作曲備忘録㉕(ドンキーコング64のゾゾゾ~キャッスルの耳コピ・アレンジ)
どうも、サウスンです。
今回はドンキーコング64のゾゾゾ~キャッスルを耳コピ・アレンジしてみました。曲に使ったコード進行や打ち込み内容などまとめていきます。
今回作った曲
今回作った曲はこちらです。
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ハロウィンが近いので、ハロウィンっぽい曲を耳コピしてみました。
原曲はドンキーコング64 の第7ステージ「ゾゾゾ~キャッスル」のBGM です。
最初の1分くらいはホラー感の強いですが、ハープシコードが出てくるあたりでハロウィンっぽいお茶目な?感じが出てきます。クワイアやストリングスのパートを追加してにぎやかめにアレンジしました。
コード進行
今回の曲のコード進行を紹介します。
この曲を耳コピした感じだと、最初が Eマイナースケール、途中から Cマイナースケールになっていますので、ディグリーネームはそのセクションのスケール基準で記載しています。
イントロ&Aメロ(Eマイナースケール)
ディグリーネームだと以下です。
「Ⅰm→ノンダイアトニックコード」のパターンです。以前に耳コピしたバンジョーとカズーイの大冒険の「マッドナイトまんしょん」でも似たような進行がありましたので、ハロウィン系の曲ではよくある進行のようです。
このセクションのピアノは、以下のようにコード構成音でアルペジオをしています。Em の時は 1度→5度→3度→1度 の順で鳴らしていますが、Cm や B♭の時の偶数小節では 1度からオクターブ上の1度まで順番に鳴らしています。
Aメロの最後ではコード進行は以下のように、ルート音を -2半音した進行になっています。
このセクションに続く Bメロは Cマイナースケールですが、なんとなくコードの構成が Cマイナースケールダイアトニックコードっぽいので転調前の準備のための転調?のように感じられます。
Bメロ(Cマイナースケール)
ディグリーネームだと以下です。
この「Ⅰm→Ⅰdim→Ⅰm」の進行もハロウィン系でよくある進行です。他にも画像の 33小節目の「Fm7→Fdim→Fm」も同系統の進行と考えられます。
画像の 37小節目の「D♭→G7」は同主調 Cメジャースケールの裏コード(♭Ⅱ)→ドミナントコード(Ⅴ7)と解釈できると思います。これと合わせて最後のⅠmで終止しています。
Cメロ(Cマイナースケール)
ディグリーネームだと以下です。
この曲で一番にぎやかな部分です。耳コピした感じからコードをつけたので、理論的にはよくわからないですが、B♭m7 や A などのノンダイアトニックコードがあることでハロウィンっぽい不安定な響きになっていると感じました。画像の 54小節目は、メロディが 4分音符でキメのようなフレーズになっているので、その音程に合うように 1拍ごとに合いそうなコードを適当につけてみました。最後の Gaug(Ⅴaug) は次のセクション頭の Cm(Ⅰm)に続けるためにつけてみました。
Dメロ(Cマイナースケール)
ディグリーネームだと以下です。
原曲のグロッケンの耳コピからコードを付けましたが、理論的はよくわからないです。打ち込み上では以下のようになっています。
「Cm→Gaug→G♭」で構成音が半音づつ下がるようなボイシングになっています。最後の D#dim は次のセクション頭の Em へ半音下から接続しています。とにかくdimコードを使ってコード構成音を半音で動くような進行にするといい感じに鳴るっぽいです。
各パート
各パートの打ち込み内容など紹介します。
コード伴奏系
〇音源
ピアノ:AliciasKeys (Native Instruments)
ストリングス(Vn, Vla):Spitfire Chamber Strings (Spitfire Audio)
ストリングス(Vc, Cb):Session Strings Pro 2 (Native Instruments)
チャーチオルガン:Kontakt Factory Library (Native Instruments)
グロッケン:Kontakt Factory Library (Native Instruments)
クワイア:Requiem Light (SOUNDIRON)
ピアノはいつも使用している AliciasKeys です。大体は白玉でコードを鳴らしているだけですが、Bメロでは以下のように拍頭で構成音を刻んでいます。
画像の3拍目では構成音の一部を半音上に動かして、三連符の最後でコード構成音の刻みに戻しています。このようなフレーズをセクションの最後でフィルのようにいれると単調さがなくなります。
チャーチオルガンは、Kontakt Factory Library の中に入っていた「Organ KH GrPrplenum」というパッチを使いました。白玉でコードを鳴らしているだけですが、かなりそれっぽい音が鳴ります。
クワイア(コーラス)は Requiem Light を使っています。男性の声と女性の声のパッチを別々のトラックに読み込んで打ち込んでいます。
メロディ系
〇音源
ピアノ:Noire (Native Instruments)
バイオリン:Stradivari Violin (Native Instruments)
オーボエ:Kontakt Factory Library (Native Instruments)
ハープシコード:Kontakt Factory Library (Native Instruments)
Cメロ部分のメロディのバイオリンは Stradivari Violin を使っています。Komplete Ultimate に含まれる音源で、ストラディバリウスをサンプリングしているのでかなりリアルな音がします。バイオリンのソロの場合、私は大体この音源を使っています。
その他、オーボエやハープシコードは、チャーチオルガンでも使用していた Kontakt Factory Library の中のパッチを使っています。総合音源ですが、音がとても良いので、木管系、鍵盤打楽器系の打ち込みではよく使います。
パーカッション
〇音源
Symphony Essentials Percussion (Native Instruments)
Bメロ部分などのパーカッションは、Symphony Essentials Percussion を使っています。曲調がオーケストラ系なので今回はこちらを使いました。
【まとめ】曲をハロウィンっぽくする方法
この曲を耳コピ・分析した結果から、ハロウィンっぽい曲を作るには次の要素があるかと思いました。
コード進行
「Ⅰm→♭Ⅵm→Ⅰm→♭Ⅴ」など
Ⅰm を基準にノンダイアトニックコードに進行する。「Ⅰm→Ⅰdim→Ⅰm」など
同じルートの dim へ進行する。
楽器構成
チャーチオルガン
上記コード進行を白玉で打ち込むだけでそれっぽくなる。クワイア(コーラス)
男女で別々のコード構成音を鳴らしたり。グロッケンシュピール
コードのアルペジオをしたり、構成音を鳴らすタイミングを微妙にずらして「ちゃららん♪」みたいにしたり。チューブラベル
コードでもメロディでも
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以前のこちらの記事でもハロウィン曲の考察をしています。
さいごに
今回の耳コピを通してハロウィン系の曲の特徴を何となくつかめたかなと思います。以前の耳コピでも似たようなコード進行、楽器構成だったので、ハロウィン系の曲の共通の特徴が分かってきたと思います。