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草創期 4(小児がんと向き合う家族の記録)

お空からありがたい助言をいただき心は決まった
抗がん剤治療を受けることを決めた

手術から約一ヶ月後
外科病棟から血液腫瘍科へ移動する

その間慣れない入院付き添い生活は
日中のお世話を私、
夜の寝かしつけを夫に分担した

そういえば入院初日は大変だった
頭に腫瘍があるとはいえ、ついさっきまで
日常生活の中にいたそうちゃん

まだまだ元気だし、甘えたい盛りの3才児
入院が決まった時は素直に伝えた
そうちゃんの頭の中のばいきんまんを
やっつけるために今日からお泊まりだよと
伝えた

割と物分かりの良い方なので
わかったよーとそこまで嫌がることなかった

ただ寝るときは、、それはそれは大変だった
いつもと違うベッドで一人で寝なくちゃならない

案の定そうちゃんはギャンギャン泣いた
大部屋に4,5人いる他の子達に申し訳無いと肩身の狭い気持ちになりながら
なんとか抱っこで寝かせた

そうちゃんの泣き声は赤ちゃんの時から大きかった
産まれたばかりの新生児室で
他の赤ちゃん達と並んで寝ている中で
みんなより一回り身体が大きく
泣き声は2倍も3倍も大きかった

あの時より5倍重くなったそうちゃんを
抱っこして寝かしつけているあいだ
赤ちゃんだった頃と重ねる余裕なんてない
それがこうして思い返してみると
なんだか良い思い出になっているから不思議だ

ママー!!ママー!!

おうちに帰りたいー!!ママー!!


すべての字に濁点がついた響きで
何度も何度も訴えるそうちゃんのお願いを
叶えてあげられない苦しさ

まるで今生の別れのように泣かれるので
何度も経験したくはない

手術が二日後だったので必然的にそうちゃんは
病院で一人で寝ることになったのだけど。

寝かしつけは夫担当
いつも帰宅は22時半ば過ぎ、そこから夕飯
私と長男は先に寝ている、ごめんね。

冬の気配が強くなった古民家は寒い
薪ストーブとヒーターで暖をとるが
スイッチひとつで着くことに
ありがたみを感じた
薪の燃えるにおいも心地よかった

便利と不便どちらも良し悪しがある
そしてどちらもある我が家
もう少し快適にしていきたいと寒さで気づく
あそこもここも気になるなあ、変えたいなあ
今はそれどころじゃないんだなあ

夏が早く来ないかなあ
そうちゃんの退院目標は5月
少し長引くのを予想して6月

ほぼその読み通り
治療は進んでいくことになる

2021.4.28

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