珈琲店から夢は咲く 第1話「ミカサカフェ」
カフェ。それは文学や写真、絵画、映像作品など、様々な芸術作品が生まれてきた場所。仕事で疲れた身体と心を休める場所でもある。
この『珈琲店から夢は咲く』では、クリエイターの卵である夢咲すずがカフェに行って創作のインスピレーションを受け、その様子やカフェを紹介していく。
創作活動をしている人、カフェが好きな人、そして偶然この記事を目にしてくれたそこのあなたにも、少しでも「面白い」「参考になる」「自分も行ってみたい」と思っていただけたならば光栄である。
横須賀市のミカサカフェ
ここは神奈川県横須賀市。ここには海の見える公園があり、横須賀海軍施設もこの近くにある。そんな場所に、今回の目的地はある。
この日はお昼すぎから創増コンパスの事務所に行く用事があった。少し早めに横須賀に到着し、今の時刻は午後1時ごろ。お昼ごはんにはちょうどいい時間帯だ。
今回訪れたのはミカサカフェ。白と青のカラーが横須賀の海を思わせる、そんな外観が素敵なこのお店で、コーヒーとランチをいただくことにしよう。
この日は土曜日のお昼、しかもゴールデンウィークということもあって店内は混んでいた。それだけ多くの人を惹きつける名店ということなのだろう。期待が高まる。
コーヒーとカレーをいただく
今回注文したメニューは、スペシャリティコーヒーとはつしまカレー。窓際の座席で横須賀の街を行き交う人や車を眺めながら、今日のランチタイムが始まる。
海上自衛隊の掃海艇はつしまの名を冠したはつしまカレー。海上自衛隊より正式に認定された本物の味とのこと。
あまりにも美味しそうで一口目の写真を撮り忘れてしまった。そしてこれが本当に美味しい。甘くはないが辛すぎることもない、コクと深みが食欲を刺激する。煮込まれて柔らかくなった豚肉やジャガイモもカレーの旨味を引き立てる。海上自衛隊として働く方々はこんな美味しいカレーを毎週金曜日に食べられるのかと思うと、少しだけ羨ましくなる。
気がついた時には目の前に空っぽのお皿があった。既に満足度が高いが、これから食後のコーヒーを飲む。食後ゆえに、食べ終わったカレーのお皿が写っているのは申し訳ない。
白いコーヒーカップに注がれた黒いコーヒーに、青い空が反射する。可視光のキャンバスに口づけをして、それを飲む。
深みのある味わいだ。苦味も強いが、とても美味しく飲める。口の中にはコーヒー豆の豊かな味が海のように広がる。
そう、横須賀の海のようだ。ここに来るまでに見てきた海の景色が思い起こされる。
トンネルを抜けた横須賀線の車窓一面に広がる海。ノスタルジックな駅から続くヴェルニー公園。移り変わる横須賀の歴史を見守ってきた海の景色が口の中に広がっていく。
コーヒーも飲み干した私は、早々にお店を出た。外に並んでいる人がたくさんいたからだ。許されるならばもう少し長居したかったくらい素敵な雰囲気のお店だった。
お店の外には横須賀汐入の街。日本とアメリカの文化が入り交じる独特な雰囲気がある。日本のコンビニの前で会話をしているアメリカ人、全て英語で書かれた看板のお店に並ぶ日本人。私はアメリカに行ったことがない。しかし、アメリカの世界観やアメリカン・ロックは好きなので、アメリカンな作品やロック音楽を作りたくなった際にはぜひまた訪れたい。まさか新たなインスピレーションのヒントを得ることができるとは思わなかった。これも今回の成果といえるかもしれない。
『珈琲店から夢は咲く』は隔週または毎週火曜日に更新。次回も神奈川県のカフェを訪れて、1杯のコーヒーから1%のひらめきを得たいと思う。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それでは、またお会いしましょう。
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