見出し画像

【少子化シリーズ】イーロン・マスク氏が「日本は滅びる」とツイートした(2022/05/07)事に意見を述べている人①太田忠氏をご紹介。

1.【筆者のコメント】

太田忠氏のご意見は筆者と同じ方向の考え方ですので、紹介します。

太田忠氏の意見の肝は、下記です。
日本の適正人口は欧州の主要国並みの6000万人~8000万人?
人口減少前提で、生産性や付加価値の向上に取り組むべき


この太田忠氏は、経済的な側面からのご意見ですが、筆者(太陽光線)は加えて『日本人の質の向上を同時に図るべきだ』と申し上げたい。

残念ながら日本の少子化問題は、経済関係者や生物学者では絶対解決できない事です。戦後80年で培ってきた「人生観」「価値観」によるものですので、変わるのは難しい。金をばらまいても少子化は止まりません。



【参考資料】

■「女性を社会進出すれば少子化する」とロックフェラーが言ったわけ

Kosei:web広告を使って、毎月狙った通りに売上を継続的に作る方法
2024年6月19日


■【少子化シリーズ】中国の少子化の理由。

太陽光線  2024年10月26日


①政府が本当に人口を維持していきたいなら、まずやるべきことは、婚姻制度を撤廃する事。


②次に、ハンガリーが、産めば産むほど減税される制度を導入し、10年で出生率1.23→1.5に激増した。

この制度に対する一番メリットが大きいのは、高額所得者。
だから、婚姻関連法を撤廃して一人で何人もの女性に子供を産ませられる様にしたら、一挙に子供が増える。
且つ、時代に合ったスペックが高く・正しいマインドを持つ子供たちの比率が増えるのは、日本全体に貢献できる。


ポイントは、
●「全ての女性が社会で高いキャリアを望んでいるわけでは無い」事をだれも言わない。

●もう一つは、キリスト教が決めた「一夫一婦制」を絶対の価値観=幸せと信じて疑わない。
「イスラム教」国家は少子化になっていない。


イケメンで高学歴且つ富裕層が、「一夫一婦制」では無く、複数の女性との間に子供をつくれれば、みんな幸せなんじゃないの?


【参考】




2.日本は本当に消滅するのか?イーロン・マスク氏が警告した人口減少問題。真に解決すべきは、生産性の向上だ太田忠の勝者のポートフォリオ 第35回

太田 忠  2022年6月8日


イーロン・マスク氏のツイート通り、日本は本当に消滅するのか?

 "At the risk of stating the obvious, unless something changes to cause the birth rate to exceed the death rate, Japan will eventually cease to exist. This would be a great loss for the world." 「あたり前のことを言うようだが、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう。これは世界にとって大きな損失になる」

 5月7日にツイッターで発信された、米テスラCEOのイーロン・マスク氏のツイートである。日本の総人口はこの1年間で64万4千人減少した。現在、約1億2500万人が暮らす日本において0.5%に該当する。「いずれ存在しなくなるだろう」と述べるのはかなり極論に見えるが、死亡数が出生数より多い状況が継続すれば、いずれ日本人は消滅することになる。

 2020年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯を通じて産む子どもの数)は1.33。出生率が1.3を下回る状態は「超少子化」と呼ばれる。実は2003年から2005年までの3年間、日本は超少子化の状態だった。

当時、国立社会保障・人口問題研究所から「2004年の出生率1.29が継続し、海外からの日本への移住者が増えないと仮定した場合、日本の総人口はおよそ200年後に1千万人を切り、2340年に100万人となり、2490年に10万人を割り込み、3300年には日本列島が無人になる…」との見通しが出て大きな話題となった。

少子化はコロナ禍以降再び低下基調に。現役世代の収入悪化も深刻

 したがって、日本人の消滅論は今に始まったことではない。小泉純一郎内閣は少子化対策に注力し、その効果もあって2012年から2018年までの出生率は1.4台に戻った。だが、コロナ禍になって再び低下基調が鮮明である。あらゆる面で日常生活が制約され、収入不安が一段と高まる状況では出生率は低下する。また、コロナ禍の前から若い世代や働き盛り世代の就労・収入環境は悪化しているのは周知の事実だ。ちなみに現在40代後半の大卒男性の平均年収は、10歳上の世代が40代後半だった時よりも、150万円も少ない。さらに世代が移れば年収は低くなる傾向が出ている。

