おせちの次はすぐおせち。
文・撮影/長尾謙一
料理/横田渉
おせち用ロブスター
(素材のちから第40号より)
おせち用のロブスターは、十分に吟味して選びたい。
ロブスターの存在感
黒豆、なます、田つくり、昆布巻き、数の子、栗きんとんなど、たくさんのおせち料理を一つにまとめる華やかなロブスター。主役を張るとはまさにこのことだ。ロブスターの品質はおせちの出来栄えを左右する。
思い通りのロブスターを
手に入れることができたのだろうか
ここ何年も年末のおせち商戦は毎年売り上げを伸ばしてきた。昨年末はコロナ禍の中で正月を迎えたこともあり、おせちはさらに売れたと聞く。料理のジャンルも和食、フレンチ、イタリアン、中華に留まらず、おせちも多様化している。昨年12月に入ってネットで予約しようとしたが、早々と完売の文字が並ぶおせちも数多くあった。
おせちで目を引くのはロブスターだ。この華やかな姿は1年のはじまりにふさわしい。それにしても、日本中のロブスターニーズが一度に集中するこのタイミングに、はたしておせちをおつくりの皆さんは、思い通りのロブスターを手に入れることができたのだろうか。
5個、10個のおせちをつくるならいいが、何百、何千もの数をつくるとするならば、同じサイズのロブスターが必要だ。このところおせちは小型のものが好まれるため、ロブスターも小さなサイズが求められる。ロブスターは世界中で漁獲されるが、小型のサイズのものとなると産地が限られる。
そこで、おせち用ロブスターに「香味焼きロブスター」、「マダガスカル産ロブスター ボイルホール」、「ナミビア産ロブスター ボイルホール」、「ブラジル産ロブスター ボイルホール」をご紹介したい。
冷凍のまま盛り込めるから便利
「香味焼きロブスター」はボイルロブスターを調味液に漬け込んでオーブンで焼き凍結させたものだ。凍ったままおせちに盛り込める。味と省力化の両方を実現した。
約10gごと16段階、コストにあったサイズが選べる
「マダガスカル産、ナミビア産、ブラジル産のボイルホール」は、おせち用に欲しいサイズが充実していて、特に「マダガスカル産ロブスター ボイルホール」は1尾あたり80~110gの小型サイズから351~400gまで、約10gずつの重量幅で16サイズを用意している。1尾の違いは10gでも、これが何百尾となればトータルコストは大きく違うだろう。
おせちはとりあえず終わったとお思いかもしれない。しかし今年、思い通りのロブスターを手に入れるためには、早く手を打つ必要があるだろう。以下、それぞれのロブスターを掲載してみた。伸ばして盛り込むおせちも見られるので、ロブスターを伸ばしたサイズも測った。ぜひご参考にしていただきたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
おせち用ロブスター図鑑
(香味焼きロブスター/マダガスカル産/
ナミビア産/ブラジル産)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
おせちに人気の小型サイズのロブスターが充実
全般的におせちのサイズが小型化している中で、小型サイズのロブスターは人気が高く、準備シーズンを迎えるころには品薄になる可能性もある。マダガスカル産、ナミビア産は特に小型サイズが充実しているため、見映えやコストを早めに検討してみてはいかがだろうか。
おせちのお重にロブスターを置いてみました
5.5寸、6寸、8.5寸の正方形のお重、6×8寸の長方形のお重を用意して、実際にロブスターを入れた画像もご用意したので、サイズのイメージをつかんでいただけると思う。
ロブスターを伸ばしたサイズ(髭の根元から尾扇の端まで)も表記したので参考にしていただきたい。
ロブスターの長さは、サイズが長さではなく重量で分けられることと、尾の曲がり方も違うので、全部が同じようにピタッと揃うわけではないが、だいたい記載のような感じになる。
6寸のお重にはマダガスカル産の165/174は少し小さいようなので、10g上の175/184か、さらに10g上の185/199を試したい。
(2021年3月31日発行「素材のちから」第40号掲載記事)