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【少子化シリーズ】結婚と出産に金が掛かるらしい。「結婚可能年収が2024年には、544万円にまで高騰してしまった。」じゃ、金あるやつだけこどもつくれば?

1.【筆者のコメント】

荒川和久氏の主張は同意しますが、ではどうすればいいのか?を描いて欲しい。

これからの数10年間に、今金ない人が高所得者になるチャンスは少なくなっていく。
だから、子供作らない人生も選択肢のひとつ、結婚しない人生も選択肢の一つ、と考える奴が増えている。
近い将来も年収が上がって行くとは思えないのは、30年間GDPも給料も上げっていないからそう思う人が多数いる。

過去は、独身貴族と言われて稼いだ金を自分の為に自由に使えていたが、周りの圧力で結婚させられた両親世代が幸福に見えないと言う事も大きい要因。
周りの結婚への圧力が急激に激減した今、結婚しても生活の質は落としたくないと思う人は結婚しないし、特にお父さんが月3万円の小遣いでしょぼくれているのを見て、若い男は結婚に躊躇する。
自分の両親の「子供に金を掛けなければいけない」と言う圧力を見ているので、自分は金かけてくれてありがたいが自分の人生に当て嵌めて躊躇してしまう。


政治家が考えている「一時金ばらまけば上手くいく」というより、「それで選挙乗り切ろう」が現実なのだな。
そもそも、女性の社会進出と少子化対策という相反する政策を両立しようとするのが間違い。


国が滅びない為には、
婚姻制度を撤廃して、金持ちが一人で複数の女性に多くの子供を産んでもらうしか方法は無いと思う。




2.物価高以上に高騰する「結婚と出産の値段」このままでは中間層が総未婚化になる

荒川和久 独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
2024/11/14(木)


結婚の値段が1.4倍へ

近年、「結婚と出産のインフレ」が激しくなってきたことは当連載でたびたび指摘してきたことである。特に、政府が子育て支援の名の元に児童手当などの現金給付を進めれば進めるほど、皮肉にも、かえって「子育てコスト」の高騰を招き、出産可能年収およびその前段階である結婚可能年収ばかりが上昇し、それが若者の婚姻減に結び付いている。

具体的には、2014年には20代が考える結婚可能年収は379万円であった。これは当時の25-29歳の男性の平均年収とほぼ同額であり、いわば「平均でも結婚は十分可能」だったのだ。

しかし、その結婚可能年収が2024年には、544万円にまで高騰してしまった。2014年対比で約1.4倍である。当然ながら、若者の年収はそんなにあがってはいない。ちなみに、同様に、20代が考える「出産可能年収」も、2014年の450万円から、2024年は683万円へと1.5倍以上の増加である。

参照→20代の若者が考える「年収いくらなら結婚できるか?子ども産めるか?」その意識と現実との大きな乖離

要するに、物価はあがっているのに所得が増えないから何も買えないというのと同じで、まさにこれが「お金がないから結婚なんてできない」の正体である。

平均年収よりも年収の中央値よりも、圧倒的に結婚可能年収が高くなり、中間層が手出しできない領域になっているのだ。若者の婚姻減は「カネの問題ではない」と頑なに否定する一部の界隈があるが、まったく現実を把握していないと言えよう。

東京23区では1000万円必要

このように「結婚と出産のインフレ」が進んだことで、見事に中間層以下の婚姻が激減した。一方で、インフレした基準を満たした所得上位層の婚姻数は、この婚姻数激減の令和においても全く減っていない。それどころか高年収の男は高年収の女と知り合うという同類縁により、いわゆる高年収同士のパワーカップルが増え、ますます「結婚できる・できないの格差」となってあらわれた。

それがもっとも顕在化したのが東京都の実情で、過去記事においても紹介した通り、東京23区で6歳未満の末子を持つ夫婦の世帯年収中央値は1000万を超えている。半分が1000万円以上世帯ということだ。

参照→東京23区で子を出生した世帯の半分以上が年収1000万円「子を産める・産めない経済格差」が進行

東京都が実施した2024年の「とうきょう こども アンケート」の調査結果においても、子どもを持つ夫婦の世帯年収の現状がわかるのでご紹介したい。但し、対象は、3歳児、小学3年生、小学5年生、中学2年生、17歳の子どもを持つ都内在住の保護者に限っての世帯年収であり、全体のものとは違うということに留意してほしい。
東京23区と市町村部とで分けたグラフが以下である。それぞれのエリアにおける2023年と2024年の構成比の差分もあわせて提示している。


これによれば、最頻値は23区も市町村部も1000-1200万円である。23区に比べれば、市町村部の方が300-1000万円の構成比が高いものの、2023年との差分を見ても、これら中間層が全く結婚できなくなっていることがわかる。

たった1年間の比較ではあるが、増えているのはほぼ1000万以上の世帯だけであり、特に300-800万の中間層は著しく落ち込んでいる。なんなら2000万以上の世帯の伸び率が高い。

誤解のないように断っておくが、東京とはいえ、みんながみんな高年収ではない、2022年の就業構造基本調査によれば、25-49歳までの年齢帯の東京の未婚男性の年収ボリュームゾーンは400万円台である。
夫婦で共稼ぎすればいいじゃないかというご意見もあるが、もし仮に結婚して世帯年収1000万円以上になるためには、自分より稼ぐ女性との上方婚をしなければならない。が、日本の結婚において、妻が夫を上回る上方婚はたったの1割程度に過ぎない。中央値が1000万と言われた時点でもはや「無理ゲー」なのである。

参照→女性の上方婚志向「せめて私と同額か、それ以上稼げていない男は相手にしない」が9割

税収を気にしてると国が滅ぶ

今回は東京の事例だが、これと同じこと(中間層の婚姻だけが減少)は、他の大都市でも地方でも同様に起きている。地方でも「結婚と出産のインフレ」が起き始めているのだ。それは必ず中間層の未婚化に直結する。中間層の総未婚化ともなれば、さらに婚姻減と出生減は進むだろう。

本当の少子化対策とは若者の所得増であることは間違いないのだが、それと同時にここまで高騰してしまった「結婚と出産のインフレ」状態の鎮静化も必要だろう。そのためには、「世の中の空気」と「気持ち」の問題が重要だと思っている。

1980年代までの皆婚時代に結婚した若者とて決して裕福だったわけではない。

それでも結婚や子を持つことに前向きになれたのは、「なんとかなる」という明るい希望とともに、実際に「なんとかなる」という経済環境があったからだ。

政治家や官僚、財界人やマスコミに至るまで、国の税収ばかりを気にしているが、若者はじめ現役世代のこの気持ちをくじくことばっかり20年以上もやり続けた結果がこの体たらくなのである。

税収を気にしているうちに、その税を納める人間がどんどん生まれなくなり、やがて国が滅びるだろう。


荒川和久 独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。



3.【ご参考】20代の若者が考える「年収いくらなら結婚できるか?子ども産めるか?」その意識と現実との大きな乖離

荒川和久 独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター 2024/2/14(水)




終わり

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