鉄血のオルフェンズ 一期
1
例え罠でも、罠ごと噛み砕くまでさ
ねえ次はどうすれば良い?オルガ
どこにも逃げ場なんてねえぞ、はなっからな。なあミカ
で、次はどうすれば良い?オルガ
死なねえ死んでたまるかこのままじゃ、こんなところじゃ、終われねえ、だろ?ミカぁ!
ねえ次はどうすれば良い?オルガ
決まってんだろ。行くんだよ
どこに
ここじゃないどっか。俺たちの本当の居場所に。
うん。行こう。俺たち。みんなで
2
なんで?そんなに簡単に。自分の命が大切ではないのですか!?
大切に決まってるでしょ。俺の命も、皆んなの命も。
彼は勝てるのですか?
さあ。僕たちはただ負けない為に抗うことしか出来ない。
いくぞ バルバトス
バカだなわたし。平気じゃないのわかってたのに
でも私のせいで大勢の方が
マジでやめて。たかがあんた一人のせいでアイツらが死んだなんて。俺の仲間を馬鹿にしないで
俺が本気ならミカはそれに応えてくれる。確実にな
あは。色男になってんねえ
まあな。死んじまった仲間に最後の別れをしなくていいのか?
ああ良いよ。昔さ、オルガが言ってた。死んだやつには死んだ後にいつでも会えるんだから今生きてる奴が死なないように精一杯できることをやれって
そんなことも、あったかな。なあミカ。やってもらいてえ事がある。お前にしかできねえ仕ご..話聞く前に受け取るか?
これから聞く。でもどっちにしろオルガが決めた事ならやるよ。おれ
そうやってお前は..
え?
いや、さんきゅーな
3
ああもう良いよ俺はオルガに言われたんだ。あんたをやっちまえってさ
6
オルガは少し焦りすぎてるんじゃないか?なんだかわざと危険な道ばかり進もうとしてる気がするんだ。
フッかもな。
どうしてさ!?なんでそんなに前に進むことに拘るんだ?
みられてるからだ。振り返るとそこにいつもアイツの目があるんだ。
アイツ?
すげーよミカは。強くてクールで度胸もある。初めてのモビルスーツも乗りこなすし今度は読み書きまで。そのミカの目が俺に聞いてくるんだ。オルガ、次はどうする?次は何をやれば良い?次はどんなワクワクすることを見せてくれるんだ?ってな。あの目は裏切れねえ。あの目に映る俺はいつだって最高にイキがってカッコいいオルガイツカじゃなきゃいけないんだ。
変わらねえなお前は?
オルガは?
俺は俺だ!
ふっ、だね。
叶えようぜお前の夢。今度の仕事成功させて。鉄華団をでっかくしてよ
うん
8
俺らは鉄華団は離れちゃいけない
だから、なんでだよ!
それは..。繋がっちまってんです俺らは。死んじまった仲間が流した血とこれから俺らが流す血が混ざって鉄みたいに固まってる。だから、だから離れらんねえ。離れちゃいけないんです。危なかろうが、苦しかろうが俺らは。
仲間でもなんでもねえ奴に訳のわからねえ命令で仲間が無駄死にさせられるのは御免だ。アイツらの死に場所は鉄華団の団長として俺がつくる。それは俺の死に場所も同じです。アイツらの為なら俺はいつだって死ぬ
大丈夫。何があっても僕たちはオルガを信じてついていくから。
おう
オルガに見捨てられないように頑張らなくちゃいけないからね。
ふっ。ばーか。見捨てるとか見捨てないとかじゃねえよ家族ってのは。いや、頼むぜミカ
うん
9
やっとだやっと家族が作ってやれる。お前らにもやっと胸を張って帰れる場所を
13
俺が楽しんでいる?まあ、いいか。コイツは死んでいいやつだから。
コイツら、くっ、こんなところで。こんなの自分が死んだ方がまかよっぽどマシだ
だめだシノ。そういうのはコイツらに失礼だ。
泣けよ。葬式ってのはな生きてるやつらにな思いっきり泣くことを許してくれる場でもあるんだ。だからよ今日ぐらいは
嫌です。カッコよかった仲間を見送るって時に自分らがダセえのは嫌です。
15
大人にはなり切れないものだな。これ程に、胸が躍るとは
いつもは何考えてんのか分かんないけど今は何か考えてんのが分かるから
ビスケットさんはお兄さんに会えたんでしょうか
分かんないけど、会えてたらいいね。アキヒロの時みたいなのは嬉しくないからさ
そういえばミカヅキと団長さんも時々本当の兄弟の様にみえますよね
そう?オルガはもっと..。なんて言えばいいかよく分かんないや
16
嫌いだった。何も知らない、真っ直ぐなだけの貴方の眼差し。現実が見えたらすぐ曇ってしまうものと、でも貴方は輝きを失わずここまで、あの本の、少女のように
もう、フミタンじゃない。
なにか、この少女がまるで、まるで、希望のように私には見えて
18
ギャラルホルンの奴らを声だけで止めた。あんなのオルガにだって出来ない
19
あの、握手をしましょ
俺の手また汚れてるよ
私の手ももう汚れています。みんなの血とみんなの思いと、この手に私は誇りを持っています。
他者の心を掌握し、その先の行動を操るのは容易だ。過去を紐解くただそれだけで対象者が掴む選択肢の予想は簡単につく。嫉妬、憎悪、汚辱に恥辱。消えない過去に縛られて輝かしいはずの未来は全て愚かしい過去の生産のみに消費される。それは私とておなじこと。鉄華団、君たちの踏み出す足は前に進んでると思うか?もし本気でそう信じているのなら、見せてくれ私に。
20
そして実際オルガはみんなを連れてここまできた。けど、それはただ運が良かっただけかもしれない。いつまでもそんなにうまく行くかどうか。もっと穏やかな道を選んでいくことだってできるはずなのに
そうかもしれねえ
でしょ!?
