背もたれ胃もたれ甘ったれ

「私だって、たまにはもたれたいの！」

そう言ってシズカはリビングから出ていった。
「も、もたれたい？」

なぜシズカはもたれたいんだろう。
もたれてもいい事なんて何もないじゃないか。

あ

寄りかかりたいみたいな意味で言ってる？
気持ち的に？　カラダ的に？

こういう時は放置するのが一番よくない。
そして人は空腹だと余計に腹が立つ。

シズカの部屋の外から、優しめな声で話しかける。
「なんかごめん。お昼、行く？」

「……うん」
ピアニッシモな返事。

「駅前にできた、生姜焼き食べ放題のお店、行ってみる？」

「……なんで？そんなの昼から食べたらもたれちゃうじゃん。
あ……さっきのはそういう意味で言ったんじゃないからね！！！」
フォルテッシモな声と同時にドアが開いた。

よかった。笑ってる。