)。
よろしければTwitterのリプライや、Noteのコメントで感想などいただければありがたいです!