遮光カーテンを開けると一日が始まる 昨晩干した洗濯物が揺れている
遮光カーテンを開けると一日が始まる。
ベランダから見えるお向かいのビルはなにかの倉庫で、土日は人の気配がない。下着を干そうが鯵の開きを干そうが、私のベランダを気にする人は誰もいない。
春から夏はヘリノックスのチェアワンをベランダに出して缶ビールを飲んだり読書をすることもある。小さめな音でラジオをかけることもある。いつか水着でベランダに出てみようと思うが、それはさすがにやりすぎだろうか。
夏は近所のお祭りやお神輿の賑わいが聞こえることもある。冬から春はとても静かだ。車もほとんど通らない。たまに子どもの声が聞こえると「未来だ」と思う。
朝ではなく夜に洗濯をすることが多い。そして雨の心配がなければ一晩中洗濯物を干してしまうこともある。
遮光カーテンを開けると白いレースのカーテンに光と影の帯ができている。その向こう側で、きのう干したシャツが揺れている。雨に降られて洗い直しというのは年に1、2回あるかないかだ。
窓ガラスをあけるとレースのカーテンがやわらかく膨らむ。私は布団に入ったままで顔に冷気を感じながらこのテキストを打っている。そして午前中に指定した郵便物の再配達を待っている。
届いたらシャワーを浴びて出かけようと思うが10時に届くか12時に届くかで一日の香盤が大きく変わってくる。10時だったら少し離れた町にごはんを食べにいく。
9:47
きょうは有馬記念もあるしM-1も
と打っていたら玄関のチャイムが鳴った。