草創期 退院
退院の日は突然やってきた
二日間のお試し外泊後、まもなくだった
そろそろかなとは思っていたけど
こんなに突然お声が掛かるのかと驚いた
大部屋や病棟でずっと一緒だった
お友達ともお別れだ
慣れ親しんだ看護師さんも
保育士さんやワーカーさんとも会えなくなる
喜び反面、寂しさを感じた複雑な心境
9ヶ月病院で過ごしたのだから無理もない
最後の夜間付き添いの日、病棟は珍しく
静かでソワソワして眠れなかった
紙粘土で作った大量のパンたちを
画用紙に貼り付けた
明日仲良くしてくれたみんなに渡そう
そうちゃんは安定して熟睡中
ここまで本当によく頑張ったね
いつおうちに帰るの?よく聞かれたけど
ついにその日がやってきたよ
退院の日、CVカテーテルを抜いて
少し身軽になったそうちゃん
おなかが空いて早く帰りたくて
案の定グズグズ
記念写真は下を向いてしまった
看護師さんや先生方にメダルと賞状を
もらい、笑顔で見送って頂いた
血球と体力があがるまでは
我が家へはまだ帰れないけれど
ひとまず実家へ帰ろう
晴れた日で夏らしく暑かった
外では蝉が鳴いていた
退院おめでとう
よく頑張ってくれて本当にありがとう
病院の皆さんにも感謝の一言では
言い表せられないくらい
とてもとても感謝している
2021.9.4
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