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株式会社ドロブネ、有限会社フクロコージ、宗教法人アリジゴク

ネーミングはとても大事だ。この世にすでに数多く存在する名前だと、別の会社や製品、別の人間の情報が出てきてしまう。

たとえば、鈴木一郎さんや田中宏和さん、佐藤凛さんは他の情報に埋もれてしまう。むしろ埋もれたいんだよ!という人もいるのかもしれない。個人を特定されることはデメリットも多いから。

ひとひねりして一郎ではなく伊知郎とするとマシンガントークが聞こえてくるし、砂糖醂さんにすると調味料みたいだ。

ネーミングはとても大事だ。社名、商品名、人名、どんな名前であれ、相手からどう見えるかだけでなく、己の指針や誇りにもなる。龍太郎とヘビノスケでは性格も生き方も大違いだし、絹子ちゃんと木綿子ちゃんでは毎日の基礎化粧品が違う。

覚えやすさや親しみやすさ、SDGsにも配慮する必要がある。何度も改名できるものでもないし、サステナブルでなければ。あ、SDGsというネーミングは成功事例かもしれません。ディージーズのところで舌と歯が喜んでおります。

😛

先日、友人と食事をしていたときに「うちの会社、もうぐちゃぐちゃ。いい人からどんどん辞めちゃって泥舟みたい」と嘆いていた。泥舟ってかちかち山以外にも存在するんだーと思っていたら

「○○○○っていう社名がよくないのかな。もうドロブネにしたらいいんだよ!」と吠えた。

ちょっとドヤ顔でハイボールを一気飲みした彼女が、なんだかすごくキラキラして見えた。

🚣‍♀️

「株式会社ドロブネですか、、なんでまたこんな物騒な名前を?」

「はい。私どもは最終的には土に還りたいと思っておりまして、鉄やカーボン、プラスチックなどを使用した大きな船ではなく、泥でつくった小舟のようなイメージなんです。業界をリードするような大手さんと違って、吹けば飛ぶ、沖に出れば沈むような小さな会社ですが、おかげさまで100周年を迎えることができました。私どもの泥にはお魚さんや海藻の餌になるような虫や微生物が含まれておりまして、最後の最後まで世界の役に立つことを目指しております。創業者の白鳥黒兵衛の座右の銘が "飛ぶ鳥跡を濁さず、白鳥ハトに負けるな" でして、4代目の白鳥ニゴカズが100周年記念プロジェクトの一環としてドロブネになろう!というミッションを制定、新社名にも反映いたしました」

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