サウナ それは ワルツ
近ごろは「黙浴」がマナーとなっているサウナ。しかし、無音のようでいて、サウナーたちはそれぞれ音を奏でている。そう、サウナーとは演奏家でもあったのだ。
※ついつい漏れがちな「アチ〜」や「ダハ〜」のことではない。
サウナーたちの一挙手一投足からリズムもメロディもハーモニーも聴こえてくる。そしてそれは行進曲や演歌ではなく、まちがいなくワルツ(3拍子)だ。主役がつぎつぎと変わるラヴェルの「ボレロ」がイメージしやすいだろう。
ひとりストーブと向き合うスネアドラムの独奏、誰がが入ってくるとそこにハーモニーが生まれ、3段目までサウナーがうまる大バコの奏でる音楽はさながらオーケストラのようである。
プロサウナーと呼ばれるベテランたちは、コンサートマスターや協奏曲のソリストのごとく優雅な佇まいであり、演奏家=サウナーたちを見事に統率する。
ちなみに12分計も、6分でサ室を出ていく者たちも、3か所を3周する者たちも、知らず知らず「3の倍数」に突き動かされている。
アン ドゥ トロワ
踊り ましょう か
次回、「アスティルで連弾」「北欧で三重奏」「SKCでクインテット」のどれかです。