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まるちゃんと私。

神戸ゆかりの美術館で行われているさくらももこ展に行ってきました。

兵庫県で育ったくせに初めて乗る六甲ライナー。六アイに行く用事そうそうないものね。
とはいえ電車で海を渡るというのはいくつになってもテンションが上がるものです。

アイランドセンター駅を降りてすぐ左手に見える円盤型の不思議な建物が神戸ゆかりの美術館。初の来訪です。

神戸ゆかりの美術館

この大階段を登るのかと一瞬を冷や汗が出ますが入り口は右手にある模様。良かった良かった。
六アイ開発の一環で建てられたようで、神戸ファッション美術館も併設されています。ここも気になるけどこの後所用のためまた今度。

展覧会の入口はわくわくします

とうとう入口ですがその前に私のさくらももこ遍歴を。

幼少期は国民的アニメちびまる子ちゃんをリアルタイムで見るのは勿論、ゆめいっぱいOPの初期作品もケーブルで視聴するくらいには好きなアニメでした。
山口百恵も山本リンダも西城秀樹も城みちるも静岡の富士山とともにある風景も全部まるちゃんから学んだんですよね。

小学生時代はちびまる子ちゃんに加えエッセイをもものかんづめからももこの21世紀日記まで既刊を片っ端から図書館で借りて読み耽ったものです。連載時期の世代は違えどりぼんっ子だった私は国民的アニメをりぼんは輩出しているんだぞ、と圧倒的ちゃお派閥を前に得意気に感じていました。

当時は文学少女で文学作家に本気で憧れていたので、さくらももこのエッセイや青い鳥文庫作品をうすらパクった小説を原稿用紙に書いたり、先生に見せる自主学習ノートで披露したりと、なかなか恥ずかしいことをしていました。今思うと「〜〜であった。」で締めるキートン山田氏の声が聞こえてくる文章を物怖じせず提出していたメンタルよ。そのまま載せられた赤面モノの学級通信は実家に封印してあります。 

そんな感じで影響受けまくりの時期を経て、社会人になってから改めて電子書籍で揃えて読み返したちびまる子ちゃんとコジコジは面白くってほっこりして懐かしい、そんな素敵な存在です。

さて、適度な自分語りを経て展覧会の内容について。展示は下記の内容で進んでいきます。

序章 さくらももこができるまで
1章 ももことちびまる子ちゃん
2章 ももこのエッセイ
3章 ももこのまいにち
4章 ももこのナンセンス・ワールド
5章 ももことコジコジ
終章 アトリエより

https://sakuramomoko-ten.com/highlights.html

まず迎えられるのが息子の三浦陽一郎氏の挨拶。少年時代の息子さんはエッセイにもよく出てくる自由奔放な男の子でさくらめろん名義で絵本も出しています。そんな可愛らしい少年だった彼が今はさくらプロダクションの代表取締役とな。調べたところ私とさほど年齢は変わらないようで。でも私にとっては本の中のめろん君なわけで。同じ時を経て育ってきたのだなと不思議な感覚でした。

展示内容は原画&原稿展示+α。
ちびまる子ちゃんの原画展示は単行本で何回も読んでいるのに面白くって、隣のお姉さんはふふっと堪えきれず笑っちゃっていました。
優しい色使いの絵に、らしさを詰め込んだ細かいカラー絵、どれもじっくり見入りました。思ったよりも連載時のカラー原稿は少なめ。個人的には後期の絵日記の明るい色使いがとても好きです。

エッセイ展示は、赤裸々な面白さは勿論なのですが、本によっては20年以上前に読んだ作品なのにエピソードの一部を見れば思い出してしまう、そんな「あのころ」にスッと戻って親しめる文章が本当に魅力なんですよね。この懐かしさを思い出すたびにまた読み返したいなと思いました。

ところで話は逸れるのですが、こちらの美術館、壁の画鋲の跡がすごい。穴が至る所についています。もう少し文化提供の場の厳格さを持ってと思いながら進みます。

展示の話に戻りまして、そのほか印象に残ったものをあげると
・さくらももこ小学生の頃の文集
・永沢君展示ゾーンの奇妙な飾りつけ
・もものかんづめの生原稿
・珍しいタッチの挿絵
・めろんくんからの手紙
さくらももこを丸々感じることができる素敵な展覧会なのでファンの方ならぜひ足を運んでみて欲しいです。

早逝が悔やまれますが素敵な作品をたくさんありがとうございました。

アトリエより

⚫︎神戸ゆかりの美術館
https://www.city.kobe.lg.jp/kanko/bunka/bunkashisetsu/yukarimuseum/index.html

⚫︎さくらももこ展
https://sakuramomoko-ten.com

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