作曲備忘録⑫(アズールレーンの「決意」の耳コピ・アレンジ)
どうも、サウスンです。
今回はアズールレーンのボス戦曲「決意」を耳コピ・アレンジしてみました。曲に使ったコード進行や打ち込み内容などまとめていきます。
今回作った曲
今回作った曲はこちらです。
SoundCloud(音声のみ)
YouTube(MIDI動画付き)
2022年9月14日でアズールレーンが 5周年を迎えるということで、記念に耳コピしてみました。(一応、私自身も5年近くアズールレーンをプレイする指揮官です。)DTMer 的な視点からも、BGM のすばらしさはアズールレーンの魅力の一つだと思います。
耳コピした曲はボス戦の曲「決意」です。この曲はバトル曲でありながら、どこか切なげな雰囲気のメロディが特徴で、アズールレーンのバトル曲の中でも私的に好きな曲です。
アレンジは基本的に原曲ベースですが、エレキギターのストラムは使わず、チェロやブラスなどで低音を補強して迫力を出してみました。
コード進行
今回の曲のコード進行を紹介します。
ダイアトニックコード
メロディやベースの耳コピ、及び Cubase のコード検出機能の結果から、この曲のスケールは Dメジャースケールのようでした。今回の曲はバトル曲ということもあり、雰囲気もシリアスな感じなので、平行調の Bマイナースケールとして進めました。マイナースケールのコード進行はまだよくわからないですが、今回作ったコード進行から色々学べるかなと思います。
Bマイナースケールのダイアトニックコード(3和音)は以下です。
マイナースケールの場合は ♭Ⅲなど、ディグリーネームも少し複雑です。これは、メジャースケールの構成音を基準にしているからです。以下の図の Cマイナースケールの♭のつき方を見れば、マイナースケールのディグリーネームについて何となくわかると思います。
イントロ1
ディグリーネームだと以下です。
基本はダイアトニックコードのみですが、最後の G♭だけノンダイアトニックコードになっています。Cubase のコード検出機能を利用して作ったので、理論的な解釈はよくわからないですが、同主調の Bメジャースケールの Ⅴ である F#(G♭)からの借用として捉えられるのかも?しれないです。
とにかく、この G(♭Ⅵ)→ G♭(Ⅴ)の進行がこの曲の肝になっていると思います。各セクションの終わりに大体この進行が入っています。G → ♭G で半音下がることでいい感じの切なさが出ていると思います。
イントロ2
ディグリーネームだと以下です。
イントロ1 とほぼ同じです。後半の Em → F#m 部分が Em のみになっただけです。ここでも G → G♭ の進行があります。
Aメロ
ディグリーネームだと以下です。
ダイアトニックコードのみの進行です。4小節の進行を 2回繰り返しています。メジャーコードが多めですが、Ⅰm から始まることで、マイナー感が出ていると思います。
Bメロ
ディグリーネームだと以下です。
基本はダイアトニックコードで、最後に G → G♭ の進行が出てきます。Aメロと違い、メジャーコードから始まるので、曲の展開感がある気がします。
Cメロ
ディグリーネームだと以下です。
Cメロ前半 4小節はBメロと似た構成ですが、2拍単位でコードチェンジするので、疾走感が出ていると思います。
Cメロの後半は以下のようにしました。
ディグリーネームだと以下です。
後半は 1小節単位でのコードチェンジに戻ります。
ここでも最後に G → G♭ の進行があります。
各パート
各パートの打ち込み内容など紹介します。
コード伴奏系
〇音源
ピアノ:AliciasKeys (Native Instruments)
アコギ:RealGuitar4 (Music Lab)
ストリングス:Session Strings Pro 2 (Native Instruments)
ブラス:Symphony Essentials Brass Emsemble (Native Instruments)
ピアノの伴奏は以下のようになっています。コード構成音内で刻んだり、アルペジオのように鳴らしていたりしています。他のトラックがたくさん鳴っているので、ピアノの伴奏はあまり聞こえてないかもしれないですが、あるのと無いのでは全体の音の密度が違ってきます。
Bメロでは少し展開感が欲しかったので、ギターのアルペジオを入れてみました。音源はいつも使っている Real Guitar です。
メロディ系
〇音源
ピアノ:Noire (Native Instruments)
バイオリン ソロ:Stradivari Violin (Native Instruments)
ストリングス:Session Strings Pro 2 (Native Instruments)
