「自分には専門性がない」と悩むすべての方へ。
先日、BUSINESS INSIDERが主催する『実践・転職の思考法〜「転職」をアップデートしよう〜』に登壇したのですが、質疑応答でこのような質問を受けました。
「複業や転職といっても、専門性がない人は何をしたらいいのでしょうか?」
複業研究家としてこれまで活動してきたなかでも、非常によく聞かれる質問です。
結論、僕は専門性がないと悩む人の話はすべて勘違いだと思っています。
今回は、自分には専門性がないと悩んでいる方々へその悩みは実は勘違いだったと気付いてもらうために、自分の強みを見つけるたった2つの方法をお伝えします。
「専門性=職種」という概念を捨て、強みの棚卸しをする
この質問をしてくださった方は、大手企業の一般職として5年ほど働いた経験をもつ女性でした。
「私は一般職なので専門性と呼べるものがなくて」とお話されていましたが、まったくもってそんなことはないです。
たしかに、一般事務職という職種は、既にアウトソーシングされつつありますし、AIやRPAという言葉を出さずとも、今後間違いなくテクノロジーによって置き換えられていくものですから、市場価値の高い職種とはいえないかもしれません。
しかし、一般事務の仕事そのものがなくなったとしても、一般事務の仕事を通じて磨き上げたスキルや経験はその人の「強み」として残ります。
僕がお伝えしたいのは、世の中のほとんどの人がなんとなく専門性を「職種」という大きな単位で捉えてしまっていることで、結果的に自分の専門性や強みを自ら見えにくくしているということです。
質問者の方も、20代後半で一般職から未経験の職種へ転職、という考え方ではなく、今までの一般職の仕事の中で経験して得たスキルや、発揮できるバリューは何なのか、考えて洗い出してみるといくつもの強みが見えてくるのではないでしょうか。
例えば、「人から仕事を頼まれるより先に相手の気持ちを汲み取って行動できる」といった圧倒的ホスピタリティという強みがあるならば、秘書やカスタマーサクセスといった仕事で強みを発揮できるでしょう。もしくは、その柔軟な応対力はインサイドセールスに活かすこともできるかもしれません。
仮に、いまの職種の市場価値が高くなかったとしても、その仕事をするなかで周囲から褒められた経験のあることや、他の人よりもなんとなく楽にできてしまうことがあるはずです。まずは、一歩ずつ強みの棚卸しをしていきましょう。
転職活動でたとえ未経験職種に挑むことになっても、自分の強みを活かして活躍できる仕事を探すことは重要なスキルです。これを「変身力」と呼びます。
2.いまの会社のジョブローテーション+複業で向き・不向きを計る
もうひとつは、今みなさんが働いている会社の中にいたままできる方法です。
僕は、日本企業のジョブローテーションは「自分にはどんな仕事が合っているのかを知るためにとても効率的な仕組み」だと思っています。
新卒の部署配属というのは、希望が必ず通るわけではないランダムなガチャのようなものだったりしますが、ジョブローテーションのある企業ではだいたい20代のうちにひとりあたり3〜4つの職種を経験する機会が与えられています。
就活で散々自己分析をして自分の強みを考えたところで、結局のところ向いている仕事ややりがいを感じる仕事なんてものは実際に働いて経験してみないとわからないものです。
本田圭佑だって、イチローだって、生まれてきたときからサッカーが好きだったり、野球が好きだったりした訳ではありません。
仕事もまた同じことだと思っています。「新卒で営業に配属され、鳴かず飛ばずだった人が、人事に異動した途端にパフォーマンスを発揮して成果を出し始めた」といった話はよく聞くものです。適材適所、というやつですね。
ジョブローテーションの仕組みというのは、仕事の向き・不向きを計るリトマス試験紙が会社から何枚も与えてもらえる仕組みなのです。
大手企業であれば、だいたい20代のうちにひとりあたり3〜4枚のリトマス試験紙が与えられます。もし、3~4枚のリトマス試験紙だけでは適職がわからない場合は、リトマス試験紙を自ら増やす方法を考える必要があります。
それがまさに複業の実践です。
半年に1つの複業と仮定しても、10年あればおそらく20枚ほどのリトマス試験紙を得ることができるのです。
最後にレアリティの高いスキルを掛けて尖らせる
いずれかの方法を利用して、自分の強みや向き・不向きを考えてみると、少しずつ『キャリアの幹』と呼べる、軸となる強みが見えてきます。
それを「一点突破できるレベル」にまで昇華させるためには、幹に対してレアリティの高いスキルを掛け合わせることが必要です。
例えば、「営業でトップの実績がある」だけではレアリティがやや低いですが、ブログを書いて言語化する能力や発信力があるといったスキルを掛け合わせると、独自の強みを持った営業として尖った存在になれます。
複業についても、単に副収入を増やす、ということではなく本業の強みにかけ算可能なレアリティを付け加えるのための手段として捉えるのがおすすめです。
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