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蒼井優38歳にインタビュー。この人創作者(監督とか)に見出されて、育てられた人。

創作者にとって、育てがいが有る素材なんだろう。なんだろう?自分が育てたと自慢したいのかな?

なんか、2017年頃から、若手女優を育成と言う『場』が無くなった。
例えば、NHK朝ドラがそれを熱心にやっていたが、スタッフの労働環境改善という『魔物』によって、その環境が無くなった。
今は、それなりの実績と実力を持った女優にしか役は廻ってこない。


それにしても、女優って、変人だと思う。
違う人格になり切れるなんて、一歩間違えば精神病患者。

一方、若い時から自分でなり切れる女優は、監督からすると「かわいくない」のかもしれない。
つまり、監督とかってアイドルオタクと本質的に違わないのだろう。
何もできない広瀬すず(16才)だから『海街Diary』で輝かせられてどや顔なんだろうな「是枝裕和」監督。

蒼井優の場合、監督の岩井俊二の『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)がデビュー映画であった。
『リリイ・シュシュのすべて』で演技が面白いと初めて思えた。同作ではほとんど何も考えずに芝居をしていたが、続く映画『害虫』(2002年)ではしっかり台本を読み込み、演じる人物をつくり込んだうえで撮影にのぞんだ。

なんだ、やっぱり面白くなったから女優を続けたんだな。
その話です。


1.蒼井優38歳に 「結婚は私に向いてないし、同じように…」かつて「口が裂けても言えなかった」意外な言葉とは
8月17日は蒼井優の誕生日

近藤 正高 2023年8月17日

 俳優の蒼井優がきょう8月17日、38歳の誕生日を迎えた。私生活では2019年に芸人の山里亮太(南海キャンディーズ)と結婚し、昨年、第1子を出産した。そのためここしばらく芸能活動を休止していたが、この10月スタートのNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』への出演が決まっており、趣里演じるヒロインが憧れる歌劇団のトップスターを演じる。


 本格復帰を前に今夏、新たにイメージキャラクターに起用された江崎グリコ「カフェオーレ」のCMの放送が始まったほか、夫・山里亮太を主人公のひとりに据えたドラマ『だが、情熱はある』の最終回では、2人の結婚を伝えるスポーツ新聞の写真に、劇中で山里を演じた森本慎太郎(SixTONES)と蒼井本人が写っているという形でサプライズ出演した。

「結婚は私に向いてない」と語っていたが…

 結婚発表時には異色のカップルとあって世間を驚かせたが、その2年前の雑誌での対談で蒼井は自らの結婚観についてこんなふうに話していた。


《結婚は私に向いてないし、そもそも結婚したいと思うこと自体、私がこの世界に入って「女優になりたい」って口が裂けても言えなかったのと同じように、身の程知らずだと思われるんじゃないかと。自分の自我が邪魔していたんです。でも最近は、結婚っていいんじゃないかなと思い始めていて》(『岡村靖幸 結婚への道 迷宮篇』マガジンハウス、2018年)


 ちなみにそのとき、「こんな人と、というイメージはあります?」と対談相手のミュージシャンの岡村靖幸に問われた彼女は、《私に期待しないでくれる人、私に対してあきらめをもちながら楽しんでくれる人、ただただボーッといられる人。そういう人がいい。自分というものを30を越えてようやく理解しはじめたときに、そう思うようになったんです》と答えている。

 上に引用した発言では、「この世界に入って『女優になりたい』って口が裂けても言えなかった」というのも気になる。


岩井俊二監督に「これは想い出づくりです」

 蒼井の俳優デビューは1999年、中学2年生のときにミュージカル『アニー』のオーディションに合格し、ポリー役で初舞台を踏んだときである。
合格するまでオーディションを受けること5回、反対する父に土下座で頼み込んでの出演であった。

 だが、舞台のため、生まれ育った福岡から東京の中学校へ編入したものの、卒業したら帰郷するつもりでいた。その思いは、デビュー映画となる『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)への出演が決まり、東京の高校に進学してからも変わらず、撮影中、監督の岩井俊二に「これは想い出づくりです」と言っていたくらいであった。



