2020/03/08 日本ハム森本の応援歌前奏についての考察
今から4年前、当時はYouTubeのコミュニティ欄もまだ使い勝手が悪く、旧Twitterのモーメント機能を利用してまとめたのが初出のこの文章。
これをコミュニティ欄に投稿し直した際は、生真面目に過ぎると御心配もおかけしましたが、私としては、応援歌に関する知識をアップデートできたのが純粋にうれしくて、その過程を共有できれば、という思いで書いたものでした。
というわけで今回のテーマは、私にとって応援歌の調査方法を確立するきっかけにもなった、日本ハム森本の前奏使用開始年度についてです。
noteに投稿し直すに辺り、体裁は多少整えておりますが、内容自体は変わっておりませんので、既読の方におかれましてはその点御容赦ください。
まえがき
先日私がYouTubeにて公開した、日本ハム森本の応援歌の動画内で、応援歌の使用開始は'02、前奏追加は翌'03という旨記述したところ、コメント欄にて、前奏も同時発表であった旨の御指摘をいただきました。
コメントをいただいてから私のほうで改めて検証したところ、御指摘どおり'02時点で前奏もセットで発表されていたというのが正しそうだという結論に至ったのですが、そう判断するに至った過程について説明します。
動画投稿時点での私の認識とその根拠
まず、そもそもなぜ私が前奏は'03発表と動画内で記載していたかについて。誤った情報を載せてしまう原因は、大抵は私のミスや確認不足によるものなのですが、今回に限っては根拠がありまして、応援歌データベース内の情報をそのまま記述しておりました。
このページ内で森本の応援歌について、「2002.3.9神宮球場で応援団配布の暫定チラシで確認」「2003より前奏4小節が付く」との記載があります。
私も本動画を作る以前よりこのデータベースの情報を目にしていましたので、森本は当初前奏なしで発表され後年に前奏が追加された、というのが私の中での長年の認識でした。
動画投稿後に情報提供いただいた内容
一方、前奏の同時発表について御指摘をしてくださった方は、これまた昔から実録音源を数多くネット上で公開されています。私も動画作成時はいつも参考にさせていただいているので、今回御指摘いただいて恐縮している次第です。
長年日本ハムの応援歌事情に精通されている方直々のコメントですので、基本的に疑う余地はないのですが、そうなると、応援歌データベースの情報と齟齬が生じます。そのため、念のためどちらが正しいのか検証しました。
情報提供を受け検証した結果
一番間違いないのは、'02当時の森本の応援歌の実録音源を聴くことなのですが、残念ながら今から20年近く前。私が探した限りでは、それらしき資料は見つかりませんでした。
ただ、'00代の出来事ですので、ネット上での当時のコメントといった類は探すことができます。今回は実際の演奏が聴けなくとも、前奏の有無さえわかればよい話なので、その線で調べることにしました。
この時参考にできるのが、プロ野球応援歌学会の学会ログです。ちなみに、先ほど示した応援歌データベースはプロ野球応援歌学会内の一コンテンツという位置づけですね。
'02~'03にかけてのログを中心に探したところ、[8551]に有力な情報がありました。「日本ハムの森本、(中略)前奏自体は2002年に曲が作られた時点からありました.」
また、この他に、当時から活動されている応援歌関連の個人サイトも調べてみたところ、'02時点で森本の前奏が存在していたことが伺える記載を見つけました(こちらにつきましてはリンク先の掲載は控えます。御了承ください)。
以上を踏まえ、応援歌データベース内にある'03前奏追加の記載については、応援歌学会内で誤りが指摘されていたものの、運営管理の中でその情報が反映されなかったのではないか、というのが私の検証結果です。
このように、原則一番信頼できるのは実録音源ですが、それがない場合でも、いろいろ手を尽くせばそれなりにわかることも出てくるものです。私がいつも正しいことを書いているとは限りませんので(むしろ最近はミスばかり)、興味を持たれた方は一緒に勉強していきましょう。
応援歌学会やデータベースの情報は文章だけで、応援歌を知るのに肝心なメロディが聴けず、正直言うと、応援歌に興味を持ち始めて以来しばらく、情報源として大して活用していませんでした。
それが、本件をきっかけに、特に応援歌学会の過去ログがリアルタイムの情報を反映していることに気がつき、当時の情報を知るのにはかなり有用な記録だと思い直した次第です。この頃を境にして、本格的に応援歌学会の過去ログを調査ツールの一つとして活用するようになりました。
ところが悲しいことに、本記事を書き上げるために過去ログのページを開こうとしたら、404エラーを吐くではありませんか。先月宮地の記事を書いた時にはまだ生きていたはずなのに…。
ここ近年、応援歌学会は管理者不在の状態が明らかに続いているものと見受けられ、いつページが開けなくなってもおかしくない危機的状況だとは思っていましたが、いざ現実として突き付けられると、貴重な情報が散逸してしまったものだと痛感します。
このような事態に備え、私個人としては、過去ログのバックアップを取っていたため、本記事の執筆にあたっても事なきを得ているものの、公共の目に触れられなくなったのはまた別問題ですよね。かといって、サイト管理者でも何でもない私が勝手に過去ログを上げ直す権利はないですし…。