けどそうじゃねぇかもしれねえ。先のことなんか誰にもわからねえよ。オルガだってビクビクしながら前に進んでんだ。勘違いするんじゃねえぞ鉄華団はただのラッキーだけでここまでやってこれたんじゃねえ。オルガがいて皆んながいてそして、オメェがいたからだ。ちゃんとオルガと話してみろよいつもそうやってきたじゃねえか、な。
21
ガキの頃からだよな。おまえは俺の無茶に文句も言わねえで付き合ってくれて
文句はいってたよ。オルガが聞いてなかっただけだ笑
つまりは俺は成長してねえってことか。それが原因でおまえが降りるなんて言い出したんじゃ笑い話にもなんねぇな
島を出たら話をしよう。俺たちのこれからのこと
ああ、約束だ。
結局ビスケットに言えなかったよ鉄華団に残ってくれって
これからは少し先のことまで考えていかないといけないんです。俺たちは
俺たちか、そいつを聞けりゃ安心だ。オルガにはおめえみてえなのが必要だからな
22
まってるよみんな
ビスケットがよ、言ったんだ。鉄華団を降りるって。俺は自分から危険な道ばかり進もうとするんだってよ。だとしたらあいつは俺に殺されたってことだよな
オルガ、次は俺どうすればいい?
勘弁してくれよミカ。おれは
ダメだよオルガ。俺はまだ止まれない
待ってろよ
教えてくれオルガ
待ってて言ってるだろが
ここが俺たちの場所なの?そこに着くまで俺は止まらない、止まれない決めたんだあの日に、決まったんだ。ねぇ?何人殺せばいい?あと何人殺せばそこへつける?教えてくれオルガ、オルガイツカ。連れていってくれるんだろ?俺は次どうすればいいんだ⁉︎
離しやがれ!ああわかったよ連れてってやるよ!どうせ後戻りは出来ねぇんだ連れてきゃいいんだろ⁉︎途中にどんな地獄が待っていようとお前を、お前らを、俺が連れてってやるよ!
ああ、そうだよ。連れてってくれ。次は誰を殺せばいい?何を壊せばいい?オルガが目指す場所へ行けるんならなんだってやってやるよ
24
俺はもうオルガに賭けてるよ。最初のあの日から、俺だけじゃ無いよ、みんなだってそうだよ。みんなオルガに賭けてる。だからオルガも賭けてみなよ、俺たちに。鉄華団のみんなに。
間違ってるのにどうしてなの。もう何も、言えない
フフっそうだよな。お前が俺たちを、こんなところで終われせてくれるはすがねぇ、なあ、ミカ!
いくぞ、バルバトス
予告
最初にあなたと出会ったとき私は怖かった。自分の傲慢を、無知を、迷いを、あなたには全て見抜かれている気がした。三日月もうあなたの瞳を恐れはしない。私の心は一つです。辿り着きましょう、一緒に
25
ミカ待たせた。俺たちは議事堂へ向かう、そっちは任せたぞ
ああ、まかされ、 たっ
団長としての俺の仕事だ、見届ける責任があるんだよ、全部をな
罪?救う?それを決めるのはお前じゃないんだよ。おいバルバトスいいからよこせお前の全部
お前らきこえるか!マカナイとクーデリアは議事堂へ送り届けた。俺たちの仕事は成功したんだ。だから、こっから先は死ぬな、もう死ぬんじゃねえぞ。こっから先に死んだ奴らは、団長命令違反で俺がもっぺん殺す。だからいいかなんとしてでも、這ってでも、それこそ死んでも生きやがれ
あいつはよ指揮官としてこの命令をだしたかったんだ。ずっとな。死ぬな生きろなんて言葉にしちまえばあっさりしたもんだ。けどよ、あいつには言えなかった
うるさいな、オルガの声が聞こえないだろ
ねえオルガ、ここがそうなの?俺たちの本当の居場所
ああ、ここもその一つだ
そっか。綺麗だね
兄貴、色々迷惑をおかけしました。
何言ってる、お前らはきっちり仕事をしたんだ。胸を張れよ
けど、家族を沢山なくしちまった
お前、いつか俺に言った言葉は嘘だったのか?訳のわからねえ命令で仲間が無駄死にさせられるのは御免だ。アイツらの死に場所は鉄華団の団長として
俺がつくる。
あいつらはお前の作った場所で散っていった。張れよ、胸を。今生きてる奴のために、死んじまった奴らの為にも、てめえが口にしたことはてめえが信じ抜かなくきゃならねえ、それが指揮官としての、団長としての覚悟ってもんだろ
はい
なあミカ、次は何をすれば良い?