 後年、岩井との対談でその話を出された蒼井は、《女優でやっていけるなんて考えもしなかったんです。当時の私は“邦画”っていう言葉すら知らない高校生。学業を離れて現場でワイワイ過ごすのが楽しい、くらいの感覚でした》と明かした(蒼井優『8740 DIARY 2011-2014』集英社、2014年)。


そんな蒼井に、岩井はオーディションで初めて会ったときからインスピレーションを受けるものがあった。先述の対談では、《優を見てると「この子がやらないと、ほかの俳優志望の子が気の毒だな」と思えて、迷ったあげく、打ち上げで「女優を続けたほうがいい」って言ってしまった》と語っている(前掲書)。

俳優を続ける決心をした理由

 岩井の勧めにきょとんとしていたという蒼井だが、それでも『リリイ・シュシュのすべて』で演技が面白いと初めて思えた。同作ではほとんど何も考えずに芝居をしていたが、続く映画『害虫』(2002年)ではしっかり台本を読み込み、演じる人物をつくり込んだうえで撮影にのぞんだ。

 だが、自分の考えてきたプランと現場での塩田明彦監督の指示はまるで違った。その反省から以後は、《自分の中で役を固め過ぎず、台詞も覚え過ぎず、役の感覚っていうのをなんとなくつかんだ状態で現場に行って、役者さんと監督と現場の雰囲気で輪郭を決めていくようになった》という(『CUT』2008年7月号)。


 その後、映画『花とアリス』(2004年)で再び岩井俊二と仕事をする。このときもオーディションを受けたが、台本を一読してどうしても出たいと思ったという。ただ、この時点でもまだ、俳優を続けていけたらという気持ちと、「いや、そんな大それた夢なんか持っちゃいけない」との思いのあいだで揺れ動いていたらしい。『花とアリス』への出演が決まるまでも、高校卒業とともに現実の世界に戻ろうと、自分のなかで期限を決めていた。


その気持ちが変わったのは、映画『ニライカナイからの手紙』(2005年)の撮影に入る前、釜山国際映画祭に出席したときだった。このとき、韓国の人たちの映画に対する熱がうらやましくなるとともに、レッドカーペットを歩いて、「自分は映画が好きなんだ」と思いもよらない感情が沸き起こり、期限を決めずに俳優を続ける決意をしたという。

過酷だった『フラガール』の撮影

 20代に入ってからはドラマや舞台とあわせ、ますます映画への出演が増える。なかでも『フラガール』(2006年)は彼女の代表作のひとつとなる。同作では、炭鉱の閉山により衰退し始めた昭和40年代の福島・いわきを舞台に、町おこしのため開設されることになったハワイアンセンターで観光客相手にフラダンスを披露すべく、地元の女性たちが東京から招いたダンス講師とともに苦闘する姿が描かれた(ちなみに蒼井は夫となる山里亮太と、このとき共演した彼の相方・山崎静代に紹介されて知り合うことになる)。


バレエの経験があった蒼井だが、ダンスシーンで体が思うように動かず苦労したらしい。ほかにもロケ現場が寒く、セリフも方言と、プレッシャーだらけで、それまでのどの作品よりもきつかったという。撮影の最終日には、疲れと達成感が一気に来て、「こんなに幸せな気持ちになれるんだったら、芝居することをいま、絶頂の状態でやめたいな」と思ったほどであった(『CUT』2008年7月号)。


 同作では映画賞の女優賞を総なめにしたが、本人はご褒美とは感じず、むしろ周囲の評価と自分の評価にギャップを感じた。周囲があまりに喜ぶので努めて冷静さを保ち、調子に乗らないよう自戒したという。

 高い評価を受けたことを蒼井はむしろ試練だと捉えた。この時期の雑誌記事で彼女は、《私は表現者ではなく、作品の中で与えられた役をこなす役者。演じる上で、自分の感情や性格を利用することはあります。でもそれは胸の上にある感情を上下させる手段。表に出す時には、一度それを役というフィルターに通さないと悔しい。それでは、演じたことにはならないって》と語っている(『AERA』2009年5月4・11日号)。



