Vol.7_奥鎌倉の古民家レストランにひとり旅
こんにちは。ソウ・エクスペリエンスの阿久根です。商品開発や体験施設の開拓を担当しています。
今年出合った体験施設の中で、特に印象的だった一軒について書いてみたいと思います。どれくらい印象的だったかというと、お客様におすすめしたいポイントが多すぎて、体験の紹介文をまとめきれず、当社を手伝ってくれているプロのライターさんに頼ったほどです。(普段は自分で紹介文を書いた上で、ライターに監修してもらっています)
文字数制限のないnoteが始まり、何か執筆を……という話があったときに、まず思い浮かんだのがこのお店のことでした。
旅のきっかけになる体験を探して
今年の夏、新商品「旅と体験のギフト鎌倉・湘南(GREEN)」を担当することになり、鎌倉・湘南エリアの体験を探していました。
旅のきっかけを贈れるギフトなので、わざわざ遠出をしても行ってみたい体験を探す中、代表の西村経由で、鎌倉在住のキッチハイクの大野さんに教えていただいたのが「奥鎌倉 北條」という古民家レストランでした。
「食」に強い思いを持っていらっしゃる大野さんのおすすめなら間違いないと、早速連絡を差し上げると、提携を検討いただけることに。外部サイトなどには掲載していないお店なので、なぜ興味を持っていただけたかうかがうと、「お客様からのご紹介を無碍にはできない」とのこと。その後もお話の随所から、お客様を大切にされていることが感じられます。
築90年を超える古民家を改装したレストランで、その敷地は、大河ドラマの主人公にもなった北条義時の住宅跡地といわれています。近くには吉田松陰に縁が深い瑞泉寺などの古いお寺も点在しており、まさに旅の目的地になる場所だと確信しました。
鎌倉・湘南ギフトの中でぜひ紹介したいという気持ちが強まるものの、ギフトの価格内でペアの食事プランを作ることに難航しました。SOWのギフトではペア向けプランの需要が高いため、迷うところでしたが、「一人で見える方も多いですし、数ヶ月ごとに本を持って過ごしにいらっしゃる常連さんもいるんですよ」という女将のお話がきっかけで、一人向けのコースを作って紹介させていただくことになりました。
紹介を始めるにあたり、私も一人で食事に行ってみました。結果、一人でレストランに行くのは躊躇する方、行ったことがない方にこそ、挑戦してほしいと思う体験だったのです!
ひとり旅ポイント① 静かに庭を眺めるマインドフルな時間
まず、お部屋が一面ガラス張りで、席から目の前に広がる庭を堪能できます。食事を待つ間もお庭を眺めたり、庭に遊びに来る野鳥やリスを見たり、鳥の鳴き声を聞いたりしているだけで幸せな時間です。
静けさの中で庭を眺めていると、いつしか目の前のことだけに没頭している、マインドフルネスのような効果も感じました。
ひとり旅ポイント② 2卓のみ、時間制で人目が気にならない
席はお部屋の中で2卓のみ。別のグループと同室にはなりますが、相席などはもちろんないので安心してください。時間入れ替え制なので、時間内は周りに気を遣うことなく、落ち着いて食事をいただけます。
お話好きの女将がもてなしてくれ、聞けば周辺の歴史のこと、古民家のこと、鎌倉野菜のことなど色々と教えてもらえます。読書中や、話しかけなければ適度な距離を取ってくれます。一人客も一定数いらっしゃり、本を持参して定期的に来る方もいるというのも納得です。
ひとり旅ポイント③ 時間をかけて味わえる、葉山牛の食べ比べ
料理の話に辿り着くのまでだいぶ時間がかかってしまいましたが、料理も鎌倉エリアならではの、わざわざ食べに行きたくなる内容でした。
メインは葉山牛。「和牛香」ともいわれる香りが上品で、女将が都内でお店をされていた時に惚れ込んだものの、生産量が少ないため仕入れが難しく、どうしても取り扱いたくてご縁があり鎌倉にやってきたとのこと。
シチューとハンバーグそれぞれのメニューで提供していたところ、常連さんのリクエストで、一度で両方味わえる食べ比べコースができたそうです。ハンバーグとビーフシチューで味わいや香りが全く異なり、同じ肉とは思えないくらいでした。どちらもとてもおいしいですが、強いて選ぶなら私はビーフシチュー派です。
使用する野菜は全て鎌倉野菜で、その日の朝仕入れた新鮮なもの。色々なサラダや、焼き野菜などをたくさん楽しめました。調味料は塩だけというかぼちゃのスープの味が特に忘れられません。
ひとり旅では食事はさっと済ませることも多くなりがちですが、コース仕立ての食べ比べのコースは、お料理を一品ずつゆっくり味わえるのがいいなと思いました。
ひとり旅ポイント④ 散策したくなる周辺環境
お店がある鎌倉市二階堂は、観光客で賑わう鎌倉駅前からバスで15分ほど。「奥鎌倉」とも呼ばれるエリアで、駅前の賑わいとは真逆の静かな住宅街にあります。
周辺には歴史あるお寺が点在しており、女将のおすすめは覚園寺。また永福寺跡地は静かで、読書や物思いに耽るのにぴったりだそうです。お店の目の前の通りは江戸時代から続く道で……といったお話を聞くと、帰り道にはつい散策の足が伸びます。超メジャー級ではないものの、趣のあるお寺を巡れるこのエリアは、鎌倉リピーターの方にもおすすめだなと感じました。
さらに、レストランの建物にも見どころが満載。「駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場」を手掛けたことでも知られる、建築家・村田政眞(むらた・まさちか)氏が設計したもので、大黒柱がなかったり、釘を使っていなかったりと、建築物として貴重なため、わざわざ見に来る専門家もいるそうです。建築に興味がある方や、古い建物が好きな方にとっては、ここで過ごす時間自体を楽しめるのではないでしょうか。
ここまで約2500文字で「奥鎌倉 北條」の魅力をつづりましたが、いかがでしたでしょうか。体験紹介ページの500文字では紹介しきれない体験はまだまだありますので、今後もnoteに書いていけたらと思います。お読みいただき、ありがとうございました。