TaskとHow to~の欠如
私はバスケットボールが好きで、しょっちゅうプレーをしている。観戦も好きだけれど圧倒的にプレーする機会の方が多い。土日はもちろんだが、平日の月曜や水曜、木曜なんかもプレーすることがある。
まぁまだまだ動けるということだから、それはそれで全然良い。
これだけプレーをしていれば、当然関わるチームも増える。各チームに関わるということは、そのチームに所属しているプレーヤーとも関わるということで、そこには少なくとも5〜20人の人間が所属している。
現在4チームに「所属」という形で関わっていることを考えると、単純計算で20〜80人の人間と交流があることになる。 (数字で考えてみると凄い…)
それぞれ「チーム」ではあるけれど、あくまで「個」の集合であることは言うまでもなく、「個」は独自の思想や拘り、考え方を持っている。
このバラバラな状態では、いわゆるピックアップゲーム状態になって、各々が好きなプレーを選択し、効果の最大化が図れない。
だから、チームとして、プレーに関してのゴールみたいなものを設定する。
恐らく試合で勝とうとしている多くのチームがそうしていると思う。
試合における最終的なゴールは「勝つ」ということだが、そのゴールに向かう上で障害があれば、その障害を越える必要がある。そうすると、今度はこの障害を越えるということを、ミニゴールとして設定し、最終ゴールを目指していく。
試合中はこのミニゴールの設定が連続して起こる。
・リバウンド取られてるからリバウンドは渡さないようにしよう!
・点数取れてないからスコアしよう!
・点数取られてるからDFしよう。
ただ、このままでは前述した通り、各々が好きな方法でミニゴール達成を目指してしまうので、ミニゴール達成のための方針を示すことが多い。
・リバウンド取られてるから、しっかりスクリーンアウトしよう
・スコア伸びてないから、走って速攻出そう
・カットインを止めるためにヘルプ早めに行こう
など、このような感じで方針を伝えられることが多いように感じる。
そして、試合にまた戻る。
これでミニゴールを達成できる場合とできない場合がある。
ミニゴールの達成回数が減れば減るほど最終ゴールに届かない可能性が高まる。
要は試合に負けるわけだ。
試合後に選手達は「あいつとは合う」や「なんか上手くいかない」「やり易い」など話しをする。
試合後にビデオを見て、悪かったところを洗い出して、「やっぱりここでやられてるから、次回はこうしよう!」と、試合後にもミニゴールの設定は行われる。基本的にはこの繰り返し。
そして、最近私が所属しているチームは尽く負けまくっている。
なぜか?
私が思うに、「やるべきこと(Task)と「どうやってやるのか(How to~」が全く以て欠けているからだと感じている。
「個」が独自の思想や拘り、考え方を持っている以上、当然手法もそれぞれ違うわけだし、クオリティにも差が出てくる。
技術力や経験値と言われる部分だ。
しかも、1プレーだけ切り取って見ても、個人面、組織面と2つの側面があるわけで。
例えば「リバウンドを取る」というミニゴールがあって、チームとしてどんな形で取るのか?相手にどうやって取られているのか。
「飛び込まれてリバウンドを取られている」と言っても、どんなシチュエーションなのか、特定の相手なのか、複数人なのか、取られている位置はどうなのか。
では個人として、どうやってスクリーンアウトするのか。
背中で抑えるのか、前を向いて相殺するのか。どのエリアまで許容するのか。迎える形で止めるのか、それとも自分から接触しに行くのか。
とかとか。言い出すときりないんだけども。
とにかく色んな側面からの話がある。
この認識がチームに所属しているプレーヤー間で、ちゃんとされていないように私は思う。主にクラブチームで。
恐らく、中学生や高校生、大学生、プロのチームでは普段から高頻度で練習を行っているため、こういった手法もそうだし、技術力、経験値、似たものになってくる。
考え方や方針なども共通認識ができてくる。
そのため「リバウンド取ろう!」という一言で色んなことが伝わる。
リバウンドを取るための「やるべきこと」と「やり方」が事前にインプットされているからだ。
しかし、クラブチームでは練習を高頻度で行うことが出来ないケースが多く、練習でこのギャップを埋める作業ができない。
皆、社会人で、日々の生活で抱えているものを、バスケをすることで発散したいわけで、健康維持や気分転換も兼ねているわけだ。
そうすると、やはりプレー時間を多くとってしまい、チームとしても個人としても「やるべきこと」「どうやってやる」を固める時間が取れないのだ。
これはもう仕方のないことだ。
だからこそ、発言権の強いプレーヤーには、「やるべきこと(Task)」と「どうやってやるのか?(How to~)」をもう少し意識してほしいと感じている。
「リバウンド取ろう!」では何も伝わらないのだ。
「レイアップのこぼれだ球を#8にリバウンド取られているから、マークマンは正面で相殺させよう。ガードの#7はリバウンドに絡んでくるケースが少ないので、なるべくこぼれ球のフォロー。場合によっては後ろから挟んでサンドイッチ状態にして飛ばせないようにしよう。」まで言わないと本当の意味で試合中の改善は出来ないのだ。
あとは「そもそも#6にレイアップ行かれて#8にリバウンド取られているから、#6にカットインさせないように話して守ろう」
とか
「#6のレイアップは全く入らんから、マークマンは今まで通りでも良いけど、ヘルプに寄らないようにして、その分#8のリバウンドのケアしよう。そのほうがチャンス広がるべ」
とか
具体的にやるべきこと、どうやってやるのか。
明確にこの2つを伝えられれば、かなりミニゴールの達成率が上がると思うのだ。
「自分がやればいいじゃん」
という声も聞こえてきそうではあるが、勿論自分自身はなるべくやっているつもりだ。
(未熟すぎて出来ていないケースも多くあるが)
しかしながら、前述の通り多くの人間がプレーを見ると、それぞれの観点でゲームを見て気づくことがあり、自分自身で気付いていない事象が起きているケースもあるし、指摘を受けるケースもある。
その場合は、その指摘をした人間が発言するのだ。
そして各チームには当然パワーバランスというか、発言力の強い者と弱い者がいる。
私一人が気をつけてどうにかなることではないのだ。
我々はチームなのだから、全体でこの認識を保つ必要があると思う。
「やるべきこと(Task)」と「どうやってやるのか?(How to~)」をもう少し意識して、この連敗地獄から一刻も早く抜け出したい。
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