俳優をやめようと、7ヶ月の休養へ…

 しかし、仕事が引きも切らず、多忙をきわめるなかで、「感情を役というフィルターに通す」余裕がなくなっていく。台本に「涙が出てくる」と書いてあれば、相手のセリフも聞けていないのにポロポロと涙が出た。芝居とはいえ、感情のない涙を流せる自分が怖くなった彼女は、この仕事をやめようと7ヶ月ほど休養する。しかし、やはり続けたいと思って所属事務所に電話をしたところ、山田洋次監督の映画出演の話が待っていた。こうして主演の吉永小百合の娘役に抜擢された『おとうと』(2010年)で復帰を果たす。

 山田洋次作品にはその後も『東京家族』(2013年)や『家族はつらいよ』(2016年)などに出演する。このうち『家族はつらいよ』は第2作(2017年)もつくられたが、山田が続編を撮ろうと動き出したのは、蒼井が聞かせてくれた話にヒントを得たからだった。

それは、彼女の友達のおじいさんが亡くなったとき、棺桶に大好きだった銀杏を入れてあげたら、火葬場で焼いているうちにパンパン弾けて、みんなびっくりした……という話であった。《彼女には作家的なセンスがあるんだよ。だから、「原案 蒼井優」にしたいって言ったんだけど、「遠慮します」って言われた(笑)》とは、映画公開時の山田の発言である(『キネマ旬報』2017年6月上旬号)。


 2018年には前年公開の『彼女がその名を知らない鳥たち』で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞した。その授賞式では、《これから新学期が始まりますけれど、学校がつらい方とか、新しい生活どうしようって思っている方がいたら、ぜひ映画界に来ていただきたいなと思います。映画界、よくないですか? 私、本当に好きなんです。きょう優秀賞を獲られた方も尊敬しています。みんなで一緒に映画を盛り上げていけたらと思います》と涙ながらにスピーチをして、強い印象を与えた(「ORICON NEWS」2018年3月2日配信)。

「“役者でない自分”も大切にしたくて」

 舞台でも出演のたび新たな挑戦を続け、翌2019年には『アンチゴーヌ』『スカイライト』で読売演劇大賞の最優秀女優賞を受賞している。このほか、30代に入ってからの出演作には、『宮本から君へ』(2019年)や『スパイの妻』(2020年)のようにテレビドラマから映画となり、話題を呼んだ作品もある。

 先述したように、映画デビュー作の撮影中「これは想い出づくりです」と言っていたと岩井俊二から対談で言及された蒼井だが、じつはこれを受けて、《私は今も「一生、女優を続けたい!」とは思ってないんです。一本一本の作品には集中するけど、人生をかけてお芝居と向き合うと萎縮しちゃいそうだから、“役者でない自分”も大切にしたくて》と語っていた(『8740 DIARY 2011-2014』)。


その言葉どおり、蒼井は俳優業の一方で、大ファンであるアイドルグループ・アンジュルムのオフィシャルブック『アンジュルムック』(集英社、2019年)の企画・編集を、ファン仲間であるモデル・俳優の菊池亜希子を誘って務めるなど、趣味の仕事にも力を入れる。今年5月にも、アンジュルムのメンバーだった竹内朱莉がグループを卒業するに際し、そのソロ写真集『roundabout』(オデッセー出版)を蒼井と菊池が再び編集長となって構成している。

 山田洋次から「作家的なセンスがある」と評された蒼井だが、案外、プロデューサー向きなのかもしれない。小説もだいたい2回読むと言い、《1回目はキャスティングしながら読んで、2回目はそのキャストが出てくる映像として楽しむ。キャスティングしながら読むときは、「これはオーディションだな!」なんて思いながら、自分の中で架空の少女をつくりだして。「こんな子を探さなくっちゃ」って。キャスティングしながら読んでいるときが、小説は一番楽しい》と語っていたことがある(『ブレーン』2012年3月号)。これを読むと、俳優としてもさることながら、そちらの方面での活躍にも期待したくなる。


終わり


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