見出し画像

映画「Dr.コトー診療所」(2022年公開)が、映画界では予想外の興収が約24億円と大ヒット

1.16年ぶりの続編が劇場映画として制作され2022年12月16日に公開された『Dr.コトー診療所』の興収が約24億円と大ヒットに。

しかし、この映画を見に行った層が次に見に行く映画が無い。
Z世代とアニメという、目先のビジネスしかやれない業界だから。

筆者の推し生田絵梨花が予想より活躍していたのは嬉しかった。
髙橋海人(キンプリ)と生田絵梨花が、この島の時代の変化と言うか、16年と言う時間の経過に因る肉体疲弊と制度疲弊を際立たせる役割で活躍していた。
この層にアイドルだから嫌われるかなと思ったけれど、違和感のない演技が出来ていたかもしれない。

例によって、今までのお約束がちりばめられていたのは、過去の視聴者から好感されると思う。
しかし、予測よりかなり危機感満載のシナリオでした。

このフェリーに生田絵梨花(西野那美)が乗って帰島する途中。
藤田弓子(西野美登里)は、助産師で那美の祖母。

時任三郎(原剛利)が漁で大けがをして、曳舟されている処を、生田絵梨花(西野那美)がフェリーから見ている。
のっけから、重要人物が大けがをすると言う、先行き怪しい始まりです。

その前に、研修で東京から来た髙橋海人(織田判斗)が生田絵梨花(西野那美)の足を引っかけ転ばすと言う最悪の出会い、まあ先行き怪しい。

生田絵梨花(西野那美)の車で髙橋海人(織田判斗)を連れてきて欲しいと、小林薫(星野正一)から頼まれたが、最悪のこいつか?と思っているシーン。

早速時任三郎(原剛利)の足の手術です。左下が生田絵梨花(西野那美)で、右側後ろ向きで手術しているのが、髙橋海人(織田判斗)。
例によって、タイトルも出ていない、「アバンタイトル」が16年前からのお決まりだった。

吉岡秀隆(五島健助)が心配して集まっている島民の前で「手術は成功しました」と言うシーン。これもお決まりのシーン。

この吉岡秀隆(五島健助)が患者に手を伸ばすシーンが重要な「ラストシーン」と重なる。

普通ならこの診療所の旗の処で主題歌とタイトルが出るのですが、今回は未だじらします。

筧利夫(和田一範)元事務長は何かというとカメラを獲るのだが、この1枚に東京の病院長の息子髙橋海人(織田判斗)のお気楽さと、そんな覚悟の無い医者の卵を受け入れられない生田絵梨花(西野那美)が映り込む。

ドローン撮影だと言っていたが、16年前はヘリコプター撮影だったらしい。
この吉岡秀隆(五島健助)が自転車で往診するシーンが、与那国島を無言で語っている。

開始から16:35(全135分)でやっとタイトル。この海が見える道を自転車で吉岡秀隆(五島健助)が走っているシーンがオープニング。
住みたいな~と思って見ていたが、年取って無医村はないな。

ここから先は、本編をみてください。ドラマをリアタイで見てなかった若い人にも見て欲しい、フジテレビのドラマの中でも良心の塊の傑作。

第1期:2003年7月3日~9月11日 木曜日 22:00 - 22:54 全11話
    平均視聴率 19.0%、最大視聴率22.3%

第2期:2006年10月12日~ 12月21日  木曜日 22:00 - 22:54
 全11話
    平均視聴率 22.4%、最大視聴率25.9%
※両方とも最終話が最大の視聴率

今のドラマのほとんどは、第1回の視聴率がピークとなっているが、このシリーズは、しり上がりに上がって来た、正にドラマの中身を支持していると言う事。
しかも、TVドラマの時は、一人のジャニタレもアイドルも参加していない、高いスキルの役者しかいないのも、大人に受けた要因。

ジャニタレのレベルに中身を合わせて愚民の視聴者に媚びるドラマが視聴率を落とし続けて来たのとは真反対の骨太のドラマ。
この映画の場合中身が顧客の期待とぶれていないので、髙橋海人と生田絵梨花は嫌われなかった様ですが。

この映画は、変えてよい処と変えてはいけない処が明確に創られていた作品だったのが、今回の好評を博した最大の要因だと思います。


この濃密なコミュニティーには、良さと煩わしさがあるが、中に入って観ないでは分からないだろうというのが、一つのテーマ。

余談ですが、生田絵梨花は島の娘役であり、柴咲コウ/(五島彩佳)にも劣らず真のしっかりした、しかも素朴な娘を演じていた。
生田自身は東京の中心文京区に実家がある都会しか知らないのに、島娘をやれるんだと思った。



2.異質のヒット!?『Dr.コト―診療所』の客層・情報源は?

KITT株式会社 2023.04.


