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退院その後

退院後一ヶ月がとうに過ぎた
痩せてしまった足はいくらか肉がついてきたまだおしり移動が多いが頑張ってトイレにも行ってくれるようになった

髪の毛や眉毛、まつ毛も生え揃ってきたのでだいぶ顔色もよく見える
体毛は大事だなと感じる

課題になっていた味覚障害と偏食は
ゆるやかに戻り
食べず嫌いを克服する毎日だ

防カビ剤や防菌剤などの飲み薬が終わったので、自己免疫力を高めなくてはいけないそうちゃん
苦手な野菜も毎日頑張って少しずつ
食べられるようになってきた

まだまだ続きそうなコロナ禍
あまり出掛けられないので
子供向けアプリの動画に助けられている

足腰がだいぶ強くなってきたので
リハビリらしい動きもできるようになってきた

兄むくの様子も
比較的安定してきたように思う

親に余裕がなかった時期
とくに入院生活の後半戦は
寂しい思いをたくさんさせたと思う

退院はしたけれど外来で定期的に
かつ長期的に通うことになるのだが
その後の経過観察はもちろんのこと
成長につれて生じる発達面の
フォローアップなどもして頂けるそうだ

そしてきょうだい児のフォローも
してもらえるというのだからありがたい
第2の患者と言われるらしい
きょうだい児の兄むく

当人と同じくらい頑張ってくれているから
その頑張りをみんなしっかり見ているよと
伝えてくれる場所が病院にある
本当にありがたい

この時代で良かったなと思う
一昔前はこんなに手厚くなかったと思う
医療費の各助成や頼もしい支援団体は
これまで癌と戦った方々
医療の歴史あってこそだ

そうちゃんは幸運だ
繋いでいただいた生命を
大切に繋いでいくのが私達の使命だと思う
生きたくても生きられない生命だって
たくさんあったはず
小児がんに限らず
生命はいつどうなるか誰にもわからない
だからこそ、その子達の分まで
しっかり生きるのだ


↓以下個人的見解です
もし今子育て中の方や子供の発達に悩んでいる方がいたら軽くスルーしてください
子供の発達はそれぞれで
一概には言えないと思うので
鵜呑みにされることのないよう気楽に受け止めてくださると良いと思います



なぜ小児がんになったのか

その問いかけは今もまだしてしまう

退院後リハビリをしていて思うことは
赤ちゃんの時期って大事なんだなということ

はたまたお腹の中にいた頃から、いえいえ、もっと遡って妊娠する前から
母体作りって大事なんだなということ
(私に関しては自分が育つ段階からやり直せるものならやり直したい。。)

そうちゃんに関して言えば
頭の大きさは変えられないけど
形は整えることができたかもという反省あり

片側絶壁=癌になる、では無い

けど、足の運び方や動作を見ていると
脳との関係性は否めない気がする
脳の形が左右まったく違うこと、
脳の歪みは影響するだろうと思う
片側膀胱萎縮の原因かもしれないとの話もあった

そして足の指の踏ん張りが効かない
これは常々気になっていた
最近になってようやく歩行時に指が使われるようになってきたが
それまでは指先が丸まりがちで
ふわふわトテトテと歩いていた

足裏がいまだに赤ちゃんのように柔らかいのは、座り遊びが断然多かったからだと思う
毎日の足裏への刺激が足りなかったのだ

性格は温厚でおっとりゆっくりタイプ
ためやすくガマンしがち

好きな食べ物はごはん、パン、麺、お肉、
揚げ物など陽性過多
嫌いな食べ物は野菜全般陰性不足

これらが少しずつ要因になっていると思う
そうちゃんの良い細胞は悪い細胞に負けて、運悪く癌が大きくなったのだと思う

そうちゃんの場合、がんになったのは
運、だと思う
事故にあったようなもの、だと思う

癌というものに対峙するまでは
ただ漠然と恐いものだった
現代人の数人に一人はがんになる時代

不安を煽るようなフレーズは
誰しも耳にしたことがあるくらい浸透していて、がんの体験談を耳にすると
想像を膨らませ不安を感じたことがある

私ではなく息子に癌が見つかり
痛み苦しみ悲しみは自分事以上だった
でも実際に痛く苦しいのはどう見ても治療中の息子だけ
私は不安とストレスにまみれたくらいだった

なぜ私に癌は来ないのだ!?
私でなくなぜ息子なのだ!?
怒りの感情は涙に負けて、ただただ泣いた

そうして治療を終えた今も
どこか不安を抱えながら生活している
いつ再発や播種をするかもわからない
楽しい日々の中でふとよぎる不安

癌に出会う前は恐かった癌そのものに対しては、息子を介して向き合うことで
恐れることはないと知った

不安はついて廻る
けど、恐れることはない

矛盾しているような表現になってしまうのが歯痒い

すべてを受け入れる 

治療に耐えた息子に教わったのだと思う

生命が繋がったから思えること
言えることなのだと思う

もっと大変な子供達とその家族は
世界中にたくさんいて
生きたくても力尽きてしまった子達も
たくさんいる

命が繋がっても副作用や後遺症に
悩まされる子供達とその家族がいる

ここに改めてがんばり抜いたこども達と
ご家族に敬意と感謝の気持ちを綴りたい

悲しみ苦しみが癒えることはなくても
共に生きている今は
それぞれの生を懸命に全うできることを願う

世界中の小児がんのこどもたちとご家族へ
いつも励ましと労りの言葉をありがとう


2021.9.4


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