SOUTHER Athlete Club設立までのお話
こんにちは。SOUTHER Athlete Clubの”中の人”です。最初の投稿なので、今回はチーム設立までのお話を書いてみようと思います。半分くらいは当時の自分の状況を振り返るような内容にもなっていますので、その点はご了承ください。
2022年6月、僕は無所属になった
2022年6月、僕はそれまで所属していたクラブチームを辞める事になった。ここでは辞めるまでの経緯や具体的な理由は書かないが、自分の意図ではなく辞める事になったとだけは書いておこう。
チームを辞めても現役を引退する気はなかったので、先ずは練習環境を確保して競技を続ける準備はしていた。しかし、陸上競技で公認の競技会に出場するには陸協登録が必要である。チームを辞めると同時に、陸協登録も消えていたため再度登録する必要があった。
陸協登録には”団体登録”と”個人登録”の二種類がある。”団体登録”は部活やクラブチーム、実業団といったチームに所属している場合の登録。それに当てはまらない所謂”無所属”の選手が競技会に出場するための登録が”個人登録”だ。所属の欄が"◯◯陸協"になっている人の殆どがこの個人登録の場合。
つまり、この時の僕は後者で再登録する必要があった。僕はこれまでずっと部活やクラブチームへの所属のみ経験してきた。そのため、登録に関しても主務やマネージャーといった担当の人たちが手続きをしてくれて、毎年その点に関してはほぼノータッチで競技を続けていた。しかし今回は登録の全てを自分で行う必要がある。今振り返るとそれほど難しいものではないが、これまでいかに楽な環境にいたか思い知らされた。
なんとか登録を完了した僕の元に、アスリートビブスが届いた。1シーズン中に番号が変わるのは改めて自分が無所属の競技者になったことを実感して複雑な気持ちだったのは覚えている。もちろん所属の欄も"鹿児島陸協"になった。
そんな気持ちを抱えたまま、次は競技会へのエントリー。これも今までは自分でやることはなく任せっきり。申込書に必要事項を記入して、メールに添付して送信。その後に出場費の振込。文字にしてみると単純な作業ではあるが、これを初めて自分でやったときは、「本当にエントリーできているのだろうか」と心配になって申し込み完了のメールの受信やエントリーリストの公開までドキドキしていた。主催の違いによって申し込み方法や出場費の支払い方法が違うのも最初は慣れなかった。
そんなこんなで、2022年度の後半は個人登録で過ごすこととなった。
チーム作ってみようかな
前所属を辞めた後も、ありがたい事に一緒に練習してくれる仲間がいた。その中の1人に大学の陸上部の後輩がいたのだが、彼と練習をする中で、「チーム作ってみようか」という話になった。確か2022年11月頃だったと思う。
チームとして陸協登録をする場合、5人以上の所属が条件となる。実際には名前だけ借りて陸協登録をすることも可能で、この時の僕たちもすでに現役を引退している陸上部の後輩たちを引っ張って5人確保する事に成功した。その流れでチームのウェアやチーム名の決定に入った。しかし候補はいくつか出るものの、うまく話が進まない。それもそのはず、陸上のチームを作ろうとする熱量に大きな差があったからだ。これでは後々良い結果にはならないと判断した僕は、チームの設立を見送ることを提案した。その時はみんな即答で了承してくれたのを考えると、やっぱり僕のワガママに付き合わせていたんだなと実感して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
やっぱりチームを諦められない
そんな経緯もあって、チームを作ることは半分諦めていたが、心のどこかで「チーム作りたいな」という気持ちが残っていた。
僕が前所属を離れた経緯を知っている友人たちに話をしたところ、二つ返事で乗ってくれた。前述の後輩たちは乗ってくれなかったが仕方ない。しかしその中の1人の後輩は快く話に乗ってくれて嬉しかった。2023年2月の事だ。
人数もギリギリではあるものの5人集まった。前回の反省を踏まえて、チーム名もウェアのデザインも僕が決めた状態で提案した。
無事にチームを設立する準備ができ、念の為に陸協にチーム名の確認をして、ウェアの発注をした。
そして3月に入り団体登録の申請が開始した。個人登録の時とはシステムも異なり少し手こずったものの、無事に申請完了。承認も降りて2023年度から正式にクラブチームとして登録された。
"SOUTHER Athlete Club"誕生の瞬間とも言える。
”SOUTHER”って?
”SOUTHER Athlete Club”このチーム名が入ったウェアが届いた時には、いよいよチームができるという嬉しさと、どこか小っ恥ずかしいような気持ちが入り混じっていた。
一丁前にInstagramなどのSNSアカウントまで作った。知り合いがフォローしてくれて少しずつ知名度が広がると同時に、多くの人から聞かれることがあった。
「チーム名なんて呼ぶの?」という質問と「チーム名の由来は?」という質問だ。
チーム名の”SOUTHER”とは”強い南風”を意味する。読みは”サウザー”。実際チーム名を考える際に”鹿児島”とか”南”っぽい感じは取り入れたいと考えて辞書片手に色々考えた。そんな中、「陸上競技、その中でも特に短距離って風が大きく結果を左右するし、日本の南に位置する鹿児島から風に乗って勢いよくチームが活躍できるように”南風”的な英単語ないかな」という思いつきで調べる中で見つけたのが”SOUTHER”だった。よし、チーム名はこれにしようとほぼ即決。陸上のチームだし、”Athlete Club”って付けようとか考える。略称も”サウザーエーシー”って呼びやすいじゃんって思ったけど、それは読み方を知っている人だけであって一般的には読めないし呼びにくいのだと後々痛感することになるが、この時はそんなこと考えもしなかった。
それにしてもチーム名はなかなか覚えてもらえない。実際レースの際の選手紹介やアナウンスでもチーム名を間違えられたり変な間が空いたりしていた。
余談だが、我らがホームとも言える白波スタジアム。ホームストレートで南風が吹くと向かい風になる。しかも”強い”南風である。超絶不利な状況をチーム名にしてしまった。これもしばらく経ってから気づいた事だが、今では一種の笑い話というか話のネタの一つ。まあ、追い風と違って向かい風はどれだけの強風が吹いても記録は公認になるし良しとしよう。