給料日前、玉ねぎっておいしいね
給料日前は自炊をする頻度が多くなる。毎日ごはんを2、3合炊いて、卵かけごはんにしたり、納豆ごはんにしたり、カレーをつくったりするのは結構楽しいし、おいしい。一人で食べるのはすこし寂しいが、節約しているという事実がわたしを肯定してくれる。
味噌汁の椀には、くたっとした玉ねぎが浮かんでいた。一口飲んだあとに思わず「玉ねぎっておいしいね」と呟いた。その言葉はわたし自身に向けられたものだ。
味噌汁の具は大根がいい、いやいやワカメだ、僕は豚汁がいいなぁ、やっぱり豆腐でしょ、結局あさりだよ、などと意見が割れる食べ物だが、わたしは玉ねぎとじゃがいものコンビが好きだ。
昔付き合っていた恋人は「ウィンナの味噌汁が好きだ」と言っていて「それは邪道でしょ」と笑ったことがある。ウィンナや邪道という単語に触れるたびにその幸福な一瞬がよみがえる。
玉ねぎだけの味噌汁はなんだか寂しい。そこに増えるワカメだったり、キノコ類だったり、なんなら青い小ネギでもいい、二種以上の具がほしい。
豚汁みたいな大家族。玉ねぎとじゃがいもみたいな夫婦。ソロでくたっとしている玉ねぎ。そう、わたしはわたしに合うじゃがいもを探し求めているのかもしれない。
メークイン系よりは男爵系がいいかなぁ。ん?メークインってまさか五月の女王みたいな意味なのか? あえてググらずにそのままにしておこう。スーパーの店頭で「女王vs男爵」みたいなことになるのもよくないから。
ああ、玉ねぎのことを書きたかったのに。じゃがいもめ。