KIQ REPORTでは、年1回以上映画館で映画を見る全国の15~69歳、1,757名にアンケ―トを実施し、2023年正月映画の鑑賞者分析を行っています。

★第1回:正月ヒット映画を観たのはどのタイプ??
★第2回:『THE FIRST SLAM DUNK』超大ヒットの3つの秘密
★第3回:TV?ネット?映画館の予告? 映画を知ったきっかけは??


4回目となる今回は、邦画実写作品の鑑賞者に注目してみます。

2022年、興行収入10億円を超えた邦画は26作品ありました(※一般社団法人日本映画製作者連盟調べ)。うち実写映画は12作品となり、これまで邦画を牽引してきたテレビドラマの劇場版は26作品中の3作品にとどまりました。近年はテレビドラマで大きな話題作が乏しいこともありますが、ユーザーの嗜好が変化しているようです。

しかし、昨年末は往年の人気ドラマを原作とした『Dr.コトー診療所』(興収:約24億円)が大ヒットに。約20年前に放送されたドラマの劇場版という背景も含め、その特徴を探り、邦画実写の立ち位置を確認してみたいと思います。比較対象は公開規模、実績ともに近い『ラーゲリより愛を込めて』(興収:約26億円)に加えて、邦画アニメ『すずめの戸締まり』『THE FIRST SLAM DUNK』です。

マスメディア中心の宣伝で、ふだん映画館に行かない中高年層を動員

まず劇場鑑賞者の性・年代別の構成比をみてみましょう。

『Dr.コトー診療所』の客層には大きな特徴があり、他の3作品に比べて女性比率が高く、女性50-60代の割合が突出。メインターゲットである当時のドラマファン層をしっかりと取り込んでいます。鑑賞者の映画鑑賞頻度にも特徴があり、『Dr.コトー診療所』は劇場での映画鑑賞が年1回以下のノン層の割合がきわめて高い割合を占めました。

通常、映画はヒット作ほどライト層(映画館で半年に1本程度映画を観る人)やノン層の割合が増える傾向がありますが、4作品の中では興収が少ないにもかかわらず、他の作品を大きく上回ったことは特筆に値します。映画好きな10-40代を中心に幅広い層に訴求した3作品に対して、『Dr.コトー診療所』はふだん映画をあまり見ない50代以上の人々に映画館まで足を運ばせたのです。




次に劇場鑑賞者が何を参考にしたのか、情報源に着目してみます。

『Dr.コトー診療所』はTV番組とネットニュースの比重が高く、映画館の予告編は低いという明確な特徴があります。ネットニュースの高さと映画館の予告編の低さは前述の客層に起因しているといえるでしょう。TV番組については『ラーゲリより愛を込めて』も同様に高く、邦画実写はキャストの宣伝稼働が期待でき、テレビ番組での露出効果を改めて確認することができました

かつて、テレビドラマ原作映画は若年層をターゲットにした作品がメインでした。マスメディアを中心とした宣伝展開で映画に馴染みのない中高年層をしっかり取り込んだ『Dr.コトー診療所』はやや異質のヒットであり、トレンドの変化を感じさせる作品といえるでしょう。



【調査概要】
調査時期:2023年1月24日(火)〜2023年1月31日(火)
調査対象:計1,757名 (15歳~69歳の男女)
調査手法 :インターネット調査(FastAsk利用)
調査定義:映画ヘビーファン=月に1本以上劇場で映画鑑賞する人/映画ミドル=2~3ヶ月に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ライトファン=半年に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ノン=年1回程度劇場で映画鑑賞する人


3.【生田絵梨花のトピックス】


生田絵梨花「Dr.コトー診療所」撮影現場で先輩前にまさかの行動

モデルプレス 2022.12.29


女優の生田絵梨花が28日、「映画『Dr.コトー診療所』公開記念『Dr.コトーラジオ』」(ニッポン放送/16時〜)に出演。撮影現場のエピソードを明かした。

生田絵梨花、先輩を前にまさかの行動

同作で主演を演じた吉岡秀隆から「『Dr.コトー診療所』で役を演じてみて今までと変わったことは?」と質問が届くと、生田は「(同作を)小学生ぐらいで再放送を観ていて」と切り出し「最初はもう『わ!観ていたキャラクター達だ』『大先輩だ』って結構緊張していた」と当初の心境を告白。

しかし「撮影が結構大変なスケジュールだった」と話し、「シャンともしてられなくなってきて」と緊張したままではいられなくなったと振り返った。
また、吉岡から「寝られる時に寝ときな」と優しい言葉を掛けてもらったという生田。「まさかの先輩方を前に長椅子に横になって、思いっきり寝ちゃうとか」と裏話を明かし「本当に仲間として一緒に戦うっていう感覚に撮影中は変わりました」と変化を語った。(modelpress編集部)


終わり


いいなと思ったら応援しよう!