#4 雲雨傘の理論
前職のコンサル時代に読んだ本で紹介されていた、フレームワーク(考え方の枠組み)の一つが、
雲雨傘の理論
です。
雲雨傘の理論
コンサルのフレームワークの中では非常に初歩的なものですが、僕も時折意識するようにしている考え方です。
簡単に言うと、
雲:事実(fact)
雨:見通し(prospect)
傘:打ち手(action)
を指しており、具体的には、
雲が出てきたので、
雨が降るだろう。だから、
傘を持って行くと良い。
という論理的思考の流れを指す用語です。
何かが抜けている報告書
読んでもらえず、棚にしまわれる報告書には、雲雨傘の理論を当てはめると、抜けているものが多くあります。
◯雲が抜けている
→見通しと打ち手はあるが、なぜその話になるのか、読み手に唐突感を与える。
◯雨が抜けている
→事実から打ち手に論理が飛躍して、なぜその結論を提案するかの説明が不足している。
◯傘が抜けている
→事実と解釈のみを書いている。読んだ人は、それで?となる。
抜けた報告書を作らないために
上の3パターンの抜けている報告書の中で一番タチが悪いのはどれでしょうか?
私は、一番下の『傘が抜けている』報告書が最もタチが悪いと思います。
雲や雨が抜けている報告書は、作った人の頭の中の時点では雲や雨があったのに、活字にした時に抜けてしまったという例が多いです。
こういう場合は、論理の飛躍を指摘して言葉で埋めてもらえば良い報告書になります。
これに対して、傘が抜けている報告書を作った人は、そもそも作った時に頭の中に傘がなかった可能性が高い。
なぜなら、打ち手を提案したいと思って考えたのなら、書き漏らすはずがないからです。
逆に言うと、傘がない報告書を出してくる人は、事実と解釈だけを書くことがコンサルの仕事だと勘違いしちゃってる、ということで非常に危険な傾向です。
コンサルもどきにならずに、眠る報告書ではなく、生きる報告書を目指しましょう。
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