 人口維持に必要な出生率は2.00ではなく2.08である。2.00では乳幼児や子供が死亡したりして人口を保てないため2.08という数字になる。遡ってみると、日本の出生率は1950年においては3.65あり、この年の新生児の数は233万人。しかし、1975年には2.00を切って1.91となり新生児数は190万人、2005年の出生率は1.26と最低を記録して新生児数は106万人。そして直近の2020年は出生率1.34と新生児数は84万人まで落ち込んだ。

日本の歴史を振り返ると、人口が急増したのは第二次世界大戦以降

 過去を遡って鎌倉時代から現在に至る日本の人口推移を見よう。鎌倉幕府が成立した1192年(と私は学校で習った)、すなわち今から830年前の日本の人口は757万人と推計されており随分少なかった。146年後の室町幕府成立時の1338年には818万人に微増。しかし、そこから265年後の江戸幕府成立時の1603年は1227万人となり1000万人を超えた。江戸時代は中期までは世の中が安定していたので、113年後の享保の改革の1716年には3128万人と約3倍弱と急増する。しかし、そこから152年後の明治維新の1868年になっても3330万人とほとんど増加しなかった。これは自然災害や飢饉や社会的混乱の影響が大きかったからだ。

 ところが2回の世界大戦を経験して「産めよ殖やせよ」の国策(子どもを5人以上産むように、という政策)の下で日本の人口は爆発的に増加する。終戦の1945年には7199万人となり、その後のベビーブームを経て2008年にはピークの1億2808万人を記録。しかし、ここがピークで、本格的な高齢化社会を迎えて、年間に生まれる人間の数よりも、死んでいく人間の数が多くなる局面に入っている。


日本の適正人口は欧州の主要国並みの6000万人~8000万人?

「出生減に歯止めをかけて反転させるためには、真に効果のある対策を実行し、若者を取り巻く経済環境を好転させることである」―。もちろん、この考えには賛成だ。だが、客観的な視点で統計学上の数字を眺めると、やはり「産めよ殖やせよ」が異常過ぎる人口の上昇カーブを生み出し、今はそれが修正される局面にあるのだと思う。もし、軍事的な「兵力・労働力の増強」という特殊要因がなければ、現在の日本の人口はヨーロッパ主要国並みの6000万人~8000万人だったはずである。それが自然な流れだ。私自身はこれくらいの人口が日本に適正だと考えている。

 人口が減っても生産性や付加価値を上げていけば問題ない。だが、日本は今やその点において、もはや先進国から転落している事実がある。それに加えて急速な人口減。お尻に火が付いている状況だからこそ、日本は真剣に「生産性向上」に舵を切るべきだと考える。大きな予算を付けて補助金とか助成金を配っている場合ではない。日本政府のお金の使い方は結局、国会議員が選挙で落選しないための政策に偏り過ぎで、「付加価値向上のために投資する」「将来のために投資する」という要素が乏しすぎるからだ。


人口減少前提で、生産性や付加価値の向上に取り組むべき

 仮に日本の人口が今の半分の6000万人程度になったとしても、ヨーロッパ並みなのでさほど悲観することはないだろう。もちろん、できれば人口減問題の解決にも道筋をつけてもらいたいとは思うが、それは難題だ。それよりもっと重要なのは生産性と付加価値の向上だ。そこが今イチだからこそ、多くの日本人のやっている仕事は単純作業、つまらない作業、無意味な業務、広がりのない業務、大きな仕事に繋がらない業務…だから年収も低い。当然だと思う。

 人口減少前提で生産性と付加価値の向上、これに尽きる。ただし、社会保障制度は別だ。日本の場合は人口増を前提に設計されているため、人口減では制度が崩壊する。ここには大手術が必要だ。

太田 忠
DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。プロが評価したトップオブトップのアナリスト&ファンドマネジャー。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもメルマガ配信などで活躍。



