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加齢と老化
加齢とは一体何だろう
加齢は、人間だけでなく、地上に生きるすべての生物に共通して存在するものです。
「私は王様だから」「私は裕福だから」「私は幸せだから」といったことは関係なく、どんな環境や立場、どの国であろうとも、加齢は男女問わず世界中どこにいても平等に訪れるものです。
「加齢」の意味を調べてみる
「生まれてどれだけの時間が経過したかを示すもの」「年齢の増加に伴う変化のこと」とあります。
加齢と似た言葉に「老化」があります。やはり年月が経つと劣化するということの表現を「老化」するとも言われたりします。
ただ、似ていますが、同じ意味であるという認識がありますが、実は言えば違っているようです。
先ほど述べた「生まれてからどれだけの時間が経過したか」を示すのが「加齢」ですから、生年月日が同じなら、50年経っていれば50歳となります。
それでは「老化(エイジング)」はといいますと、時間が経過するにつれて生物の体内で徐々に生じる変化や劣化を指します。言い換えると一般的に身体の機能が衰え、細胞や組織が損傷をうけ、再生能力が低下することになります。
そのため同じ年齢であっても、外見をみた時に年齢より若く見える人がいれば、逆に老けて見える人もいるのです。
「加齢」は全員が同じ時の経過と共に進むものとしたら、「老化」は個人差があるという大きな違いになります。
老化のスピードは生活習慣や環境で変化していくのです。
一般的に人は40代で加速するケースがおおく、年齢が高くなるにつれて、個人差が大きくなる傾向がみられます。
加齢と体形
基礎代謝
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「年とともに太りやすくなってきた」そう感じる方がおられるかと思います。
その原因のひとつには、”加齢による基礎代謝の量の減少”があります。
”私たちが生きていくために必要なエネルギーの量”のことです。
心臓を動かす、体温を保つ、体を動かすといったことになりますが、食事によって生み出されます。これは身体を動かさないで休んだり寝ていたりしていても消費されています。
実はこのエネルギーは、一日のうちおよそ6割をこの基礎代謝量が占めています。
しかし加齢とともに基礎代謝量が減少すると、全体のエネルギーの消費量も少なくなるので、現象として”消費されるエネルギー”より”摂取するエネルギー”のほうが上回ってしまうことになります。
このことにより、消費されずに余った分のエネルギーの行き先は、脂肪となってそのまま体内にため込まれるため、太りやすい体形になっていくことになります。
全体の6割を占める基礎代謝量の次に多いものに”身体活動量”があり、約3割を占めています。
身体活動量は、習慣的な運動によって増やすことが可能であり、それによって基礎代謝量の減少分を補えます。
男女の違い
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基礎代謝量の急激に減少する男女の平均的な違いですが、男性は40代で、女性の場合は50代から始まるといわれます。見た目にわかりやすい現象として、お腹周りに脂肪がつきやすくなってきます。
特に男性の場合、”加齢による筋肉量の減少”が大きく、その分脂肪の割合が増えてしまいます。
そうなることで体重はそんなに増えてはいないけれども、脂肪の割合「体脂肪率」が増えていることが多いのです。
対する女性の場合、20代の頃までは脂肪がつく場所は下半身が多く、30代以降、年齢とともにそれまで細かった腕やお腹などの上半身にも脂肪がつき始めていくのです。
男女共に”年齢を重ねても太りにくい身体”をキープするためには、”バランスの良い食事”、特に”タンパク質をしっかり取り入れる”ことが何よりも大事になります。
加えて必要なものが、”日々無理のない程度の運動”などです。
加齢臭について
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臭いの原因はノネナール
年齢を重ねるにつれて発生する特有の体臭を「加齢臭」といいます。
主に40歳以降の中高年ごろから感じられることが多いです。
この臭いの原因は「ノネナール」と呼ばれる物質です。これは1999年に「資生堂」が発見し、さらに「加齢臭」というネーミングも付けました。
ノネナールは、耳の裏や首回り、背中、わきの下、胸などほぼ全身から出されると考えられています。
男性特有の臭いの原因には「アンドロステノン」という「テストステロンの産物」があります。
この物質は女性には”不快”と感じさせても男性には認識がしにくい臭いです。
加齢臭は皮膚の脂にも大きく影響します。
女性の場合、女性ホルモンによってその脂が出過ぎないよう抑えられています。
しかし、年齢とともに女性ホルモンが減ってくると今度は男性ホルモンの働きが活発になり、脂が出される量が増えることにより、加齢臭が発生しやすくなります。
ノネナールの発生を抑制するためには
①入浴やシャワーなどで適切な洗浄でケアして清潔に保つ
②野菜中心を心掛けて、脂質の多い食事に気を付ける
③適度の運動で汗をかいて、新陳代謝を促進して古い皮脂の排出を促す
他に強いストレスがかかると、加齢臭を強くする要因にもなります。
加齢と共に出るうねり
年齢とともに、「髪の毛にクセが出てきた」「最近髪の毛がうねってきた」と感じる方がいます。
40代ごろから”髪の毛のうねり”が気になりだしたと感じてきた場合は、”加齢による髪質の変化”が原因のひとつです。
原因のひとつに、頭皮の衰えによって、”毛穴”や、”髪の毛が生えてくる通り道”がゆがんでしまい、表面に出てきた髪の毛があちこち違う方向を向いてしまうことから、”うねり”が生じやすくなるのです。
また肌と同じく、髪の毛の水分バランスが崩れてしまうことから”うねり”が出やすくなります。
さらに言えば、髪の毛の内部にある「コルテックス」といわれる細胞の変化も原因のひとつで、パーマやカラーがこのコルテックスに働きかけることで、髪の毛の色や形を変えるのです。
長年、パーマやカラーを繰り返してきた髪の毛の場合はコルテックスに影響が出てくることにより、”うねり”が多くなります。
こうした”加齢”によると考えられる髪の毛の”うねり”は、現在使用しているシャンプーやトリートメントを見直してみることで解消されることがあります。
まとめ
加齢は生まれてきた以上は止めることが出来ないので、老化を遅らせることに意識を向けてみましょう。
中年太りを避けるための食生活を見直したり、日々の軽い運動をしたり、ストレスをなるべく少なくするためにもネガティブな思考を避けて、前向きなとらえ方をして毎日を過ごす努力も体に負担をかけない方法であると意識して参りたいものです。