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友達やめたい友達

いつもは無口で学校生活の話題なんて口にしない長女が突然、

「友達作り完全に出遅れた、どのグループにも入れなかった。」

女子高生デビューしたばかりの彼女は保育園からぼっち街道まっしぐら、友達を作ろうと思っていたことに母としてまず驚いた。彼女はつつげて、

「高校生活は何をするかじゃなくて、誰といるかなんだよ。」

花の女子高生生活を満喫するにはイケてる気の合う友達は必須アイテム、時にアクセサリーのようなもの、スクールカーストなんかも絡んでくる、誰とつるむかは死活問題だ。

「もう諦める、私はぼっち街道を極めるから!」

私は好きよ、その心意気。頼もしい宣言をした数日後、友達が出来たと報告をもらった。クラスで全てのグループに属して、全てのグループから弾かれたというなかなかの猛者が初めての友達となった。一緒にお弁当食べよって話しかけられてそれからずっと私から離れないの、会話も盛り上がらないし、趣味も合わない、友達辞めたい、私は友達になった覚えは無い、ぼっちで良かったのにと。

学生時代はその時々で友達の顔ぶれも入れ替わるものだし、少なくもソロ弁してるよりかは母は安心するけど。青春真っ只中の16歳の悩みは娘が思うほど深刻なことではないように思う。来年のクラス替え後にはたぶん友達やめれるでしょ。

深刻なのは歳をとってからだ、友達作る元気もなければ、機会もない、友達の作り方なんて25年前に忘れてる。ましてや今いる友達を切って捨てることもできない。

そんな私にも40歳にして友達ができた。多分親友になる、生涯で一番の。詳しい出会いは割愛するけど、実に珍妙な出会いだった。一言で言えば出会うして出会ったタイミングが合ったんだと思う。私が心を許す友を求めていた時に現れ、私を全肯定しつつ全否定する人間。

学生時代からの親友は私が思い込んでいるだけでも4人。親友と言えどそれぞれに違う自分を見せている、4人の親友に4人の私が存在している。4人が初めて一つになって話せる相手だ。友曰く私の過去の経験に惹かれるらしい。学生時代は現在と未来が友を作る、40歳にもなれば過去の私の経験が友を作るんだと知った。

長女はこれからたくさんの出会いに恵まれて幸せな人生を送ると信じている。私はこれから少ない出会いと多くの別れを経験していくことになるのかな。

友達をやめたい友達なんて、贅沢なこと言わないでよ。

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