3.イーロン・マスクの「日本は存在しなくなる」発言は言い過ぎではない…急激な少子化を止められるキーマンとはこのままだと人口減で国が消滅する

PRESIDENT Online 東京大学定量生命科学研究所教授(生命動態研究センター ゲノム再生研究分野)小林武彦 2023/09/04

日本ではどの国よりも急速に少子高齢化が進んでいる。東京大学教授の小林武彦さんは「生物学者としても少子化には危機感がある。若者の数が減り、学術も経済も停滞し、世界からどんどん取り残されている中、子供の数を増やすには、出産などのライフイベントを優先できる社会にするしかない」という――。

急激な少子化で日本は本当に滅びてしまうのか

シニアの役割を考える意味でも、日本の将来を考える意味でも、少子化問題はとても大事なことです。生物学者としても危機感を抱いています。なぜなら、無数の死があって進化し、今私たちは存在しているわけですが、それが途絶えてしまうことにもなりかねないのですから。うかうか死んでもいられなくなります。

2022年5月に、米テスラCEOのイーロン・マスク氏が「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」と述べて話題になりました。実際に現在の日本では、急激な少子化が起こっています(図表1)。

最新のデータでは、2022年の1年間の出生数は79万9728人(※速報値。2023年6月発表の確定値は77万747人)で初めて80万人を下回りました。私の生まれた年(1963年)は約180万人でしたので、それから約100万人減ったことになります。大都市1つ分の人口です。わかりやすい例では、学校の教室から同級生の半分以上がいなくなったと考えたら、その減少の激しさと寂しさがわかります。


出生率を現状の1.26から2に近づけ社会崩壊を防げるか

このままのペースで減り続けると、最悪50年後には出生数が50万人を切るという予測もあります。もちろんこれは、今のペースで減少したらという意味です。政府からも「異次元の少子化対策」との掛け声もあり、出生数の減少がどこかで止まるかもしれませんし、逆に増加に転じるかもしれません。

実際にフランスでは少子化対策に成功して、出生率(合計特殊出生率/女性が生涯産む子供の数)は「2」近くを維持しています。ちなみに日本は1.26(2022年)です。人口を維持するためには最低2.08は必要と考えられていますので、日本の1.26という数字は絶望的です。このままでいくと日本の将来がどうなるか容易に想像できます。

仮に今すぐに大胆な政策をとり、出生率が2.08を超えたとしても、遡って増やせるわけではないので、これまでの低出生数の影響による人口減少は、数十年間は続きます。つまり親世代の人口が少ないので、出生数を上げてもすぐには人口が増えないということです。ただ、将来的な日本の消滅は防げます。

人口が減るといろいろなところで少なからぬ影響が出るのは避けられません。たとえば年金などの現役世代が支えている制度はもちろん、道路・鉄道・上下水道・送電網などの社会インフラの維持は厳しくなります。働く人が足りなくなるのです。


少子化は個人が悪いわけではなく、政治の問題

一方で、人口が減ること自体は悪いことばかりではないという考えもあります。ドイツ(8300万人)やイギリス(6700万人)、フランス(6800万人)などのヨーロッパの国は、日本より人口が少ないですが、日本以上の労働生産性(一人当たりの稼ぎ)を保っています。研究の分野でも、これらの国の論文数は日本よりも多いです。ただ現状では、日本の労働生産性も論文数も下がり続けています。このままの状態で人口だけ減っても、おそらくヨーロッパの国々のようにはなりません。イーロン・マスク氏の「日本が滅びる」は、実は言い過ぎでないのです。

日本の若者の数が減り、学術も経済も停滞し、世界からどんどん取り残されているという暗い話をしました。ここでいつもなら、たくましく生きている生物の話をして盛り返すのですが、ヒトの少子化に関しては、生物で一般的に見られるような環境の変動による食料不足や天変地異による生活空間の減少、外来種による捕食などによる外的な要因等で引き起こされたわけではなく、自分たちの都合で子供を増やさなくなって「勝手に」減っているので、生き物の絶滅などとは訳が違います。

もちろん個人が悪いのではなく、ヒトは社会性の動物なので、日本の社会の在り方の変化が原因です。この後お話しするように、少子化の解決策はいくつかあります。それをやるかやらないかは、政治の問題であり、政治家を選ぶ私たち国民にかかっています。実際にフランスのように少子化対策に成功している国もあるわけですから。



