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プレミアがついているかもしれないトレーナー
前の記事の続きである。
友人と会う目的はBTSの公式トレーナーを渡すためだった。友人たちとのグループLINEで「推し活」が話題に上った時に、その中のひとりが今さらだけどBTSに夢中なのだと言ってきた。彼女も私と同年代のアラ還だ。
いまや世界のBTSだが、うちの娘が高校生だった7~8年前はまだ韓流アイドルとして日本で握手会をしていたりした。BTSにハマった娘は何度も韓国遠征をするほどで、動画の見過ぎで韓国語会話もできるようになった。
こちらが心配になるほどの入れ込みようだったが、大学生になる頃、突如興味を失った。BTSがあまりにビッグになり過ぎて、もう自分の手の届かないところまでのぼり詰めてしまったから、らしい。
DVDやブロマイド、バッジやペンライトなどのグッズを大量に持っていたが、それらはほとんど処分してしまった。唯一残っていたのがトレーナーだ。捨てようとしていたのを、私が部屋着で着るかもしれないからと拾い上げて保管していた。
このトレーナーは『FAKE LOVE』(2018年)のだから、もう6年以上も前のもの。まだ所属事務所がBig Hit Entertainmentだった時代だ。にわかファンの私の友人はこんな昔のトレーナーでも喜んでくれて、保存しておいた甲斐があったと嬉しくなった。
トレーナーを渡す友人の他にもうひとり呼び出して、有楽町のとある店で集まった。新装開店したばかりの店だったからか客がまばらで居心地がよく、昼から延々6時間半、飲んでしゃべって笑ってきた。
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着付を事前練習していたお蔭で、トラブルなく着物で出掛けられた。履き慣れない草履で鼻緒がきつく、足は痛くなったが、同じ店にずっと居座っていたから、着物が崩れることはなく、家に帰るまで無事に保たれた。
ひとつハードルをクリアしたような気分だ。和服で出掛けることに自信がついた。春が来るまでに機会を作って、また和服で出掛けたいと思う。