相続の不安を和らげる誰でもできる10のステップ その10:死後事務委任契約を結ぶ
皆さん、こんにちは。島根県松江市で相続コンサルタントをしております山根博幸です。
相続に関する不安や疑問を少しでも解消していただくために、今回「相続の不安を和らげる誰でもできる10のステップ」というシリーズをお届けします。全10回にわたり、相続準備の重要性や具体的な対策について、わかりやすくご紹介していきます。
相続の準備は、家族の絆を深め、将来の安心を確保するための大切なステップです。各回では、実際の事例を交えながら、実践的なアドバイスや役立つ情報をお伝えしていきます。
それでは、第1回目から始まるこのシリーズをお楽しみいただき、皆さんの相続準備に少しでもお役立ていただければ幸いです。
相続の準備は、家族の絆を深めるための大切なステップです。その一環として、死後事務委任契約を結ぶことの重要性について考えてみましょう。ここでは、死後事務委任契約を結んだ場合と結ばなかった場合の違いを具体的な事例を交えてご紹介します。
死後事務委任契約を結ばない場合のデメリット
ある日、田中さん(仮名)は母親の急逝に直面しました。母親は相続税の対策をしっかり行っていたものの、実際に相続手続きを行うための実務を担う人がいませんでした。この事実により、田中さん一家は次のような問題に直面しました。
手続きの遅延:母親の死後、相続手続きを進めるための実務を行う人がいないため、相続税の申告期限に間に合わないリスクがありました。
家族間の負担増加:実務を担う人がいないため、家族の誰かがその役割を担う必要がありましたが、全員が忙しく手続きに手が回らない状況でした。
精神的ストレス:期限に追われる中で、家族間の調整や手続きの煩雑さから精神的なストレスが増大しました。
死後事務委任契約を結んだ場合のメリット
一方で、佐藤さん(仮名)のケースでは、両親が生前に死後事務委任契約を結んでいました。この事前準備がどのようなメリットをもたらしたか見てみましょう。
スムーズな手続き:死後事務委任契約により、専門家が母親の死後の手続きをスムーズに進めてくれたため、相続税の申告期限に余裕を持って対応できました。
家族の負担軽減:実務を専門家が担ってくれたため、家族は日常の生活を続けながら相続手続きを進めることができました。
安心と信頼:契約を結んでいた専門家が全ての手続きをサポートしてくれたため、家族は安心して相続手続きを任せることができました。
死後事務委任契約を結ぶ手順
死後事務委任契約を結ぶ際の手順を簡単にご紹介します。
信頼できる専門家を探す:弁護士や司法書士、行政書士などの専門家を探し、相談します。
契約内容の確認:契約内容を詳しく確認し、どのような業務を委任するのかを明確にします。具体的には、葬儀手配、遺産整理、相続税申告などが含まれます。
契約の締結:契約書を作成し、双方の同意のもとで締結します。
定期的な見直し:状況が変わった場合には、契約内容を見直し、必要に応じて更新します。
家族への周知:契約内容を家族に伝え、死後の手続きを誰がどのように行うのかを共有します。
まとめ
相続の準備は、家族の絆を深める重要な機会です。特に、死後事務委任契約を結ぶことで、手続きがスムーズに進み、家族間の負担を軽減することができます。専門家に委任することで、安心して相続手続きを任せることができ、相続に対する不安を軽減することができます。
相続準備に関して不安や疑問がある方は、ぜひ相続コンサルタントや弁護士などの専門家に相談してみてください。プロのアドバイスを受けることで、より安心して家族の未来に備えることができます。家族の絆を大切にしながら、安心して未来に備えましょう。