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2025年 をどう生きる
2024年は再出航の一年
長い間、岸に固く固く結びつけていたロープ
外したというよりも、とうとう伸び切ったロープが切れた一年でした。
正確には、2023年の春に開業届を出しておりましたが、「草薬庵」という名を使って医薬品を取り扱えるようになったのは2023年も暮れのことです。
「出航」をテーマにした年は以前もありました。
でも出航するや否や岸に押し戻され、やろうとしていたことは海にブクブクと沈んでしまったような、
誰かの船に乗り込むことはあっても、自分で船を作って出すことはもうないだろうとさえ思っていました。
2016年に夢見た船出
私の起業ノートは、一番初期のものが2016年。
ずっと気付きや想い、さまざまな方のアドバイス等を書き綴って来ました。
その時に描いた1年ごとの計画、20年後までの人生設計は、もちろんその時に描いた通りではありません。
2016年当初に比べると、大切なものの見え方は大きく変わり、「できること」の幅が大きく変わったことがその要因であったと強く思います。
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再出航の道標
再出航まで、背中を押してくれる出来事は多々ありました。
ただ、長いこと「仕事としてやりたいこと」をひたすらノートに書き続けることができた原動力は、やはり患者様との出逢いだと思います。
調剤時代、患者様からお手紙やメッセージを何度かいただいたことがあります。
本社へお手紙を送られた患者様もいらっしゃいましたが、それは今もちゃんと私の手元で保管しています。
転々として来ましたので、もうなかなか会うことは叶わない患者様方。
でも、その患者様方の想いや考えを共有させていただいた私は、独りではありません。
再出航の前に、また全ての手紙に目を通し、このご縁に心から感謝しました。
2025年 軽くなる・・・
船を目的地まで進めるためには、荷物が多すぎては進めません。
何かが終わることで、何かが始まるように
本当に大切なものを守りたいと思う時には、不要なモノやコトを「手放す」ことが、何より重要だと2024年常々感じました。
無意識でも入ってくる情報は、自分でも思っている以上に心身に影響を及ぼします。それを、2025年はどれほど断つことができるでしょうか。
日常に手間をかけて軽くなる
どんなに全力で1日を過ごしても、今は雪かきしないと家から出れないし、母業としての私は一人だし、草薬庵の仕事も一人で納得がいくまでやるには、24時間でできることは限られます。
より良いパフォーマンスを求めて突き詰めていくと、重要なことは「私」であることの時間だと気がつきました。
「私」であることは、特別な何かをしたり、どこか旅へ出ることなどではなく
底冷えする朝に、丁寧に灰の掃除をしてから、春に用意した薪を使って細い枝から順番に積み上げて薪ストーブに火をつけることだったり
土鍋の中の水の音を聞きながら、その日の気温や湿度によって火を加減し時間を調整して、最後は香りと耳でご飯を炊き上げたり
女性として生まれた喜び、布ナプキンについた経血を、優しく優しく洗う時間をゆっくり持ったり
注文してから時間がかかり、一律な形や色ではない、触れる肌が喜ぶような着心地の、自然の中にいても主張しない、作り手の想いを感じる服を身につけたり
子供の「嫌だ」「楽しい」に、自分のこれまでの概念から離れて、真剣にいちから向き合ったり
大切なものや事に、より時間をかける
便利かどうかよりもそこに何を見出ししているのか
それは、一般的な言語を用いればもしかしたら説明できるのかもしれません。
でも、敢えて、言語化したり科学的な視点で見てはいけない何かが
キラキラと「私」を取り戻して軽くなる何かが、確実にそこにあるのです。
(店主・工藤の場合です)
軽くなったその先に
本質的な養生
本当に自分をケアするということ
より突き詰めていきたいと思います。
既存のメニューも、やり方も、出逢うお客様や不調、お考えに合わせて常に最善の方法を考え続けて参ります。
気軽にお問い合わせください
なんだか、気合が入って少々文章が固くなりました・・・
2025年も、引き続き草薬庵ペースでやって参ります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
店主・工藤は、「天然」とか「どこかのネジがない」と言われることがあります。
ですが、蓋を開けてみれば
単純に、天然西和賀産・いつも主人(木工職人)のネジを庭によく落とす、工藤です。
電話口ではつい緊張してしまうのですが(私が)、ぜひともお気軽にご連絡くださいませ。
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