vol.10 事業再構築補助金の採択と製造加工場への1億円投資。社長のグランプリ受賞で社内のムードも良好に。〜京西陣菓匠 宗禅を強くした、コロナ禍のV字回復を振り返る。
こんにちは。京西陣菓匠 宗禅の店主、山本宗禅です。
今回も『京西陣菓匠 宗禅を強くした、コロナ禍のV字回復を振り返る。』コロナ禍の経営困難を京西陣菓匠 宗禅を含むグループ3社が、いかにして乗り越えてきたかを振り返っていきます。
同じような悩みを抱えていたり、経営困難に立たされた経営者の方のお役に立てたら。お付き合いいただけると幸いです。
前回のまでの流れはこちらです▼
2021年11月30日 事業再構築補助金の採択
幹部合宿を最悪なムードに変えてしまった事業再構築補助金の一件(前回の記事をご参照ください)。この時の私個人の最重要KPIは、補助金を獲得して幹部のみんなに言行一致を示すことでした。
また、グループ3社で経常利益1億円を達成し、長寿堂恵佳の累積赤字を黒字転換させることも必須です。
そして、採択の発表が行われます。
前回の不採択時の空気感が私のトラウマとなった私は、みんなで集まって発表を見ることができず、1人でこっそりと自宅に帰って採択情報が掲載されたホームページを開きました。
そして、大阪府の採択企業の中に『長寿堂恵佳』の名前がありました。
私は自宅で1人「やったぞーー!!」とガッツポーズで大声を上げて熱苦しく男泣きし、これで苦しかったパンデミックの経営危機を乗り越えることができると脱力しました。
「あぁ、本当によかった」
製造加工場に1億円を投資
採択後、私はコロナ禍が収束した未来に向け、一気に投資を開始します。
それは、コロナ禍以前のように、またはそれ以上に景気は回復すると予測していたからです。
景気が回復すると必ず人手不足になります。
コロナ禍の経営困難により、多くの他社メーカーは職人を解雇していました。また、工場を止めていたメーカーも多く見られ、一気に売上が戻るとそれらの企業では製造が間に合わなくなるでしょう。
弊社は苦しいコロナ禍でも、誰一人解雇はせず働き手を守ってきました。さらに、人手を必要とする箱詰め袋詰めなどの製造加工場に1億円を投資し、加工の自動化、機械化に踏み切ったのです。
正直なところ、この時はまだ「人手不足になる」は、確信には至っていませんでした。ですが、この大きな投資が、後のV時回復の大きな要因となったのです。
この3つの目(視点)を同時に使い、しっかりと分析し判断しながら経営を行うことが重要だと先輩経営者から教わり、実行しています。
2021年12月末 過去最高益を達成
京西陣菓匠 宗禅が12月単体で過去最高売上、過去最高益を達成しました。
そして、なんと! 長寿堂恵佳も単月ではありますが営業利益が黒字に。
とはいえ、長寿堂恵佳の売上はパンデミック前の60%程度しか回復していない状況。長寿堂恵佳の完全復活にはまだ数年がかかりそうです。
だからこそ、京西陣菓匠 宗禅の商品の販売を拡大、売上を伸ばし、長寿堂恵佳は宗禅の下請けというポジションにするという経営施策が的中しました。
また、補助金の入金がずれており、実際の試算表からの数字ではないのですが、12月時点で今期の戦略的フォーカス(KGI)で掲げたグループ3社で経常利益1億円を達成していたのでした。
このことは、2年間にわたって苦しみながら、それでも休むことなく前を向いて走り続けてきた私たちにとって、とても大きな希望とやりがいに繋がりました。
2022年2月7月 社長のアカデミー賞受賞
私はこの日、『ワクワク系マーケティング実践会』の年に一度のイベントであるアカデミー賞の大舞台に立ちます。
2020年8月に宣言した『ワクワク系実践会(1500社を超える起業家の会)』でグランプリを取る!という大きな挑戦でした。
まだまだ資金的にも苦しかったこともあり、いつものように私一人で東京に乗り込みます。社内では幹部みんなが集まり、結果発表を待っています。
そして、私は念願であった2022年度社長のアカデミー賞グランプリを獲得することができました。
このことによって有言実行の姿をみんなに見せることができました。そして、「社長が言ったことは必ず実現する。今ある危機も必ず乗り越えられる」と社内の雰囲気がまたひとつポジティブな方向へ変化しました。
グランプリ受賞は働き手に勇気を与え、そして気持ちを一つに強くする機会を与えてくれました。
アカデミー賞グランプリを受賞し、明るい気持ちでこのまま一気にコロナ禍の危機から脱却できると感じていた私たちに、まだまだ恐ろしい試練が待っていました。しかし、この時点の私たちは知る由もありませんでした。
次回は、働き手の大きな成長と、復活の兆しが見えた矢先のマイナス収益について記します。
本日はここまで。
今回もお読みいただき、有難うございました。
次回もお付き合いいただけますと幸いです。
ではまた。
山本宗禅