【小説】#7:東野圭吾『真夏の方程式』
タイトル:真夏の方程式
著者:東野圭吾
読了日:忘れました、ズボラですね
あらすじ
親戚が経営する玻璃ヶ浦の旅館で夏休みを過ごすことになった恭平と、仕事のためにたまたま訪れた湯川。
しかし、翌日になってそこの宿に同じく宿泊していた客の死体が見つかった。
その客の身元を調べてみると、元警視庁の刑事でなおかつ、かつてある殺人事件で玻璃ヶ浦出身の男を逮捕したという経歴を持っていた。
湯川も草薙たちの協力のもと、死体やその現場を独自に調べながら、偶然とは思えない過去と現在の、そして人と人との繋がりを目の前にし真相に迫る。
そして湯川がたどり着いた真実を前に大きな決断を迫られることになる。
感想
なんかマッチングアプリで知り合った女性が好きって言ってたなーと思い出し、書店に置いてあったためどんなもんじゃい!と思って読みました。
結論「それほどでもないかなぁ〜」でした。
上から目線でごめんなさい😅
というのも、「容疑者Xの献身」が初めての東野圭吾作品で、なんなら初めてのミステリ作品で、今回の「真夏の方程式」はそれを超える衝撃がなかったかなーと感じたからです。
この作品は、「容疑者Xの献身」のようなどんでん返しというよりかは、段々と人物関係や過去と現在が繋がっていって謎が明かされるという感じです。
また、湯川も普段は事実だけを追い求めるザ・科学者という感じですが、この作品では恭平くんのためにという、どこか真実を明かすことよりも人の心を想う気持ちが見られた点は良かったなと思います。
批判的な意見としては、事後的に判明する事実が多すぎて読者が読みながら推理することが難しいという点と、人物関係や時系列を把握するのが大変だということでしょうか。
今回のトリックは伏線があるので予想がつきます。
しかし、登場人物たちの繋がりが進むにつれて「実はこうでした」「こういう関係があってこうなったんですよ」というような、いわば後出しが多く最初の段階では推理することすら叶わないでしょう。
他の作品との比較については以下の余談で記載してあるのでぜひご覧ください!
とはいえ、最後には衝撃の事実が待っており、湯川なりの葛藤が垣間見えます。東野圭吾によるガリレオシリーズ第6弾、シリーズ3作品目の長編小説になっています。映画化もされていますので、少しでも興味のある方はぜひ読んでみてください!
余談(ネタバレあり)
ネタバレが嫌な方はここから下は見ないようにしてください
ちなみにどうでもいいですが、この本を読むきっかけになった女性とは会えませんでした😅。。。
さて、んなことはどうでもいいんですよ。
理系大学生からするとやっぱり湯川には共感できますね。自分は工学部に所属してますが結構理系文系関係なく学ぶ学科なのでザ・科学者ってタイプではないのですが、一年生の頃は割と物理学をガチガチに学ぼうと思ってました。
夏休みはほぼ毎日図書館にこもって物理学の勉強をしていた頃が懐かしいです。笑
やっぱどうしても事実にこだわるし、その事実同士の因果を絶対とする性分で感情などの非論理的なことといった非確実的な事柄を無視してしまうのでロジカルすぎてしまうことがあるんですよね。
日頃から関わっている人間もそういった人の集まりなので、自分たちが少しズレているということに気づけないのもまた辛いところではあります。
一応言っておきますが自慢ではありません。
東大にいるとバケモンがゴロゴロいるのでなんなら劣等感の塊です✨
某河野◯斗とかが悪目立ちするせいで僕ら底辺が苦しんでおります...
先述したように「容疑者Xの献身」と「真夏の方程式」の相違点は後者は情報が後出しされるということでしょうか。というかそれがノーマルで前者のように序盤の方でほとんどの情報を開示している方が特殊なんでしょうね。笑
前者の作品と同じようなどんでん返しという感じではなかった一方で、人間の想いや感情、特に湯川の恭平くんを思う気持ちがありありと表現されているので、また違った楽しみ方ができると思います。
自分の場合は、「ハサミ男」などどんでん返し系を多く読んできたので物足りなかった感じがします...
一応他のどんでん返し系の作品の感想を載せておきます!