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【小説】#4:歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』

タイトル:葉桜の季節に君を想うということ
著者:歌野晶午
読了日:2022/12/3


あらすじ

トラさんこと成瀬将虎は同じフィットネスクラブの友人である愛子から、詐欺まがいの霊感商法についての調査依頼を受ける。元探偵の経験を生かそうと意気込む矢先、自殺を図った麻宮さくらと偶然出会う。
一方、先述の霊感商法にのめり込み多額の借金に追われ、やむなく悪行に手を染めている古谷節子視点の物語が始まる。
謎が明かされるどころか、問題はどんどん複雑化する。そして物語の最後に一気に曇りが晴れる。
点と点が線になるとはまさにこのこと。2004年の賞という賞をかっさらった見事なミステリ作品!


感想

正直言ってしまうならば、「このパターンか、なるほどね」という感じでした。最近ハサミ男とかを読んだせいかな?笑
個人的に叙述トリックとしてはハサミ男の方が上手かなと思っています。しかし、この作品は時系列や視点がコロコロ変わるので真相が分かった時の、いわゆる「点と点が繋がって線になる」感覚は強いと思います。
少しネット検索してみると、どうやらこの作品の評判ははっきりと分かれるみたいですね。
個人的には面白かったと思います。
如何せんページ数が多く冗長な感じがしなくもないですが、ササッと読めばなんのことないですし、何気ない部分だなと深く考えず読み飛ばしているからこそトリックにまんまとハマるわけですよね。
僕がまさにそうでしたし。
この作品を知ったのは某YouTubeチャンネルでおすすめされていたからなんですが、なんと言っても特徴的なのがこの素敵なタイトル。
「葉桜の季節に君を想うということ」って。
どんな感性してたら思いつくのでしょうか。
純愛小説かな〜なんて思って読んでみたら1ページ目から右ストレートくらいます。
「〜こと」っていう体言止めもまたいい味出してますね。まさかミステリ作品なんて思うまい。
タイトルは物語の本当の最後に伏線回収のように触れらるのですが、ここがまたとても良い。
良い考え方だなと感心させられました。
先述したとおり長編作品ですが、2004年のミステリ関連の賞を総なめしております。
ぜひ一度手に取って読んでみてください。


余談

以下追記します〜

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