キャリアも大事だが、ライフイベントは先送りできない

私は、大学の女子学生から「研究者になっても結婚したり子供をもうけたりできますか」と相談を受けたことがあります。研究者に限らず、ある程度の「競争がある分野」では、同様の心配を抱えている方は男女問わず多いと思います。

私の答えは決まっていて、どんな職業についても、チャンスがあれば我慢せず、まずそちら(ライフイベント)を優先しましょう、です。ライフイベント(出産、子育て、介護など)は先送りできません。つまり後回しにはできないのです。それでもし、仕事に不都合が生じた場合は、その会社や社会の制度が悪いのです。そちらのほうをみんなで一緒に変えていきましょう。

言うのは簡単ですが、実際には「世の中を変える」のが簡単ではないことは、よくわかっています。ただ「簡単ではない」を理由にこのまま何もしなければ、どんどん悪くなっていき、本当にこの国は「終了」してしまいます。


出産・育児支援の制度をフル活用できるようにするべき

制度としては、どんな職種でも、労働者の育児休暇などが男女ともに法律で認められています。でも現実には、たとえば数年の任期がついている雇用でそれが利用できるかというと、厳しいかもしれません。実際に十分に利用されていないのは、ご存じの通りです。

ちなみに私の研究室では、常に女性の教員は半分以上おり、今の大学(東京大学)に移ってからの7年で生まれたお子さんは7人、出生率は日本の平均を上回る1.7です。育児などのライフイベントの理由で仕事を辞めた人もいません。これは自慢ではなく、これでもまだ不十分だと思っています。

うまく制度を利用できないのは、少子化で当事者が少なく、休暇を言い出せる雰囲気がないという事情もあります。加えて「自分も苦労して乗り越えてきたのだから、あなたたちも頑張りなさい」のような少し意地悪なお考えの方も少なからずおられるようです。このような子育てを重要視しない空気と苦労を押しつける「負の連鎖――足の引っ張り合い」の結果が、現在の少子化の一因になっているのかもしれません。



子育ての苦労を押しつける「負の連鎖」が起きていないか

逆に、経験者の方々が「自分たちは大変だったから、次の人にはもっと楽に子育てができるように」と少しだけ力を貸してもらえたら、案外簡単に変えられることなのです。特にライフイベントに関わるのは、人生のほんの一時期です。しかしそのときにしかチャンスはないのです。「負の連鎖」を断ち切り、V字回復のイニシアティブ(音頭)を取るのも、まさに「シニアの仕事」です。

日本が世界に誇れることは、かなり減ってきてはいますが、もちろんあります。その一つが、世界一の長寿国だということです。敬老の風土、健康的な食習慣、きれいな生活環境などのおかげでしょう。偶然日本に生まれたということだけで、他国に比べて、より長い人生が持てる可能性があるのです。

2022年9月の総務省の発表によれば65歳以上の方は昨年より6万人増え、過去最多の3627万人。総人口に占める割合も29.1%と過去最高。世界200の国と地域の中で最も高いです(図表3)。仕事に就いている65歳以上の方は909万人で、18年連続で増加し、こちらも過去最多。65歳以上の就業率は25.1%に上り、特に65歳から69歳の就業率は初めて50%を超えたそうです。高齢者の労働意欲は徐々に高まってきているということです。


全世代がハッピーになれるかの鍵はシニアが握っている

この大勢の知識と経験豊富な方々にはぜひ「シニア」になっていただき、公共的に行動していただけたら、今後の日本の未来は明るくなると私は考えています、というか誰が考えてもそうでしょう。安心して子供が産めるような国にまた戻ると思います。

ここで子供の数(出生数)は象徴的に使っていますが、大切なのは、それだけの経済的、精神的余裕と将来展望、つまり簡単に言えば子供を作りたくなり、周りもサポートしたくなる空気感を作り出せるかどうかです。生まれてくる子供が幸せになれないような環境では、誰だって子供は作りたくありませんからね。

この「シニアが頑張って今の日本をなんとかする」構想は、長寿化の進化を牽引した、繁殖年齢を超えたヒトが子育てをサポートするという「おばあちゃん・おじいちゃん仮説」の延長線上にあり、全世代がハッピーになれる一つの有望な手段です。


終わり

いいなと思ったら応援しよう!