ブラス:Symphony Essentials Brass Emsemble (Native Instruments)
メロディのバイオリンソロは Stradivari Violin を使用しています。
ストラディバリウスをサンプリングしているので、素の状態でもかなりいい音がします。今回はエンハンサーのエフェクターを使用して高音領域の倍音を足して、音を太くしてみました。
バイオリンの打ち込みは上記のようになっています。レガート奏法をしたい場合は、ノートを重ねることで表現できます。また、この音源はベロシティの値によって、レガートの速度を変更できます。ベロシティが高めになっているときはゆっくりめに音程変化(ポルタメント奏法)します。
その他のストリングスは Session Strings を使用しています。
バイオリンとビオラでメロディやコードを演奏し、チェロはベースと同じフレーズを鳴らしています。
ブラス系は Symphony Essentials Brass Emsemble を使用しています。
この音源は他の曲でもたまに使用している 「Symphony Essentials」シリーズのブラスバージョンです。このシリーズは何となく遠くで鳴っている感じがするので、オーケストラ的な奥行きを表現しやすいと思います。このブラス音源を使用すると、アズールレーンでよく聞こえるブラスの音っぽいものが鳴るので今回使用してみました。メロディやコードの音をトランペットとトロンボーンでオクターブで重ねて鳴らしています。あまり大きな音ではありませんが、これがあることで迫力が出て壮大な感じが出てきます。
ベース
〇音源
MODO BASS 2 (IK Multimedia)
ベースは耳コピ状態から変えていません。基本的にはコードのルート音でメロディやコードのリズムに合うように鳴らしています。
振り返ってみると、ベース音が基本的にコードのルート音なので、ベースさえ耳コピできれば、この曲はコードをつけれると思いました。
ちなみに、ベースのフレーズはチェロでも鳴らしています。チェロも加えることで、ベースだけではできない迫力が出ている感じがします。
ドラム・パーカッション
〇音源
Studio Drummer (Native Instruments)
Damage (Native Instruments)
いつもドラムは Addictive Drums を使用していますが、気分転換に KOMPLETE に入っていた Studio Drummer を使ってみました。
使ってみた感じ、音はとてもいい感じがします、音作りはバスコンプをかけるくらいでした。ただ、Addictive Drums と比べるとベロシティによる音の変化が激しいので、慣れが必要かなと思いました。演奏パターンを内蔵しているので、Addictive Drums のパターンで飽きてきたらこちらを使うのもいいかもしれないです。
今回は迫力のあるパーカッションが欲しかったので、KOMPLETE に入っていた Damage を使ってみました。
この音源は、金属的でシネマティックなパーカッションの演奏パターンが入っているので、合いそうなものを使ってみました。これをドラムに重ねるだけで単純なドラムパターンがシネマティックで複雑な感じが出てきます。
その他の Fx的なサウンドは、Splice から落としたリバースシンバルとインパクト系の音を使用しています。
セクションの変わり目でリバースシンバルとインパクト系の音を使用して、「シュゥゥゥゥウウウパアアアァァァンン!」みたいな音を表現しています。
その他
最近よく使うエフェクター
最近は Waves の Vitamin をよく使用しています。このエフェクターは元の音に倍音を付加して音を太くするエンハンサーです。楽器に合わせたプリセットを読み込むことで、音が簡単にリッチになるので、今回の曲のトラックには大体挿しています。
アズールレーン関連の耳コピ・アレンジ
これまで私が耳コピ・アレンジしたアズールレーン関連の曲のまとめです。SoundCloud の再生リストと YouTube の再生リストのリンクです。
さいごに
いつもはメジャースケールでコード進行を考察していましたが、今回はシリアスな感じの曲なので、マイナースケールで考えてみました。ディグリーネームでも表記したので、バトル曲を作るときに流用できるかもしれないです。ドラムは いつもの Addictive Drums でないものを使用しましたが、かなりいい感じでした。KOMPLETE には他にも色々ドラム音源が入っているので、今後使っていこうと思います。パーカッション音源の Damage は、ドラムと重ねると複雑で迫力のあるリズムパートを作れるのでこちらもかなりいい感じだったので、今後使っていこうと思います。