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日本と異なる安全事情の国から来る外国人ドライバー増加への懸念

【note限定記事】

一時帰国からマレーシアに戻った翌日、レンタカーが届いた初日に追突されました。所用があってジョホールの自宅から片道25キロぐらい離れた場所に出かけた帰り道の高速道路。幸いラッシュアワーで渋滞気味だったので後続車もスピードは出していませんでしたが、レンタカーとしてはほぼ新車に近い車がこんな状態に。前後にドライブレコーダーが付いたこと、私は前方車間を充分取っていたことから玉突き事故にはならず、全面的に後続車の過失として処理されましたが、往復の道のりで3回似たような事故現場に遭遇したこともあり、改めてマレーシアでの運転は日本やシンガポールとは異なると実感しました。

私は日本ではペーパードライバーでしたが、2003年にシンガポールで最初の車を買って以来、運転歴は20年を越します。この間、自分から事故を起こしたことはありませんが、シンガポール時代も3回ほど追突されました。急ブレーキも踏んでないし完全に後続車の過失でした。ただ、追突事故は初めてではないのでそれなりに慣れており、事故車の写真、相手側の連絡先、身分証などの証拠保全は抜け目なくやりました。

私はWahDahというジョホール州では大手のレンタカー会社を1年以上利用しており、2週間以上30日までなら料金が同じなのでひと月単位で更新しています。今回は11日間の出張で不在にした後、1ヶ月間の契約をした直後の事故でした。車種にもよりますが、この一番安いコンパクトカーで月額1850リンギット(6万円程度。家賃の半額程度が車代としてかかっていますね)。最初は車購入前に色々な車種を試したい思いでレンタカーにしていましたが、そもそも私は車をステータスシンボルと考えたことはなく、単なる移動手段、消耗品と捉えているので燃費の良いコンパクトカー(マレーシア車プロデュア、エンジンはダイハツが製造、燃費は最高に良いし走りも街乗りなら充分OK)で充分。今回の事故も取り急ぎの証拠保全をした後、電話するとレンタカー会社のスタッフが手際良く相手側(マレー系マレーシア人で英語は堪能ではない)とマレー語で直接話してくれ、「走行に支障がなければそのまま自宅に戻ってください。今晩、代車を届けます。警察への被害届はこちらでします。相手側に連絡先は渡さないでください、全て当社が処理しますので」と言われました。

マレーシアはこのクラスの車ならロードタックスは年間20リンギット(700円程度)だし、自動車保険も高くない。シンガポールで新車に9万シンガポールドル(現行為替レートなら1,060万円、5年ローン)を払い、年間のロードタックスが8万円以上かかり、自動車保険も年間20万円程度払っていた経験からすると、マレーシアは新車も安いし維持費も安い。加えてガソリンはリッター65円程度(シンガポールは約300円)。しかし、一旦事故に遭ったら自分の車なら全て自分で対応しなければなりません。一般的に2年以上乗るならレンタカーより買った方が安いと言われるマレーシアですが、ベトナムやタイに負けず劣らず地元の人の運転は乱暴で無謀。ウインカー出さないのは普通だし、無理な割り込みも普通。特に怖いのがバイクで縦横無尽に走り抜けてくる。1年以上レンタカーで過ごしているうちに、結果的に割高になってもこのままレンタカーでいくほうが安全かつ賢いのではないかという思いに至りつつあります。

今回はプロデュア社のAxiaという一番安いモデルでしたが、この一ランク上のMyviは半年以上の乗りましたが日本車と変わりない。ドアやアクセサリーがAxiaよりかなりしっかりしていて高速道路やコーナリングの安定感はやはりMyviの方が上ですが、この先1ヶ月は自宅周辺しか乗らない予定なので、一度給油したら忘れるほど長く走れるAxiaにしていました。その晩届けられた代車は一時帰国前まで私が乗っていた同じMyviでした(上位ランクの車を届けてくれた!)。よく利用する上客と思われているらしく、毎回走行距離2万キロ程度の新しい車を配車してくれます。自己負担するのはガソリン代だけ。あとは全て料金に含まれています。100リンギット(3千円少々)払ってメンバーになると割引があるし、溜まるポイントで値引きもしてくれる。車業車は玉石混交と言われるこの国で、メンテナンスをしっかりしてくれて不慮の事態への対応も迅速なWahDahという会社は信頼できると感じています(これは企業案件ではなく、個人の体験からくる感想です)。

一時帰国中も毎日車には乗っていましたが、私からみれば過度慎重運転と呼べるほど日本のドライバーは慎重かつマナーが良い。私はアメリカ、オーストラリアでも運転経験がありますが、それらの国と比べても日本での走行は安心感が別次元であります。ドライバーのマナーが良いからです。一方、アメリカ(場所による。ロサンゼルスの都市部などは慣れてないと怖い)、オーストラリア(同じ右ハンドルであることもあり違和感なし)やシンガポール(20年前はかなり荒かったが、今のシンガポールの運転マナーはかなり向上)などと異なるマレーシアやタイのような国での運転は、大方の日本人の想像を超える荒っぽさであることは間違いありません。私のシンガポールの運転免許は書き換え不要でそのままマレーシア、フィリピン、タイで通用するのですが、居住地のマレーシア以外では運転する気にはなれません。

近年、様々な国から日本へ来る外国人が増え、旅行者のレンタカー利用だけでなく職業ドライバーとして運転する外国人も増えてきています。彼らの母国での交通事情、運転事情を考慮せず、日本人を採用する感覚で採用して運転させるとなるとどれだけ多くの問題が生じてくるか。こうした制度を作る側はもうすこしそうした他国の実態を直接見た上で判断をするべきだと強く思います。

追突した側の車はかなりのダメージでした。
レッカー車呼ばずにハザードランプ点灯させて走って行きましたが大丈夫だったかな。

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