定番メニューをスペシャルメニューへChange!
文・撮影/長尾謙一
料理/横田渉
マングローブ ソフトシェルクラブ(素材のちから第40号より)
まるごと食べられるカニ
「マングローブ ソフトシェルクラブ」
脱皮直後の渡りガニは水から揚げると殻が硬くならない。「マングローブ ソフトシェルクラブ」は、この殻のやわらかな渡りガニの、目、エプロン、ガニを丁寧に取り除いて凍結したものだ。解凍後にそのまま調理してまるごと食べられる。
「マングローブ ソフトシェルクラブ」の持つカニ独特のおいしさもさることながら、やはりこのカニがつくり出すビジュアル的なインパクトは強い。定番のメニューもスペシャルメニューへと変わる。
「マングローブ ソフトシェルクラブ」は、特別なカニじゃない
〝まるごと食べられるカニ〟というキャッチフレーズを見ると、なにかそのメリットを最大限にいかすメニューを考えようと力んでしまうが、所詮はカニなのだ。しかも、とても便利なカニ。つまり、殻がやわらかく、そのまままるごと食べられるから、いろいろなメニューにどんどん簡単に使えるということなのだ。
定番メニューをスペシャルメニューへChange!
スペシャルメニュー例
カニの持つスペシャル感を定番のメニューにとり込んでみる。どのメニューもスペシャルメニューとしての強い力がある。
スペシャルメニュー① まるごとカニピザ
今回ご提案するメニューは決して新しいものではなく、過去にメニュー化してヒットしたものばかりだ。つい最近もハンバーガーショップで〝ソフトシェルクラブバーガー〟の好調な販売がニュースとしてテレビやWebサイトで紹介されたばかりだ。ただし、上のメニュー〝まるごとカニピザ〟がメニュー化されたとは未だに聞かない。
ピザ生地にジェノベーゼソース、チーズ、マッシュルーム、「マングローブ ソフトシェルクラブ」をのせて、オリーブオイルと塩をふり220℃のオーブンで8分ほど焼いた。ただそれだけだ。
ソフトシェルクラブが日本に紹介されて40年以上が経つが、こんなカニピザは見たことがない。
このインパクトはどうだ! のせて焼くだけなのに、どうしてメニュー化されないのだろう。不思議だ。定番のシーフードピザがこうも変わる。
さて、大きさは約100gある大型のホエールから、約30gと小型のカクテルまで6つのサイズがあるので、メニューに合わせて上手く使い分けたい。
スペシャルメニュー② まるごとカニ天丼
丼には炊き込みご飯を盛り、ナス、ししとう、しいたけ、ニンジン、「マングローブ ソフトシェルクラブ」の天ぷらをのせて天つゆをかける。実はこれ、あるお店で大人気の天丼のスタイル。定番メニューにヒットが潜んでいる。
スペシャルメニュー③ まるごとカニバーガー(ソフトシェルクラブバーガー)
バンズに、レタス、ピクルス、チーズ、マヨネーズ、「マングローブ ソフトシェルクラブ」(薄力粉を薄くつけて揚げる)を挟む。このところ日本でも人気の手ごたえを強く感じる。
スペシャルメニュー④ まるごとカニカレー
普通のカレーライスに「マングローブ ソフトシェルクラブ」(薄力粉を薄くつけて揚げる)をトッピングした。タイのプーパッポンカリーのような本格的なエスニック感もいいが、日本のシンプルな〝カニカレー〟もおいしい。
スペシャルメニュー⑤ まるごとカニのスパイダーロール
アメリカで人気の〝スパイダーロール〟は、巻いた寿司の端から飛び出したカニの足が、まるでクモのように見えることからそう呼ばれるようになった。アメリカらしい発想だ。カニ独特の旨みとカリッと揚がった殻の香ばしい風味がおいしい。
スペシャルメニュー⑥ 海老&まるごとカニフライ
洋食店でシーフードのミックスフライを注文すると、一般的には海老フライやアジフライ、その他にはホタテフライや季節によってはカキフライが登場する。カニはカニクリームコロッケがあるが、思い切って「マングローブ ソフトシェルクラブ」はいかがだろうか。タルタルソースで食べる〝まるごと食べるカニ〟は絶品だ。
(2021年3月31日発行「素材のちから」第40号掲載記事)