(感想)大怪獣のあとしまつ - LIBOR移行は果たして
映画館に行くと、予告映像がやたら流れてたので、気になっていた一本です。
題材も面白そうだし、期待していたのですが、公開当日のTwitterにトレンドに入るほど酷評されていて逆にびっくりしたくらいです。
さて、結論から言うと、そんなに酷評されるほどではないのかと思います。
何となくの想像ですが、シンゴジラ(とまではいかないけど)的な怪獣映画を期待していった人たちが予想の斜め上を突かれて呆然として、だんだんと怒りがこみあげてきてしまい、それがネットに溢れた、という感じなのではないのでしょうか。
そうした声に同情できるところはあって、そもそもこの映画の本質は、怪獣映画というより、その皮を被った不条理ギャグコメディにあるように思うのです。予告をみると(自分もそうですが)結構ガチ目の怪獣映画を想像するので、裏切られた感はままあるかもしれません。
難しいのは、本質は不条理ギャグコメディなのに、なまじ本格的に怪獣映画もやろうとしてるので、観客は結構混乱してしまうということです。シリアスな場面で突然意味わからん下ネタとかギャグとかぶち込まれても、正直置いて行かれたという感情しか湧いてこないのですが…
ただ、山田涼介、土屋太鳳はじめ、俳優陣の演技がしっかりしているのに加えて、セットや画面の作りは非常に作りこまれているので、見ごたえは大変ありました。小さいときにゴジラとかガメラをみたような、そういうわくわく感もありますし、ドラマパートもそういう雰囲気です。オダギリジョーのああいう感じとか、怪しいバーの感じとか、大好きでした。
別に不条理ギャグが嫌いな訳ではなく、むしろ好きな方ではあるのですが、なんというか食い合わせが取っても悪かったのが今回この映画に対してアンビバレントな感情を持ってしまう一つの大きな原因のような気がしています。せっかくなら、どっちかに振り切ってほしかった。。。
ずいぶん歯切れの悪い感想になってしまいました。
ただ、映画館で見た方が面白いことは間違いないので、興味のある方は今のうちにぜひ観に行かれることをおすすめします。
酷評されてるから、という理由だけで敬遠するのはもったいない一本であるのは間違いないです。
ちなみに今回の映画の最初の方、デウス・エクス・マキナという言葉が出てきます。某中銀(日銀)でも去年の講演にこの言葉が出てきましたが、最近流行ってるんでしょうか。「LIBOR移行対応の最後の舞台で、このようなデウス・エクス・マキナが現れることはありません」ということですが…。
https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2021/ko210608a.htm/
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