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(感想)五等分の花嫁

結婚式から始まるSFコメディ映画。少しホラー要素があるので苦手な人は苦手かもしれませんが、ヒロインがとても可愛いです。邦画はあまり見ないのですが、設定に引かれてみてみました。

結婚は(多様性の世の中とはいえ)やはり多くの人が経験する人生のビッグイベントであって、これをテーマにした映画も星の数ほどあります。そんな中でも結婚式を舞台にした面白い映画は沢山あって、個人的にお気に入りなのがハングオーバー。脚本を考えた人は天才だと思っています。近いうち地にレビューを書きたいところ…。

最近観た映画だと、ネイキッドも面白かったです。結婚式を延々と繰り返す若者の物語です。SF的な素材とコメディが合体した一本という意味では、今作にテイストが近いかもしれません。

今作もそんな結婚式から始まる映画ですが、冒頭、主人公の元カノ(女性のマッドサイエンティストってのも珍しい気がしますが、最近のダイバーシティを反映しているのでしょうか)の策略に掛かったヒロインが、新種の薬品で結婚式の最中に5人に分裂したところから始まります。ただ5人に分かれるならまだいいのですが(?)、五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)がそれぞればらばらにされてしまうのですね。視覚がある子は耳が聞こえないし、味も分からないし、触った感覚もないし、匂いも嗅げない訳です。そんな5人と主人公が共同生活を送りながら、頑張って元に戻る方法を探すというのが大まかなあらすじになります。

あらすじを読むとわかる通り、まあいわゆるB級映画です。分裂のシーンのCGも安っぽいし、何だか全体的にセットがちゃちいのが気になります。ただ、冒頭(と最後の)結婚式のシーンは結構凝っているように思いました。ここに予算をつぎ込んでしまったのかもしれない。

一番もったいないと思ったのは、「五感がばらばらにされる」という設定自体は良いのに、それを生かし切れていないことです。真面目にやれば色々できそうなものですが、そもそも味覚と嗅覚のない子のキャラ分けというか設定も被っていて(もともと料理が得意でおいしいものが好きなだけに、5人のうちこの2人のQOLが一番下がって終始暗い)、どちらがどちらかよくわからない。ヒロインの可愛さで持っているような気がします。

とはいいつつ、一時期、薬の副作用から闇落ちして5人で寄ってたかって主人公の男の子を文字通り5等分にしようと画策するのですが、この辺りの描写はなかなかホラーでありつつ、ヤンデレ感をうまい具合に出していて個人的にはツボでした。

それから、オチも良かったように思います。無事に元に戻る薬を手に入れて結婚式を挙げるのですが、ここは中盤の陰鬱な感じからうって変わって明るいコミカルな感じ。ここからエンドロール後の隠しシーン(実はヒロインは6等分されていて、元に戻れなかった1人が澱んだ目で結婚式を見つめていた)につながるのがB級感があって良かったです。続編が出るのかはわかりませんが、期待したいところですね。

ややストーリーがあっちにいったりこっちにいったりもしますが、土曜のお昼に気楽に観るくらいがちょうどいいような一本でした。




*このレビューはフィクションです。


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